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「束子」は「たばこ」ではありません!【漢字クイズ】意外と読めない漢字3選

  • 2024.3.31

見慣れた文字なのに意外と正しく読めない漢字をご紹介する漢字クイズ。今回は、「子」を含んだ漢字「束子」、「賽子」、「螺子」の読み方に迫ります!

【漢字クイズ】vol. 29

正しく読めたらスゴイ!

最初のお題は「束子」。

まず、「子」の読み方は、みなさんご存じのものが多いと思います。訓読みの「こ」、音読みの「し、す」のほか、十二支の第一位(動物ではネズミ)を指すときは「ね」とも読めます。

「束」のほうも、見慣れた漢字のひとつです。訓読み「たば」のほか、「束縛」、「約束」などで使われる「そく」という読み方や、「つか」と読むこともできます。

では、この二つを組み合わせた言葉「束子」はなんと読むのでしょう?

「束子」は「たばこ」ではありません!

正解は、

「たわし」でした!

「束子」は、掃除や炊事をするときに使うおなじみのアレ。器物をこすって洗うための道具です。

では、なぜ「束」を「たわ」と読むのでしょう?

語源を調べてみると、束子はわらやシュロの毛を束(たば)ねてつくられたことから、「たはし」「たわし」となったという説がありました。(諸説あります)

今でも使われている「亀の子束子」は、1907年に西尾正左衛門氏が考案。シュロの葉の繊維などを束ね、二本の針金でより合わせて両端をつないだ楕円状のスタイルで、握りやすく使いやすいことから人気を得ていきました。

「賽子」の読み方は…?

正解は、

「さいころ」でした!

「賽」は、ふだんあまり見ない難しい漢字ですよね。でも、「お賽銭(さいせん)」などにも使われているので、サッと読めたかたもいるかと思います。

むしろ読めないのは、見慣れた漢字「子」のほうです。なぜ「ころ」なのでしょう?

『日本国語大辞典』によると、「ころ」は「ころがる」「ころころ」の「ころ」と同じ意味の接尾語、とのこと。「子(こ)」に親愛の意味を表す接尾語の「ろ」がついたと説明されています。

「さいころ」には、ほかにも采子、骰子、投子、角子などの表記があります。

「螺子」の読み方は…

正解は、

「ねじ」でした!

なかなか難しい読み方でしたので、読めたかたはスゴイです!

「螺子」とは、物を締めつけるのに使われる螺旋(らせん)状の溝があるもののこと。「螺」の音読みは「ら」で、螺子は「らし」と読んでもOKです。

そもそも「螺」は、巻貝や螺旋状のものを意味する漢字で、「法螺貝(ほらがい)」や「螺鈿(らでん)」などにも使われています。

また、「ねじ」という言葉の由来は、「捩(ね)じる」という動詞を名詞にしたものです。ほかに、「捻子」や「捩子」も「ねじ」と読めます。

「螺子」はあまり漢字で使うことはないかもしれませんが、遭遇したときサッと読めるとステキですよね。ぜひ、この機会に覚えてくださいね。

以上、意外な読み方をする漢字3選でした。次回もお楽しみに!

参考資料:
『広辞苑』(岩波書店)
『日本国語大辞典』(小学館)
『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)

文・田代わこ

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