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バリキャリ正社員からフリーランスに! 転身を後押しした「年収半減」の経験

  • 2024.4.5

35歳のとき、夫の無職をきっかけに「自分軸で生きる」と決め、料理動画の投稿を始めたおよねさん。インスタグラムに投稿した「肉巻きおにぎり」の動画が再生回数2500万越え、レシピ本「禁断の爆速ごはん」を出せば即重版と、現在は「爆速レシピクリエイター」として活躍しています。この連載では、紆余曲折あったおよねさんだからこそ見つけられた、人生が美味しくなるヒントをお届けします。今回は、バリキャリ正社員からフリーランスへ転身したおよねさんに聞く、およね流「新しい働き方」について。

「なんとかなった」経験が勇気に

副業や起業、業務委託など、新しい働き方が増え、それだけに「このまま会社員でいていいのかな」と悩む方も多いですよね。今回は、バリキャリ→定時帰り→業務委託→フリーランスと、期せずしていろんな働き方をしてきた私の経験をお話ししようと思います。

私が〈会社員〉という安定を捨て、フリーランスに転身できたのは、段階を踏めたというのが大きいと思います。

新卒入社した会社はベンチャー企業で、バリバリ働き、年齢の割にはそこそこの収入を頂いていました。ところが、ワンオペ育児ににっちもさっちもいかなくなり、定時帰りできる会社へ転職。そのとき、年収が半減したんです。でも、当時、夫は会社員だし、子どもも小さくてお金がかからない時期。なんとかなったんですよね。「年収半分でも生きていける」この経験は後々まで勇気になりました。

その後、キャリアアップを目指して、2社目も退職。社労士の資格勉強のために、家で短時間でできる仕事を探したところ、時給1400円や1500円など、2社目の収入から大幅に下がらないで済む仕事がたくさんあったんです。だから会社員でなくなったことに不安を感じることなく、業務委託の仕事を始めました。

ところがそこに、夫が心身の不調により退職するという大ピンチが! 自分が自由な働き方ができたのは、会社員の夫の収入あってこそだと痛感しました。当時、夫は38歳。無職になってから、夫はすぐに就職活動を頑張ってくれましたが、年齢的なものや、現時点で無職であるというキャリアを考えると就活が苦戦することは目に見えてわかりました。そこで私が大急ぎで就職活動をはじめ、一本内定をもらいました。結局、その後、夫が無事に就職先を決めてくれたので、私は内定を辞退し、業務委託を続けることに。その頃にレシピ動画投稿を始めました。

フリーランスの不安との戦い方

しばらくは、一日4時間の業務委託の仕事と、レシピ動画発信の活動を並行してやっていたのですが、そこにレシピ本出版のお話が舞い込んできました。制作には3カ月ほど時間がかかります。この3カ月は絶対レシピ本に集中したい。そしてヒットさせて、〈およね〉として活動していきたい。このタイミングで業務委託の仕事を辞め、〈およね〉業一本で活動することにしました。

インフルエンサーの仕事だけで暮らせるのか未知数でしたが、これまでも「なんとかなってきた」という経験があったので、踏み切れました。でも、これは性格も大きいと思います。慎重派の夫は「楽観的でいるだけじゃだめ。計画的に行動しないと」というタイプ。夫からの提案で今も毎週一回、夫婦で経営会議をしているんですよ。

たとえば、最近の議題は子どもの中学受験について。もし、私立に行くのなら、世帯年収はこの先このくらい上げていかなきゃいけない。でも、会社員の夫は伸び率が決まっているから、稼ぐポテンシャルがあるのはフリーランスの私の方。だからこのくらい仕事して……って目標売上を出されて、もっと頑張れ!と叱咤激励されるんです(苦笑)。めちゃくちゃプレッシャーなのですが、こうやって管理してもらわないと、私はすぐにサボるので丁度良いんだと思います(笑)。

毎週、夫婦でミーティングをしています(本人提供)

