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偏差値至上主義から校風重視へ…?2024年度首都圏中学入試を振り返る、今年人気だった学校は⁉

  • 2024.4.2

2024年度の中学入試が終わりました。今年の首都圏の受験者数は去年に比べて900人少ない6万5,600人と、9年ぶりに減少(コアネット教育総合研究所調べ)。一方で、中学受験率は過去最高を記録し、やはり中学受験への関心は引き続き高いといえそうです。そんな中、気になるのが、どこの学校が人気だったのか・・・ということ。調べていくと、志願者を増やした学校に、いくつか傾向がありましたので、今回はその中から3つ!ご紹介したいと思います。

大学進学実績

中学受験をする目的の一つに「大学進学を考えたときに有利だから」ということがあります。そのため、前年の大学進学実績が翌年の志願者数に大きく影響してきます。とりわけ、東大や京大といった最難関国立大学の実績は、メディアに取り上げられることも多く、注目されます。2024年度入試でいうと、駒場東邦がその一つです。2023年度の東大合格者数が70人を超え、しかも理Ⅲが5名で開成や麻布を抜き、話題になりました。その結果今年の入試では、男子御三家が志願者を減らす中、前年比105%と志願者を増やしました。また付属校や系属校。最近急に増えてきた、高大連携した学校も人気を集めています。国際基督教大学(ICU)と連携した佼成学園、法政大学と連携した三輪田学園。また昨年11月に、北里大学との合併を発表した順天。医療系学部の多い北里大学の付属化は注目され、実際今年の入試では、特に男子の志願者が急増。全ての日程で倍率が4倍台・5倍台になりました。

理数系やICT教育が充実

次に、理数系やICT教育に力を入れている学校です。豊洲にある芝浦工大付属では、実験・工作の体験授業「サイエンス・テクノロジーアワー」が行われ、理工系の仕事への興味関心を引き出す工夫がされています。また、理工系大学の付属校というメリットをいかし、大学の最先端の研究に触れる機会も用意。そのような取り組みもあって、今年はかなり志願者を増やしました。女子校では、2023年に120周年をむかえた、山脇学園。英語と理科に特化した教育施設を整備するなど、「伝統校」という言葉にあぐらをかかず常に進化する姿勢で、人気を集めています。2025年には英語上級者向けの「国際教養コース」を設置する予定もあり、今後もこの人気は続きそうです。他にも、将来のための英語教育やICT教育に力を入れている、国際系の学校。今年は特にサレジアン国際世田谷が人気で、多数設定されている日程やコース、そのほとんど全てで志願者を増やしました。中には前年比381%という回もあり、厳しい入試になりました。

少人数で面倒見のよい学校

3つ目は、少人数で面倒見の良い学校。昔は少しでも偏差値の高い学校へ、という雰囲気のあった中学受験ですが、ここ最近は、我が子に合った学校・6年間安心してまかせられる学校を選ぶ家庭も増えているようです。1学年3クラス・130人程度の小規模校である普連土学園もその一つです。英数での分割クラスやチームティーチングなど、生徒一人ひとりに目が行き届く教育で、大学進学実績も好調。今年は全日程で志願者が大幅に増えました。女子校に多い、「少人数で面倒見の良い学校」ですが、この「面倒見」という流れは男子校でも増えてくると予想されます。実際今年に入ってから、神奈川御三家のひとつ浅野中学が、2025年度以降の入試について、募集人数をそれまでの270名から240名に、また明治大学付属中野中学校は、2025年度の新入生から7学級編制に変更し、より丁寧な指導を目指すと発表しました。

最後に

いかがだったでしょうか。新6年生は、これから志望校を本格的に考える時期に入ると思います。2025年度入試は、2月2日が日曜日になるプチサンデーショックの年で、青山学院中等部は入試日程を3日に変更するとすでに発表しています。今年の入試結果や、そのような変更を踏まえて、ぜひお子様に合った志望校選びをしていただけたら・・・と思います。

【Profile】ねね(@nene_juken_)

 (1545161)

高校生、大学生の3人のママ。学生時代の塾講師と家庭教師の経験を生かして出産後は幼児教育にコミット。その後、子ども3人の中学受験の経験をインスタグラムにて発信、年間500件のお悩みに回答。慶應義塾大学文学部、教育学専攻。現在はプロ家庭教師として活動中。

Instagram:ねね(@nene_juken_)

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