とほほなトイレ事情。【〈LOISIR〉デザイナー・前田敬子による、保護猫・えいたと暮らす日常。 vol.49】

猫の習性で感心することの一つが、決まったところで用を足す、ということ。家猫になってもトイレのしつけで困ることがなく、掃除もしやすい。先住猫たちはどんなに体調が悪くても、老衰でおぼつかない足取りになってまでも、所定の猫トイレに向かおうとして、その健気さに尊敬の念さえ抱いていた。

なのにえいたときたら！ 猫の矜持はどこへやら。小の方はどうにか猫トイレで済ませるが、大の方は床のあちらこちらにダイレクト。朝晩、消毒液で拭いた床板はさすがに傷み始めている。

さらに、この悪しき習慣を妹猫に伝授。引き取った頃は猫の作法を身につけていたにんにんも、兄猫を真似て今やフリースタイルだ。とほほ。家にトイレが2ヶ所あって助かったものの、このまま放置するわけにはいかないぞ。

えいた 

ファッションブランド〈LOISIR〉デザイナー・前田敬子さんと暮らすえいた。ハンサムな名前の由来は永代橋（えいたいばし）の近くでコールタールまみれになって遊んでいるところを保護されたことから。空気は読めないと、ボランティアの方からもお墨付き。すでに壮年猫なのに相変わらずやんちゃで食いしん坊。趣味で段ボールアートを作ったり、上腕二頭筋を鍛えてみたり……。以前本誌で連載していた『まこという名の不思議顔のねこ』に登場していたまこは姉猫。兄猫しろたろとまことの暮らしを経て、現在は妹猫にんにんと同居中。本誌2022年5月号にて、わたなべとしふみさんによるえいたの紹介イラストを掲載しています。