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【『涙の女王』の深層心理】キム・ジウォンが演じるヒロインと母の不仲はいつまで?

  • 2024.3.31

日本でNetflixを通して視聴できる『涙の女王』が人気を集めている。ドラマは、財閥クイーンズグループの三世となる令嬢ホン・ヘイン(キム・ジウォン)と夫で同グループの法務部で辣腕をふるうペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)の夫婦関係をドラマチックに描いている。

「やっぱり!」と感心するのはストーリーが重層的な展開になっていることだ。天才的なパク・ジウン作家の構成力がいかんなく発揮されている。

なんといっても、パク・ジウン作家といえば希代のヒットメーカーである。『僕の妻はスーパーウーマン』『棚ぼたのあなた』『星から来たあなた』『プロデューサー』『青い海の伝説』『愛の不時着』などの傑作ドラマで名を馳せている。特に、主役のキム・スヒョンとは『星から来たあなた』『プロデューサー』を通じて相性がとてもいい。

こうして期待どおりの面白さを発揮している『涙の女王』だが、物語の序盤からとても気になっているのは、ヒロインのヘインと母親のキム・ソンファ(ナ・ヨンヒ)の仲がとても悪いことだ。特にソンファは娘に対して非常に批判的。そればかりか、結婚式の時はヒョヌの母親に対しても非常に冷たい態度を見せていた。

なぜそこまでソンファはヘインと不仲なのか……物語が進むにつれてその理由が分かってくる。

画像=tvN
苦しさが強調される展開

ヘインは幼い時に海で溺れかかった。それを助けようとした兄が、逆に溺れて死んでしまったのだ。ショックを受けたソンファは「ヘインのせいで最愛の息子が亡くなった」と思い込み、それからずっとヘインのことを恨み続けていた。その恨みが、結局はヘインを遠ざける結果を生んでいたのだ。

これはヘインにとっても本当に辛いことだろう。彼女は兄が亡くなったという十字架を背負って生きている。さらに母親がそのことで自分を責め続けている。いたたまれない気持ちだろう。

さらに、ドラマが進むにつれて、ヘインの内面的な苦しさが強調される展開になっていく。しかも、余命の短さまで宣告されてしまった。

「がんばれ、ヘイン!」

思わずそう声をかけたくなる。『涙の女王』というタイトルが象徴している「涙」。果たしてヘインに、涙がやむ人生がやってくるだろうか。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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