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武井壮、プロテスト合格した髙木優奈とトーク&プレー!「また落ちるかも…と」

  • 2024.4.2

百獣の王こと武井壮が、プロゴルファーを目指していろいろな経験を積むのがこの企画。今回は、23年のJLPGAプロテストを4 位で合格した髙木優奈がゲスト。お互い23年にテストに合格した者同士だが、とくに合格まで7年かかった髙木の話は必読だ!

テストに合格したふたりのトーク&プレー

武井壮、プロテスト合格した髙木優奈とトーク&プレー!「また落ちるかも…と」
4位以内でスタートしたのに「また落ちるかも……」と思いましたー髙木

武井 プロテスト合格おめでとうございます!

髙木 ありがとうございます!

武井 今年(23年)、合格した選手のなかにも注目や話題となる人たちがいましたが、髙木プロもそのひとりですね。

髙木 7年越しの6回目で受かりましたから(笑)

武井 今回、プロテストを受けた選手のなかで、レギュラーツアーに出場した経験が一番多いのは、髙木プロですよね?

髙木 たぶんそうですね。

武井 数年前に女子ツアーに出場する制度や資格が変わって、単年登録がなくなり、プロテストに受かっていない非会員がツアーに出場しにくくなった。テストの合格者も20人くらいと狭き門になりましたが、毎年、合格する候補にあがる選手でしたよね。

髙木 周りの人たちや、私自身も数年前まではそう思っていました(笑)

武井 近年は自信がなかった?

髙木 今年の最終テストは、変に自信がありました(笑)。でも、一昨年は1打足らず、昨年はスタート前から大泣き。試合前に泣いたのは、あれがはじめてでした。順位も60位くらいで、かすりもしなくて試合後も泣きました。

武井 スタート前にも?

髙木 はい。やりたくなくて(笑)。試合後は悔しさより恥ずかしくて泣きました。一緒に回った子は受かったんですが、「クラブってどうやってもらうんですか?」と聞かれて、私はゴルフ場さんやメーカーさんにサポートしていただいて「こんなによくしてもらっているのにまた落ちたのか」と思うと、本当に恥ずかしかった。

武井 わかります。僕もティーチングプロの実技テストを受けて合格しましたが、背負うものが勝手に大きくなっていくんですよね。練習場もゴルフ場も、プロも一般の方もみんなよくしてくれて。ティーチングプロの実技テストは、2日間の1日を79で回れば合格圏内。普段ならなんてことないはずなのに「期待や応援に応えなくては」という気持ちが出てきますよね。

髙木 そうなんです! だから昨年は「もう辞めよう」と思って、帰りのクルマのなかで転職サイトを見ました(笑)

武井 おお、そこまで思いつめていましたか。そんな気持ちを乗り越えて、ついに合格したわけですが、まずは最終テスト4日間はどうでしたか?

髙木 初日は66で、ベストスコアだったんですよ。

武井 テスト期間中の?

髙木 生涯のベストです。6バーディでボギーを打ちそうな気配もなく、もっと伸ばせたな、と思うくらいいい感じでプレーできました。

武井 最終テストでのベストスコアはすごい!

髙木 でも「怖っ」とも思いましたね。初日にこんないいスコアが出るなんて。2日目はノーボギーとはいかなかったですが、ボギーを打った直後にバウンスバックができて、17番までパープレー。ところが、最終ホールでボギーを打ったのがメンタル的にきて、久しぶりのオーバーパーで急に不安になりました。

武井 2日間トータル5アンダーで、上位にいても?

髙木 順位は見ないって決めていました。コーチとの話で、最終テストまで進んだ100人のうち20しか通らない、100分の20と思うとしんどいけど、1日3アンダーの4日間12アンダーにすると決めて挑みました。

武井 予定より1打足りていない。とはいえ、まだ2日ありますね。

髙木 いい日もあれば悪い日もあるってことは、想定していました。3日目はラッキーな日で、チップインが2回。風が強くてショットの調子があまりよくなかったけど4アンダー。

武井 予定どおりの1日3アンダーペースに戻しましたね! そして運命の最終ラウンドですが、スタート前の心境は?

髙木 なんにも気にしないようにしよう、と思っていましたね。

武井 「しないように」という時点で気にしていますね(笑)

髙木 最終組にいるってことは4位以内。「まぁ受かるだろ」「普通にやればいけるでしょ」という気持ちもあったんですが、会場のコースは4年前にも最終プロテストで回っていて、最終日が21位スタート。イーブンで回れば受かったのに、80くらい打って落ちました。

武井 そのときは何が起こったんですか?

