オーストリア代表、EURO2024に向けた新ユニフォームを発表！建築芸術を描く「異端デザイン」

Text by 立野敦史(Qoly LFB Vintage)

6月から7月にかけて開催される欧州選手権（EURO2024）に出場するオーストリア代表。その大会に向けた新ユニフォームが3月27日に発表となった。男女の各代表チームで使用する。

オーストリア代表 2024 Puma ホームユニフォーム

2024新ホームユニフォームは、近年のオーストリアでは定番となっているレッドを基調としたデザインで、全体に非常に風変わりで異端ともいえるグラフィックをデザインする。

グラフィックは、オーストリアのアールヌーボー建築の繊細な美しさに触発されたもので、国の創造性と革新性を称賛したデザイン。オーストリアでは“ユーゲントシュティール”とも呼ばれるアールヌーボーだが、この分野で有名な建築家はオットー・ワーグナーだ。

ワーグナーの代表的な建築の一つに、ウィーンの「カールスプラッツ駅」がある。シャツのグラフィックはかなり抽象的に表現したものだと思うが、この駅などのワーグナーの作品が要素の一つとなっているようにも見える。

オーストリア代表 2024 Puma アウェイユニフォーム

新アウェイユニフォームは、こちらも近年定番のホワイトを基調色に採用。オーストリアでは珍しくターコイズを差し色に使用して描いているのは、エンブレムの鷲の“羽”を新たな解釈で表現したものだ。

ちなみにホワイトは90年代まで基本的にオーストリアの「ホーム」で使われていた色。現在は色を入れ替えた形でレッドがホームとして定着している。

デザインのテーマは「自然と冒険に対する親近感」。鷲が羽ばたく姿で“冒険”を描いたとするなら、“自然”はこの国でいくつか見られるターコイズ色の湖を表現したものかもしれない。

オーストリアのエンブレムといえば、2019年から使用している現在のデザインは鳩のような鷲の姿に威厳を感じられず、評判は決して良くない。

欧州選手権は3大会連続4回目の出場となるオーストリア。ドイツを舞台に行われるEURO2024ではグループDに所属し、ポーランド、オランダ、フランスと対戦する。

なお、3月の代表ウィーク明けに発表となったこの新ユニフォームは、まず女子代表が4月5日にホームで行われる欧州選手権予選（ドイツ戦）で、最初にホームキットを着用する予定だ。