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名刺入れに「アルミケース」はマナー違反?悩める新社会人に【ビジネスマナーへの向き合い方】を心理カウンセラーがアドバイス

  • 2024.4.1
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「アルミの名刺ケース」はマナー違反?

「アルミの名刺ケース」はマナー違反?
「アルミの名刺ケース」はマナー違反?

日々さまざまな情報や、いろいろな意見が行き交うSNS。X(旧ツイッター)でたびたび話題になるのが“謎マナー”。「オンライン会議では上役が上座(画面上の方)に来るよう入室する」「ハンコは隣の上司に向けてお辞儀をしているように傾けて押す」などビジネスの世界には暗黙のルールが存在します。

プチ議論となってのは、「名刺入れにアルミケースを持って行ったら、マナー講習で『お客様の分身である名刺を冷たいアルミケースに入れるのか?』と言われた」というビジネスマナーに関する投稿。

この投稿を見たユーザーは、「『お客様は神様』も然り、本来の意味を逸脱して変な報告に展開していくのが日本の悪いところ」「圧倒的にアルミケースの方が使い勝手が良かった」「製造メーカーに失礼では」と、「アルミケースはマナー違反」は謎マナーであると批判するコメントがある一方で、「アルミケースは安っぽく見える」「アルミケースは耐久性が低い」「保管用でしょ?」など、アルミケースの名刺入れを好まない声もあげられていました。

このように、新社会人を悩ます“謎マナー”があるのは事実。心理カウンセラーの佐藤城人さんは「マナーはあくまでもマナーです。絶対的なルールではありません」と言います。マナーについて悩んでしまった、重く受け止めがちな人に向けて「名刺交換の際に大切にしたいマナーの考え方」を解説してもらいました。

~はじめに~名刺交換に「マナー」が存在する理由

「ビジネスをする際、『相手の役に立てることは何か?』これを意識しながら進めなさい」この言葉は、私が初めて名刺を持った際、上司から教わったことです。とかく、ビジネス交流会などに行くと、「私は〇〇という者です。私は△△を扱っています」などのように、必死に自分を売り込む人を見かけます。ビジネスですから、宣伝をすることに問題はありません。

ただ、「あなたのために、お役に立てることは何ですか?」このスタンスの方が、スマートではないでしょうか。また、名刺交換についてネットで検索すると、たくさん出てきます。

この結果、不安が不安を招いたり、実際の場面では「間違えてはいけない」とギクシャクしたりしがちです。ただ困った際は、「相手のために。そしてお互いのために」この観点から考えてください。そうすると、なぜこのマナーが存在するのか、の理解も深まります。

最低限知っておきたい「名刺交換のマナー」

名刺交換のマナー
名刺交換のマナー

細かいことを書けば、キリがありません。そこで、必要最低限の5つに絞ってお伝えします。

(1)名刺を渡す場面「立場が下の人から上の人に渡す」名刺交換の際の基本です。また、名刺は 「相手から読める向き」で渡します。着席した状態であっても、いったん立って行い、その際お互いに挨拶や自己紹介を交わします。

訪問した際は訪問した側から先に渡します。相手が複数の場合は、役職の上の人から順に渡します。誰が上司かわからない場合でも安心してください。相手側もマナーを心得ていますので、上司から進み出てくれます。もし、先方から先に渡された場合でも、「申し遅れました」とひと言添えれば大丈夫です。マナーはあくまでもマナーです。絶対的なルールではありません。なお、片手での受け渡しや、名刺入れではなく、ポケットや財布から名刺を取り出すのは、良い印象を与えません(名刺入れについては後述します)

(2)会議や商談の場面 受け取った名刺は、直ぐに名刺入れに入れず、自分の名刺入れの上に乗せ、机の左側(自分から見て)に置くのが基本です。もし、複数の場合は、役職が上の方の名刺を名刺入れの上に置き、他の方の名刺を机の上に、相手の座った席順に並べて置くのがお勧めです。相手の顔と名前が一致してスムーズに会話ができるからです。

