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苔の間に少しずつ咲く軽やかな白。『草と本』の愛でたい庭。ひみつの坪庭コレクション vol.04

  • 2024.4.3

京都の店々に密やかに備わる坪庭は、この街に暮らす人々の美意識を象徴するような場所。京都に出かけたら見に行きたい、小さくも美しい庭を紹介します。

緑の世界に咲く白の可憐さ。 ―草と本―

出典 andpremium.jp

西陣の路地で、紅殻の赤い色が印象的な町家。イラストレーターのダイモンナオさんが営むゲストハウスであり、ギャラリーを兼ねたシェアスペースでもある『草と本』。町家のセオリーどおり、縁側の奥にある坪庭はみずみずしい苔に覆われている。「賃貸のため大きくは手を入れられなくて。 手水鉢や背の高い紅葉はそのままに、絵に描きたくなる植物があればと」と、ダイモンさんが依頼したのは、庭園デザイナーの烏賀陽百合さんだ。
「『草と本』という名にふさわしいよう、まずは小山を造り下草を植えて。すると少しだけ残っていた苔も、どんどん育って苔むした景色に。様々な形の植物や花を植えつつも、なるべく白い花を選び統一感を持たせました」と烏賀陽さん。初春から早春にかけて庭を彩るのは写真左下に写るクリスマスローズ、咲き終わればスノーフレークの小さな花が顔を覗かせる。水仙、フッキソウ、ユキノシタと花が途切れることはない。苔や下草の深い緑と、咲く花の軽やかな白。コントラストが際立ち、モダンさを醸し出す現代の庭である。

出典 andpremium.jp
出典 andpremium.jp

2020年開業。ダイモンさんのアトリエに泊まる感覚で滞在する。レンタルスペースを使い、毎週木曜にはカフェ営業も。
『草と本』
京都市上京区水落町87‒2
なし
営業の詳細はHPやインスタグラムで。

photo : Yoshiko Watanabe illustration : Junichi Koka edit & text : Mako Yamato

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