1. トップ
  2. レシピ
  3. 【豆苗】の再生栽培にチャレンジ!実際に試して分かった切り方・育て方のコツ

【豆苗】の再生栽培にチャレンジ!実際に試して分かった切り方・育て方のコツ

  • 2024.4.3

1度買えば2度おいしい「豆苗」、保存方法は?

「豆苗」は未開封パックのまま、立てて野菜室で保存!
「豆苗」は未開封パックのまま、立てて野菜室で保存!

年間を通して価格が安定していて、お財布に優しい「豆苗(とうみょう)」。実は、食べ終わった後に、もう1回再収穫できることをご存知でしょうか。豆苗1パック分で、2度おいしい!が叶うのです。この記事では、買ってきた「豆苗」を長持ちさせる保存方法と再収穫のコツをご紹介します。

年間を通じて出回っている「豆苗」の多くは、びっしりと根がある水耕栽培のもの。未開封のパックのまま、立てて冷蔵庫の野菜室で保存するのがベストです。

袋の中で茎が曲がってしまう横置きなど、きゅうくつな状態で保存をすると葉が擦れて傷みやすくなるので要注意。根をカットした豆苗は、水分の蒸発を防ぐため、ぬらしたキッチンペーパーで茎を包んで折れ曲がらないゆったりサイズの容器に入れ、冷蔵室で保存を。

もやしと同様に水を張った容器につけて冷蔵保存する方法もありますが、豆苗に含まれる水溶性ビタミンが流出しやすく、おすすめしません。いずれの保存方法の場合も、2~3日で使いきるようにしましょう。

ポイントを押さえれば意外と簡単!「豆苗」再生栽培

▲再生栽培5日目。太陽の方向に芽を伸ばすので、置き方を毎日変えると◎
▲再生栽培5日目。太陽の方向に芽を伸ばすので、置き方を毎日変えると◎

いざ、再収穫にチャレンジ。必要なものは、葉と茎を切り落とした豆苗の根、水を張れる容器、包丁(またはキッチンバサミ)です。そして、育て方のポイントは、切り方・水の量・日当たり。一つずつ詳しく解説しましょう。

再収穫の成功ポイント(1)根元の切る位置が重要!

最初の重要ポイントは、根から葉と茎を切り離す際のカット位置です。根元ぎりぎりでカットするのは、NG。根本をよ?く見ると、小さな「脇芽(わきめ)」と呼ばれる芽の赤ちゃんが生えています。この「脇芽」を残してカットするのが最大のコツです。残した「脇芽」がやがて育ち、再収穫の喜びを分け与えてくれることになるからです。筆者は欲張って根元ぎりぎりで切り落として再収穫を試みたことがあり、芽が育たずに泣く泣く廃棄したことも。脇芽を傷つけないよう気をつけて、優しくカットしてあげてくださいね。

再収穫の成功ポイント(2)根が浸る程度の水を毎日取りかえる

豆苗に限らず、植物が育つためには水が必要。水の量は豆が完全に浸ってしまうと腐る原因になるため、根だけが浸かる程度の少し控えめを心がけましょう。その代わり、水が少なくなってきたら注ぎ足すのではなく、1日1回は水を取りかえてください。特に夏場は室温が上がると水温も上がり、腐りやすくなるのでご注意を。豆苗を水に浸した容器の内側を触って、ぬめりがあれば水を交換する際に容器も洗っておきましょう。

再収穫の成功ポイント(3)日当たりの良い室内の窓際で育てる

これは筆者が何度か再収穫を試した実感値となりますが、寒暖差のある屋外よりも、日当たりの良い窓際の室内の方が育ちやすく感じました。また、春と秋に10日程度で再収穫できたこと(冬は2~3週間程度かかったことがあり、夏は暑さで枯れてしまったことも)、豆苗の本来の旬は春の3~5月であることから、20℃前後の環境が豆苗によって心地が良さそうです。

順調に育てば10日程度で再収穫が楽しめる!

▲再収穫できるまで育った豆苗。なんだか愛おしさも感じられます。
▲再収穫できるまで育った豆苗。なんだか愛おしさも感じられます。

以上の3つのポイントを押さえて順調に育てば、10日程度で収穫できる高さに育ちます。筆者の実感としては、買ってきた最初の豆苗よりも、やや茎が細めでやわらかい印象の豆苗に育ちました。季節、室温、日当たり、水などの条件で栽培スピードや豆苗の状態が異なるため、様子をうかがいながら、あたたかく成長を見守ってあげてくださいね。

なお、再収穫した豆苗は根っこ近くに雑菌が付いている可能性があるため、生食はおすすめできません。よく水洗いし、加熱して食べるようにしましょう。また、何度でも繰り返し再収穫できるわけではないようで、2度目の再生栽培を何度か試みた結果、脇目が少なくなったためか、うまくいきませんでした。それでも、1パックで2度も楽しめるのですから、サステナブルな野菜といえそうです。

※参考文献:沼津りえ著『食材保存大全』主婦の友社,2020、村上農園 豆苗研究会『村上農園社員がためして納得!! 豆苗レシピ』あさ出版,2012

(野村ゆき)

元記事で読む
の記事をもっとみる