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【櫻井海音、吉沢悠、小池徹平】結婚と恋愛はやっぱり違うものなのかもしれない

  • 2024.3.29
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心の底から「愛してる」と思える男性、純粋で不器用で愚直な年下男性、そして優しく真っすぐな愛で安心を与えてくれる男性……。現在、FODにて配信中のドラマ『愛してるって、言いたい』は、そんな三者三様の男性たちの間で揺れ動く、39歳の女性の想いをリアルに描いている作品。

前回は主演の安達祐実さんに、年齢を重ねるにつれ恋愛に不器用になる女性心理についていろいろと伺った。今回は、相手役を演じた櫻井海音さん、吉沢悠さん、小池徹平さんに、男性から見た主人公への印象、さらには年齢とともに変わる“相手に求めるもの”についても教えてもらった。女性視点では見えなかった、深すぎる本音が……。

愛してるって、言いたい 櫻井海音 吉沢悠 小池徹平

バリバリ戦っている女性がふと見せる弱さは、人間らしくて魅力的

──このドラマにはまったく異なる3タイプの男性が登場するのが、見どころの一つだと思います。3人はそれぞれに良さがあり、それぞれに足りないと感じるものもあったりする。それだけに主人公を演じる安達祐実さんも、「3人のいいところを1人にまとめてほしい」とおっしゃっていましたが、まずは皆さんが演じられた男性のキャラクターを教えていただけますでしょうか?

櫻井海音(以下、櫻井)「僕が演じさせてもらった松重瑛斗は、バンドのギタリストで、バンド活動のために昼間は区役所で働いています。ひょんなことから樹さんのマンションに間借りすることになるんですけど、その中でだんだんと成長していき、樹さんとも恋愛に発展……するのかしないのか、という役どころです」

吉沢悠(以下、吉沢)「僕が演じている外科医の沢田真和は、大人の色気がある男。樹と恋愛関係にあるんですが、それを周囲に内緒にしているので、樹も思っていることを言えなくなっている、というところがあります。樹のことは本当に愛しているんだけど、ワンマン的で、樹の想いを汲んであげられない。個人的にはひどい男だと思います(笑)」

小池徹平(以下、小池)「僕は樹の職場に出入りしている佐藤航平という男性を演じています。佐藤は樹にチャラくアピールしているんだけど、そういう軽いノリじゃないと気持ちを伝えられないという、不器用さを持った男性。その分、ピュアで意外と芯のあるヤツで、僕自身は好きなキャラクターなので楽しく演じさせてもらいました」

──樹という女性は、自立して充実した人生を送っているように見られがちですが、本当は寂しかったりモヤモヤしていたりします。でも年齢を重ねるにつれ、本音を素直に伝えることができなくなってしまった……。そういう、ちょっとこじらせてしまっている女性って、男性にはどのように映るんでしょう?

小池「樹のような女性ってバリバリ戦っている、みたいな印象がありますよね。それだけにふとしたときに吐く弱音とか見えたりすると、また印象が変わってくるのかなって。ギャップって言うんでしょうか。仕事ではあんなにバリバリやっていたのに、2人になったときとかに違う一面を出されたりすると、ちょっとドキッとするのかなあとは思いますね」

櫻井「同感ですね。実際、ドラマの中では樹さんの弱さみたいなものがすごく描かれていて。それがお酒を飲んだときとか、寝てるときとかに出てくるわけなんですけど、僕は共演していて、そういうところが何か人間らしくて魅力的だなあと思ったので。実際に樹さんみたいな女性がいたら……、それはキュンとするんじゃないかなって思います」

察していてもハラスメントが気になって言えなかったり……

──樹のように思っていることを言えない女性って現実にもけっこう多いと思うのですが、男性は女性たちのその言えない想いというのは察せられるものなんでしょうか?

吉沢「タイプにもよると思いますが、僕はたぶん、好きな相手だったら細かいところも見ようと思うので、気付けるんじゃないかと思いますけど……」

櫻井「僕は察する自信、ないですね。鈍感なほうですし。今って発言一つ一つに責任を持たなきゃいけない時代でもあるから、察していたとしても言えなかったりする、ということもあるんじゃないかと思います」

小池「まさにそれで、ハラスメントとか気になってきますよね。撮影現場でもハラスメント講習とかあったりして。人の領域に入り過ぎる、コミュニケーションを強いる、みたいなことは良くないと教えられるので、『察してほしい』がすごく難しい時代だと思うんです。昔だったら、察して気軽に『今日元気ないけど大丈夫?』とか声かけられたのが、『これ言っていいのかな』と気にしてしまったりする。だから察していても言えない男性も増えているんじゃないでしょうか」