(3)名刺をしまう場面 商談などが終了し、相手が名刺をしまうタイミングに合わせて名刺入れにしまいます。その際、「今日はありがとうございました」「頂戴いたします」とひと言添えることができれば、より丁寧です。

受け取った名刺を、そのまま置き忘れることや、故意に汚したり折り曲げたりすること。これは失礼な行為になります。ご注意ください。

(4)名刺を忘れた場合「忘れた」と正直に伝えるのではなく、「あいにく名刺を切らしている」と伝えた方がいい、と教えるビジネス講師もいます。嘘も方便ですから、これもOKです。ただ、私は素直に謝るのもひとつの方法としてOKと思っています。仕事上、失敗は誰にでもあります。誠意をもって対応し、その失敗をどうやってリカバーするのか、そして、より大きな成功につなげた方が、相手も喜びますし、自己の成長にもなり得ます。

なお、忘れてしまった場合でも、後日書類等を送る機会があれば、ひと言添えて名刺を同封する方法もあります。

(5)デジタル名刺 ペーパーレスの時代です。また、オンラインでの商談も増えてきました。デジタル名刺も普及しつつあり、実際にお会いする場面でも活用できます。ただ、まだ紙の名刺が廃止になったわけではありません。紙の名刺とデジタルの名刺、相手に合わせる形で併用できればいいですよね。

名刺交換のマナーについてお伝えしました。「あれこれと面倒だな」と思うかもしれません。ただ、「相手の役に立てることは何か」この観点に立つと、「選ばれる私」という発想も生まれます。A社・B社と複数が競合する場合、選ぶのは相手です。このように考えると、最低限のマナーは心得ておいた方がよさそうです。そして、これは名刺入れについても同じです。

「名刺入れ」の正解は?

相手を不快に思わせないものを選ぶと良い
相手を不快に思わせないものを選ぶと良い

名刺入れは、身だしなみや服装の一部です。必要以上に高価なものを持つ必要はありません。この逆に、安っぽいイメージのあるものだと、あなた自身が安っぽい人に思われてしまいます。まして、名刺入れは受け取った相手の名刺を(たとえ一時的であっても)保管するものです。

イメージしてください。自分の分身であるあなたの名刺を、相手がヨレヨレの名刺入れや、安っぽい名刺入れに保管することを。自分は気にならなくても、相手は気にする場合もありますよね。この点では、デジタルの名刺も同じです。見るからに不潔なスマホからQRコードを読み取ってもらうのはOKでしょうか?

ビジネスの基本は清潔感です。まして新社会人の場合はなおさらです。そうであるのならば、どの素材が良いか悪いかのように「何を持つのか」ではなく、「どのように持つのか」ではないでしょうか?名刺入れを、ぞんざいに扱う場合、ぞんざいな仕事をする人と思われても仕方がありません。「見られている自分」の視点が持てるといいですよね。

なお、名刺のことなど、ビジネスマナーに迷った場合、会社の上司やメンターなどの先輩に相談してみてはいかがでしょう。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」とも言います。

~最後に~名刺交換で大切な視点

「見られている自分」についてお伝えしました。ただ、見られている自分だけだと、どうしても萎縮しがちです。そこでぜひ、「自分からも見る意識」を持ってください。

名刺には、相手の情報が書いてあります。そして、名刺だけではなく、相手のこともよく見てください。ちゃんと観察するからこそ、相手が喜ぶことも分かるのです。

冒頭で、困った際は、「相手のために。そしてお互いのために」と書きました。お互いが気持ちよく交流することが、ビジネスの成功につながります。大切なことは 「お互い」です。この視点が抜けてしまうと、一方通行の自己犠牲の付き合いとなってしまいます。「見られている自分」だけではなく、ぜひ「自分からも見る」を実践してください。

「観察をしない人が、50年あるいは60年。病人のそばで過ごしたとしても、決して賢い人間にはならない」この言葉はナイチンゲールが看護に従事する際に語った言葉です。同じことが、ビジネスにも言えるのではないでしょうか。皆様のビジネスでのご活躍とご成功、心からお祈りしています。

(佐藤城人(さとう・しろと))

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