【ブラシ・スポンジ・パフetc.】プロが教える！ メイクツールの正しい洗い方とお手入れ法

ブラシやスポンジなどのメイクツールは、メイクを上手に仕上げるための欠かせないパートナー。日々頼りにしているのに、そのお手入れはというと意外とおざなりに…。そこで今回、美容のプロ3名に、メイクツールのお手入れ法を伺いました。正しいお手入れ法をマスターして実践すれば、メイクの仕上がりに差がつくこと間違いなし。

ThreePEACE所属。『MAQUIA』をはじめとする雑誌のほか、テレビやドラマ、映画など多方面で活躍中。韓国コスメにも精通し、タレントやモデルなどからの信頼も厚い。

SNSを中心としたデジタルの場で、「美しくなりたい」という思いと肌に寄り添う美容部員として活躍。メイクがワンランクアップするテクニックや美容情報を発信中。

2002年にM･A･C入社後、表参道ヒルズ店プロショップなどを経て渡米。NYを拠点に数多くのバックステージで経験を積み、14年からM･A･Cシニア アーティストとして日本のチームを牽引している。

1 フェイスブラシのお手入れ法【中性洗剤で洗う場合】

「チークなどがきれいに発色しない、粉含みが悪いなど、メイクの仕上がりがイマイチなのはブラシの汚れが原因のことも。筆先がしっとりしてモロモロとした汚れがついてしまう前に、中性洗剤などを使ってしっかり汚れを落としましょう」（栗原さん）

フェイスブラシを洗うタイミングは？
「ブラシの毛先にはメイク汚れのほか、肌に触れることで皮脂や汗が付着している可能性が。使う頻度にもよりますが、1ヶ月に1〜2回程度は洗剤を使ってお手入れを」（栗原さん）

STEP1ぬるま湯に中性洗剤を薄く溶かして泡立て、ブラシの筆先を浸けてやさしく振り洗いをする。 フェイスパウダーはもちろん、チーク、ハイライト、ファンデーションと幅広く使用可能。#159S デュオ ファイバー ブラッシュ ブラシ ¥7040／M･A･C

STEP2きれいな水またはぬるま湯で洗剤の泡が残らないよう十分にすすいだら、キッチンペーパーなどで水気を取り除く。

 STEP3 ブラシの形を軽く整え、筆先が床につかないようにしてタオルの上などでしっかり乾かす。「ブラシを洗うときや乾かすときは、常に毛先は下向きで！ 上向きにすると筆を束ねている根元に水やクレンザーが入り込み、持ち手との接着が悪くなるなど劣化する恐れが」（栗原さん）

2 フェイスブラシのお手入れ法【専用クリーナーで洗う場合】

毎日のメイク時には、きれいなブラシを使いたいもの。「毎回、ブラシを使った後に専用のクレンザーでお手入れする習慣をつけておくといいですよ。専用クレンザーはサッと使えてすぐに乾くので、慌ただしいバックステージで複数の色を使い分ける際にも重宝しています」（池田さん）

フェイスブラシを洗うタイミングは？
「一度使用したブラシには、目には見えなくても汚れが付着していて雑菌が繁殖しやすい状態です。放っておくとニキビなどの肌荒れの原因になるので、こまめに専用クレンザーで汚れを落として清潔にしておくことをおすすめします」（池田さん）

STEP1 専用クリーナーをキッチンペーパーに適量出し、ブラシのメイク汚れとなじませる。 毛が密集した柔らかな合成毛。クリームとリキッドをスムーズにブレンドしたり、メイクを仕上げるのに最適。#170 シンセティック ラウンド スラント ブラシ ￥6930／M･A･C

STEP2 リキッドファンデーションやクリームチークなどに使用した場合は、拭き取りだけでは汚れが落ち切らないことも。そんな時は小皿などにクレンザーを入れ、毛先と液を十分なじませて軽く振り洗いを。