吉沢「まさにドラマのタイトル通りで、言いたいけど言えない」

小池「お互いの気持ちを確認し合うっていうのが、より難しい時代になった。だからこそ伝えることに今まで以上に慎重になる気持ちも、分かるんです。僕は昭和生まれで良かったなあというのも何ですけど、櫻井くんの世代って大変だろうなあと思います。他人事で申し訳ないけど(笑)」

愛してるって、言いたい 櫻井海音 吉沢悠 小池徹平
愛してるって、言いたい 櫻井海音 吉沢悠 小池徹平

たしかに結婚と恋愛はちょっと違うものだと思う

──この物語は、沢田が長く付き合っていながら結婚相手には樹を選ばなかった、というところが、女性視聴者は他人事に思えないと思うんです。よく「結婚と恋愛は別」なんて言葉も言われますが、皆さんは実際どう思われていますか?

吉沢「沢田は、5年も付き合っていて、相手の年齢も年齢なのに、単純にちょっとひどいかな」

小池「卑怯ですよね」

吉沢「そう思いますけど、たしかに結婚と恋愛はとなると……。僕は結婚しているのでもうそういうことは考えないんですけど、結婚する前は『ちょっと違うものなのかな』という漠然とした思いはありました。実際結婚してみると、やっぱり違うかなあ……、違くないですか? 新しい家族が増えたり、恋愛時代とは違う事情が出てきますよね?」

小池「あと結婚となると、自分も変わっていかなきゃいけない部分もけっこうありますよね。長く恋人だった期間を経て結婚される方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、やっぱり結婚って重たさもあるんですよ。婚姻届一つ取っても、保証人が2人も必要だったりとか」

吉沢「2人の問題じゃなくなってきますもんね」

櫻井「実は結婚願望があって。今22歳で、25,6歳でしたいなと思っているので、最近、恋愛と結婚の違いみたいなものもすごく意識しているんです。結婚するなら3年ぐらいはお付き合いをして、お互いを知る時間が欲しいなと思っているので、逆算すると今からでもお付き合いしていたい気持ちで。だから一気にハードルが上がりましたね」

──結婚を意識すると、求めるものが変わってきますか?

櫻井「全然変わりました。とりあえず付き合ってみよう、という感覚が持てなくなったというか。学生の頃は、『とりあえず付き合ってみよう』みたいな感覚があった気がするんです。でもそれが本当になくなりましたね。今は相手の人生に責任を持つとか、常にそういう想像を膨らませながら生きているので、ある意味臆病になりましたね……」

小池「それだけ真剣ということだよね」

変わらず相手に求めるものは“飽きない”

──吉沢さんと小池さんは、櫻井さんの世代だった頃と今とで変わったことはありますか?

吉沢「完全に変わったことがあります。結婚する前は、『料理は作ってくれるかな』とか『家事はどれだけ分担してやっていくんだろう?』とか、理想像みたいなものがあったかもしれません。だけどいざ結婚してみると、理想通りにいくことなんてほぼないじゃないですか。『ここサボッてんな』とか。だけどそういうこともあるって理解して、お互いに埋められるところは埋めていかないとケンカになっちゃうから。だから理想は変わりましたけど、相手に求めるものは変わっていなくて。それは“飽きない”なんです。飽きなければずっと一緒にいられるし、実際妻は飽きさせないかな」

小池「それは素敵ですね! だけど難しいと思います。やっぱり長くいるとだんだん気持ちを伝えにくくなったり、言うタイミングをつかめなくなったりする。だから僕も飽きないためにというか、言いにくいこととか言わなくなることもなるべく伝えるようにはしています。やっぱり行動だけだと伝わらないことって多いので、感情に任せて『もういいよ』ってならないよう、話し合いは大事にしていますね」

櫻井「飽きないって大事ですよね。それは結婚するしない以前に、人間としての魅力があるということでもあると思いますから。そうすると異性でも同性でも、変わらず長い付き合いをしていけるのかなあって思います」

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長く一緒にいるとなったとき、“優しい”ってやはりすごい重要

──“飽きない”が長い関係を築いていくうえですごく重要な要素だというのは分かりましたけど、じゃあ具体的にどうすればいいかとなると、すごく難しい気が……。

吉沢「そういう意味では、さっき小池さんが言っていた『ちゃんと伝える』っていうことはポイントだなと思いました。普段の会話もそうですけど、ちょっと嫌なことがあったとか、そういうことも話せる関係のほうがメリハリがあっていろいろ上手くいくはず。だけどそこで樹みたいに自分の中だけで抱えちゃうと……。こちらも気付けるときもあるだろうけど、やっぱり言葉にしてもらわないと気付けないことってあると思うので、もしVOCE読者にも似たタイプの方がいらっしゃるとしたら、ちょっとそういうことも話してみてほしいですね。それで相手が受け止めてくれる場面があったとしたら、相手のそういう一面が分かる、という良さもあると思うので、いいんじゃないかと思います」

──受け止めてくれなかったら……?