会社7、副業3くらいから始めよう

フリーランスになってよかったことは、やっぱり子育てと仕事のバランスが取れたこと。私の場合、子どもたちがわりと繊細なこともあり、会社員で働き続けるのはどうしても無理がありました。あとは、自分の得意なことや強みを仕事にできているのも幸せ。与えられた仕事をこなし、好きなことはできず、よくわからない評価制度のなかでお給料が決まり……、そういう会社員時代の理不尽さはなくなりました。フリーランスは良くも悪くも全部自分の責任ですからね。

ただ、「フリーランス超おすすめ!」と言うつもりは1ミリもなくて。やってみないとうまくいくかわからないし、収入を得たとしてもムラがあり、病気などで働けなくなれば収入ゼロ。そして何より孤独。私もフリーならではの苦悩を色々経験しました。性格的に集団の中にいたほうが自分の力を発揮できる人もいると思います。

それでもトライしたいなら、私のように段階を踏むのがおすすめです。いきなり会社員を辞めずに、まずは残業がない仕事に変えて、余白を作ってみる。0か100かじゃなくて、会社7、副業3くらいの割合から始めてみてもいいんじゃないかな。

家老芳美撮影

インフルエンサーがパン屋でバイトする理由

逆に私はフリーランスになったら、フリーランスでい続けなければいけないと思い詰めていた時期がありました。早い段階でバズり、周囲から「たくさん仕事がきてるんでしょう」と言われ、自分もそうじゃなきゃいけないと焦っていました。だから色々と活動の幅を広げてみるけど、誰に相談できることでもないので、すごく孤独で……。2冊目のレシピ本の原稿をチェックしながら、プレッシャーで怖くなり、眠れなくなったことも。

そんな時、同じフリーランスとして活動している友人から「本業とは別にいろんな仕事をしてバランスを取っている」という話を聞いて「自分自身のバランスの取り方も自由でいいんだな」と気づきました。こんな柔軟な思考を持てるようになったのも、フリーランスになったおかげだと思います。あのまま会社にしがみついていたら、ほかの生き方を知ることもなく、「人生、何をやってもいいんだ」という当たり前のことに気づけなかったと思います。

じつは、年末から近所のパン屋さんでアルバイトをしています。週にほんの数日、短時間のバイトなんですが、これが精神的にすごくイイ! 人と関わる環境を増やそうと思って始めたのですが、大好きなパンに囲まれる環境は私にとっては至福ですし、スタッフの方やお客様と会話することで想像以上に気持ちが前向きになることにも気づきました。そのおかげでおよねの活動にもメリハリができたと思います。

みなさんも、「これしかない」と思わずに、「ダメだったら戻ればいい」と肩の力を抜いて、自分に合った働き方を見つけてくださいね。大抵のことはなんとかなる。それがおよねの実感です。

今回紹介するレシピは、渾身の2冊目『やったもの勝ち!およね式手間どろぼうレシピ』より、体力が尽きた金曜日に高頻度で作る「金曜日のカレーうどん」。具をツナやコーンなど下ごしらえ不要のものにすればより手間なく作れます。

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■およねのプロフィール
2児を育てるワ―ママ。「巻かない棒餃子」「フライパンで完結するとんてき」など、ささっとラクに作れてちゃんとおいしいレシピを発信。2021年から始めたInstagramやTikTokで一気に注目が集まり、現在SNSの総フォロワー数は約30万人。Voicyにて「およねの人生を味わうラジオ」を毎朝7時に放送中。著書に「禁断の爆速ごはん ここまでやっちゃう100レシピ」(主婦の友社)。

■清繭子のプロフィール
ライター/エディター。出版社で雑誌・まんが・絵本の編集に携わったのち、39歳で一念発起。小説家を目指してフリーランスに。Web媒体「好書好日」にて「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」を連載。特技は「これ、あなただけに言うね」という話を聞くこと。note「小説家になりたい人(自笑)日記」更新中。

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