STEP3 ティッシュやキッチンペーパーなどの上でブラシの毛先をやさしく動かして水気を切り、毛先を軽く整えて乾かす。

3 リップブラシ・コンシーラーブラシのお手入れ法

油分が多く、ブラシの毛の中に入り込みやすい口紅やコンシーラーに使用したブラシの汚れ落としには、ワセリンやバームを使うのもおすすめだとか。「ワセリンやバームも同じ油分なので、油汚れが簡単に落とせます」（栗原さん）

リップブラシ・コンシーラーブラシを洗うタイミングは？
「リップブラシはデリケートな唇に、コンシーラーブラシはニキビなど肌荒れしている部分にも使用するので、使用後は毎回、きちんと汚れを落としておいた方が衛生的です」（栗原さん）

STEP1 少し多めに取ったワセリンを手の甲にのせ、ブラシのメイク汚れとなじませる。 天然毛と合成毛を使用したコンビブラシ。適度なコシと厚みがあり、肌悩みカバーに最適。#242S シェーダー ブラシ ¥5390／M･A･C

STEP2 十分なじませた後、ティッシュなどで筆の根本から毛先へと汚れを押し出すようにしながら拭き取る。その後、専用クレンザーを染み込ませたキッチンペーパーなどで筆先の汚れを拭き取ると、さらに◎。

4 スクリューブラシのお手入れ法

マスカラ後のまつ毛をとかし上げたり、眉の毛並みを整えたりするスクリューブラシには、ウォータープルーフの落としにくい液や毛が絡みついたり、その形状からホコリが溜まりやすいというやっかいな一面が。「単にメイク汚れを落とすだけでなく、ブラシの軸に絡まった汚れをかき出すひと手間が必要です。狭いすき間に入り込める、歯間ブラシやマスカラコームを使うといいですよ」（栗原さん）。「2本のスクリューブラシで、お互いの汚れをかき出すようにするのも手」（池田さん）

スクリューブラシを洗うタイミングは？
「1週間に1度程度は、歯間ブラシなどを使ってしっかりお手入れを。毎日使用後にはキッチンペーパーなどでブラシを軽く拭き取り、汚れを溜め込まないようにするのも忘れずに」（栗原さん）

【スクリューブラシを2本持っている場合】スクリューブラシを2本持っている方は、専用クレンザーや中性洗剤を薄くとかしたぬるま湯につけて汚れを取れやすくしてから、片方のスクリューブラシでもう片方のブラシをとかすようにしてお互いの汚れを落とす。 毛が柔らかく、眉の毛流れを整えるのにぴったり。#204 ラッシュ ブラシ 各¥2750／M･A･C

【歯間ブラシを使う場合】歯間ブラシの毛先を使い、スクリューブラシにこびりついた汚れやホコリなどをオフ。事前に専用クレンザーなどを使い、汚れを落としやすくしておくと◎。

【マスカラコームを使う場合】スクリューブラシのすき間にマスカラコームの歯先を差し込み、毛の根元からとかすようにして汚れをかき出す。「マスカラコームは刃先が細く、すき間に入り込みやすい金属製のものがおすすめです」（栗原さん）

使用したクリーナーはこちら

ブラシに直接、もしくはタオルなどに塗布して汚れを落とす、速乾クレンザー。雑菌の繁殖やニオイも防ぎ、清潔な状態をキープする。ブラシ クレンザー 235mL ¥2860／M･A･C

5 スポンジのお手入れ法

スポンジはファンデーションの仕上げを左右する大事なツール。「汚れたスポンジはムラづきの原因になるほか、雑菌が繁殖して肌荒れなどを引き起こすことが。肌に触れるものなので、毎日清潔なものを使う方が、テンションも肌のコンディションも上がりますよ」（HINAさん）


スポンジを洗うタイミングは？
「未使用の、きれいな面がなくなったら洗いどき。四角いスポンジの場合、1回のメイク時に約1/2面を使うとすると、4回で裏も表も使用済みになるのでお手入れを。多角形のスポンジの場合も同様で、未使用の面がなくなったら洗いましょう」（HINAさん）

