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アメリカ人男性の理想をさらりと皮肉る。NYのアーティスト、ニック・ドイルが日本初個展を開催

  • 2024.4.4
ニック・ドイル

アメリカ人男性の理想をさらりと皮肉る

7、8年ほど前に知人のデザイナーが近所のスタジオを引き払うことになりました。その跡地で見つけたのが大量のデニム。これだ!と思いました。それまでもアメリカを象徴するものとしてパペットの映画や、実際に動く電車を制作していました。そんな頃、デニムほどにアメリカンなものはないと気づかせてくれたんです。

ニック・ドイルの個展『AMERICAN BLUES』
『AMERICAN BLUES』展示風景

強く意識しているのは「男性はこうあるべきだという風潮」。例えばドナルド・トランプは自分の利益のためだけに動き、徹底的な個人主義者で、思いやりに欠ける。でもアメリカにおいては一つの理想でもある。それゆえの居心地の悪さが制作の動機にもなっています。

その理想に押しつぶされて心を病むことはない。むしろ冗談として扱うくらいの感覚で付き合っていけるようになればいいと思うんです。制作も真面目一辺倒ではなく、ユーモアの心を忘れずにいたいですね。

「Clean Liv ing」
「Clean Living」/制作は撮影した写真を基に絵を描いて色分けを決定し、それに合わせてデニムを染色。組み合わせて完成。
「Top of the M ountain」
「Top of the Mountain」/コーラの自動販売機。
「More」/「Executive Toys」
「More」/「Executive Toys」という立体物シリーズからの奇怪な一作。社会的プレッシャーにさらされ自身を表現できない男性を作品に。ツマミを回すと動く。
「Unchain My Heart」
「Unchain My Heart」/錠にとらわれた花束。

Information

ニック・ドイルの個展『AMERICAN BLUES』

『AMERICAN BLUES』

ニックさんの年1行事で、男性性を表すトピックでもある「ロードトリップ」をテーマに全10作品が展示。個展に合わせて初の作品集『Blue』が発売。ギャラリーのショップで買える。

会期:〜4月27日
会場:ペロタン東京
住所:東京都港区六本木6−6−9 ピラミデビル1F
TEL:03-6721-0687
開館時間:11時~19時
休:日曜・月曜・祝日
料金:入場無料

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ニック・ドイル

ニック・ドイル

1983年アメリカ・ロサンゼルス生まれ。現在はブルックリン在住。サンフランシスコ・アート・インスティテュートなどを経て作家活動をスタート。2017年以降デニムのコラージュ作品を制作。ベルギー、フランス、韓国などで個展を開催。

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