髙木 ボールがつかまらなくて、スタートホールのティーショットがペラペラ~って右にいきました。それが今回また出て「うわぁ、私なんにも変わってないや」と思いましたね。2番ホールも全然当たらなくてグリーンを外すし。それでもなんとか4番ホールまではパーで上がれたんですよ。ひとホールずつなんとかこなす、という感じでした。

武井 それ、わかるわぁ。テストのときのゴルフってそうですよね。

髙木 5番ホールのティーショットはドライバーではなく、7番ウッドで打つんですが、それも右に飛んでラフに。ピン位置は左でしたが、その左は池なので右サイドを狙って打ったら、突っかかって池に入りました。で、ボギーになって、次はパー5だったので獲り返せるかな、と思ったのに、ドライバーはフェアウェイに飛びましたが、セカンドは左がダメなのにめっちゃ左に飛びました。

武井 体が止まっちゃったんですかね。

髙木 そうかもしれません。行ってみたら、ボールはバンカー、足は外だったんですよ。ピンまでの距離は60ヤード。ボールから30ヤード先まではバンカー。グリーンエッジからピンまでは20ヤードくらい。悩んだ末にピッチングウエッジを選んでうまく打てたんですが、転がりすぎてグリーンオーバー。そして、アプローチはチャックリ、チャックリで、連続ボギー。

武井 苦しい展開! どうしたらいいか混乱しますよね。

髙木 2オーバーにしちゃって「この感じだとまた落ちるかも。今日、何オーバー打っても通るかな」という脳に切り替わってしまったんですが、「そういうことじゃない。ひとホールずつ消化していけば大丈夫」と思って、結局そこからボギーを打つことはなかったんですが、初日みたいに簡単にパーを獲れたホールは少なかったです。ラフやバンカーに入ったり、下り傾斜に打たなくてはいけなかったり。

武井 すごい疲れるゴルフ。僕のテストのときのことを思い出しちゃって、聞いている僕も疲れちゃう(笑)

髙木 9番ホールでやっとバーディがきて、それで落ち着きましたね。後半ハーフも耐えるホールが多かったですが、バーディが3つきて、2アンダー。4日間トータル11アンダーで合格しました。

武井壮、プロテスト合格した髙木優奈とトーク&プレー!「また落ちるかも…と」
必死にパーを獲りにいくのがテストのゴルフですよねー武井

武井 僕が受けたテストとはレベルが全然違うけど、テストとなるとツアープロになる人でも苦しんで、パーを獲ることに必死になるんですね。

髙木 早く終わって、と思いましたね。高校生のふたりに引っぱってもらいましたが、初受験の彼女たちは朝からすごい楽しそうにしていて、6回目の私とは大違い(笑)

武井 1位合格の清本美波選手と2位タイの馬場咲希選手?

髙木 はい。私も高校生のときに受験しましたが、あのころのほうが今より下手でした。でも、最終テストは実力以上のものを出さないと厳しいかもしれないけど、1次や2次予選で落ちるなんてまったく思っていなかった。でも、今年は2次予選で落ちてしまうかも、という不安はありました。

武井 その不安は何度目くらいから?

髙木 3度目くらいからが私にとって「プロテストはつらいもの」と思うようになりました。

武井 相当つらかったし、とても苦労したのがわかります。だって、すっごいしゃべりますもんね(笑)

髙木 しゃべらせてください! 7年間の思いを全部吐き出したい!(笑)

武井 どうぞどうぞ。残念ながらプロテストに落ちてしまった選手はたくさんいるので、髙木プロの話はプロを目指している多くの人たちに聞いてほしいですね。

髙木 インスタとかで、これまでの自分の気持ちは結構投稿してきたんですが、テストに落ちると、その年にどんなにガンバっても、どんなにいい成績を出しても、結局テストに落ちたら1年間なにしていたんだろうという気持ちになるし、周りも「結局テスト落ちたらダメでしょ」という目で見られてしまいます。

武井 どうしてもそういう風潮がありますよね。テストの結果だけで評価されてしまい、落ちると周りも自分自身も、努力が足らない、練習が足らない、メンタルが弱いとか。

髙木 テストがダメだったら、私のすべてがダメだと思う、思われることから抜け出せたのは、今年(23年)、海外ツアーにいってプレーしたときで「私、シンプルにゴルフがうまくなりたくてやっているんだ」と気づいたんです。

武井 テストに合格するためではなく。

髙木 そうです! 日本にいるとテスト、テストとなってしまい、たしかにテスト合格が最大の目標だけど、そのためではなく、うまくなりたいから反省もするし、やるべきことを探して練習しているんだってことにフォーカスできたことがすごくよかった。

武井 晴れてプロとしての目標はありますか?

髙木 プロ宣言をしてからは数年経ちましたが、宣言したときから「ゴルフって楽しいスポーツなんだな」と思ってもらえるプレーをするのが目標で、合格してあらためてその気持ちが強くなりました。魅力がある選手だと思ってもらえるプレーヤーになりたい。もうひとつ、応援してくれるたくさんの人たちに毎週上位争いしている姿を見てもらい、何勝もできる強いプロを目指したいです。

武井 時間がかかったぶんの鬱憤をぜひツアーで晴らしてください。

髙木 いや~本当にそうですよ! ガンバります!

いかがでしたか? 武井さん・髙木さんの活躍に注目していきましょう!

武井 壮
●たけい・そう/スポーツ、芸能の枠を超えて活躍するマルチタレント。YouTubeでは「武井壮百獣の王国」を配信中。
●オフィシャルサイト gogotakei.com/
●twitterアカウント @sosotakei
●インスタグラムアカウント sosotakei

髙木優奈
●たかぎ・ゆうな/1998年生まれ、神奈川県出身。156cm。19年ステップアップツアーで優勝。20-21年はレギュラーツアー45試合に出場し、2試合でベスト10入り。プロテスト合格後は、QTファイナル14位で24年シーズンのレギュラーツアー出場権を獲得。JLPGA新人戦 加賀電子カップ(96期生)は初日から首位に立ち完全優勝を飾った。フリー。

写真=田中宏幸 協力=湘南シーサイドゴルフ倶楽部

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