吉沢「そこで、『今後もこの人と一緒にいるべきか?』とか分かってくるのかなと思うんですよ。だから僕が樹だったら、佐藤さんを選びますね。やっぱり優しいってすごくポイントだと思いますから。長く一緒にいるとなったとき、魅力が先行し過ぎている人って何かが足りないなあ、となる気がして。『ちょっと優しい言葉をかけてほしいんだけど』というときにその言葉がもらえなかったりすると、そのストレスって自分の中でけっこう蓄積していくと思うんですよ。だから佐藤さんみたいなタイプのほうがいいんじゃないかなあと思ったんです」

──いえ、すごく為になる視点でした。では最後に、ドラマのタイトルにちなんで、皆さんは女性から「愛してる」と言ってもらいたいか教えていただけますでしょうか?

小池「僕は両方ですね。言ってもらいたいし、自分も言いたい。そして実際、言っています。うちは家族みんなで言い合っていて、子供なんてオモチャの機械みたいに何回でも言いますもん。パパダイスキダヨ……って。だから『ありがとうありがとう、早く寝なさい』って言うんですけど(笑)」

櫻井「僕も言いたい側ですね。実際、言える……と思います。本当に『愛してる』と思っていたら!」

吉沢「僕は『愛してる』って言わせたいですね。言わせられるような自分でいたいな、と。妻はハードルが高いんですよ。なかなか言うタイプじゃないので、『なかなか言わねーな』と頑張っています(笑)」

──大変為になる数々のお話。今日は本当にありがとうございました!

櫻井海音
2001年4月13日生まれ。東京都出身。NHK朝ドラ『エール』にて俳優デビュー。2023年はTBS系『VIVANT』へ出演し、WOWOW『アオハライド』ではダブル主演を務め、今年冬には、初主演映画『推しの子』が公開予定。昨秋までバンド、インナージャーニーのドラマーを務めていた。

小池徹平
1986年1月5日生まれ。大阪府出身。2002年俳優デビュー。2005〜2016年には、ウエンツ瑛士と音楽デュオ、WaTを結成し、大人気を博す。甘いマスクを武器に、残念なイケメンからサイコパスまで何でも演じられる俳優として引っ張りだこ。現在、舞台『リア王』に出演中。

吉沢悠
1978年8月30日生まれ。東京都出身。1998年にデビュー。以降、テレビ、舞台、映画など幅広く活躍。近年では『夫婦が壊れるとき』、『泥濘の食卓』などがある。7月からスタートする舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』では主演のハリー・ポッター役を務める。

FODオリジナルドラマ『愛してるって、言いたい』(全10話)
上田樹(安達祐実)は薬剤師として働く39歳、独身。仕事は充実しているが、長年付き合っている医師の沢田真和(吉沢悠)は他の女性と婚約。そのモヤモヤをぶつけることも、沢田を責めることもできず、苦しい日々を送っていた。そんなある日、飲み会の帰りに年下男性の松重瑛斗(櫻井海音)と知り合う。瑛斗にマンションの1室を間借りさせてほしいと頼まれ、現状を変えたいという思いから同居生活を始めることに。さらに取引先のMRである佐藤航平(小池徹平)と出会い、真っすぐな愛と優しさで安心感を与えられ……。本当の意味での自分の幸せや、誰かに愛されることの大切さに気付き、樹の中で何かが変わり始めていく……。原作は今村リリィの同タイトル漫画。3月15日(金)よりFODにて順次配信中。

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PROFILE

書き手

山本奈緒子 Naoko Yamamoto

放送局勤務を経て、フリーライターに。「VOCE」をはじめ、「ViVi」や「with」といった女性誌、週刊誌やWEBマガジンで、タレントインタビュー記事を手がける。また女性の生き方や様々な流行事象を分析した署名記事は、多くの共感を集める。

撮影/楠本隆貴 取材・文/山本奈緒子

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