STEP1 水、またはぬるま湯に中性洗剤を薄く溶かした中にスポンジを浸し、指の腹を使って汚れを押し出すように軽く揉み洗いする。専用クリーナーを使う場合は、乾いたスポンジに直接含ませて指の腹で揉み込み、汚れとなじませる。

STEP2 きれいな水やきれいなぬるま湯の中でスポンジを揉み洗いし、水の色が変わらなくなるまで十分にすすぐ。すすぎ後はキッチンペーパーなどに挟んでプレスし、水気を切ってタオルの上などでしっかり乾かす。

6 パフのお手入れ法

パフが汚れていると肌あたりが悪くなり、粉含みも悪くなるのでムラづきやメイクノリの悪い肌に見えてしまう原因に。「ブラシやスポンジもそうですが、パフも肌に触れるものなので、汚れだけでなく雑菌の繁殖も心配です。定期的なお手入れを」（栗原さん）


パフを洗うタイミングは？
「スポンジ同様、きれいな面がなくなったら洗いましょう。とはいえパフは1回に全面を使うので、そうすると毎日洗う必要が…。毎日洗うのは大変ですし、厚手のものの場合は中まできちんと乾かないこともあるので、1～2枚程度洗い替え用を用意しておくといいですよ」（栗原さん）

STEP1中性洗剤を薄く溶かした水、またはぬるま湯の中にパフを入れ、指の腹でやさしく揉み洗いする。専用クリーナーを使う場合は、スポンジ同様、乾いたパフに直接含ませて揉み洗いする。「片手でギュッと絞るようにして洗うと、パフの中身がヨレてパウダーが均一につかなくなるので、形を崩さないよう両手の指の腹を使って洗うのがおすすめです」（栗原さん）

STEP2きれいな水、またはきれいなぬるま湯で泡や汚れが出てこなくなるまでしっかりすすぐ。「すすぎの時も洗う時と同じように片手洗いではなく、両手の指の腹を使って型崩れを防ぐと○」（栗原さん）

STEP3キッチンペーパーなどに挟んで水気を切り、2枚のパフでお互いを支え合わせるように立てて乾かす。「パフに限らず、スポンジやブラシといったツール類は、直射日光に当てて乾かすと劣化が早まる原因に。風通しのいい日陰で乾かして」（HINAさん）

7 ビューラーのお手入れ法

ビューラーは頻繁に使うのに、意外とお手入れを忘れがちなツールのひとつ。「金属部分にマスカラ液がついていたり、ゴムの部分にアイシャドウのラメが落ちていたりと、知らず知らずのうちにビューラーも汚れています」（栗原さん）

ビューラーを洗うタイミングは？
「汚れがたまるとお手入れが面倒になるので、使ったあとはウェットティッシュなどですぐ拭くように習慣づけておくといいですよ」（栗原さん）

STEP1 マスカラ液やアイシャドウなどがつきやすい、まぶたが当たるフレーム部分の汚れをウェットティッシュで拭き取る。

STEP2 まつげを挟むゴムの部分の汚れも同様に、ウェットティッシュで拭く。この時、ゴムの中央部分に深い溝ができていたり、ゴムが裂けていたりしたらゴムの交換を。「汚れを拭くときはティッシュだとケバがつきやすいので、ウェットティッシュやキッチンペーパーを使うのがおすすめです」（栗原さん）

おすすめの専用クリーナー

ブラシについたメイク汚れを素早く落とす、ティッシュなどに吹きかけて使うミストクリーナー。速乾タイプでメイクの色変え時にも活躍。ブラシクリーナー 120mL ¥2200／SHISEIDO

スポンジについたファンデーションや下地などの汚れだけでなく、雑菌まですっきり落とす。柔軟効果もあり。スポンジクリーナーN （L）198 120mL ¥825／資生堂

10秒の揉み洗いで、パフについたメイク＆皮脂汚れ、雑菌をくまなくオフ。植物性の洗浄成分配合で、手肌にもやさしい。パフクリーナー 80mL ¥660／オルビス

※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。

撮影／藤澤由加 取材・文／関本陽子 構成／中村千夏