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貯めるよりも難しい⁉死ぬまでに老後資産をすべて使い切る戦略とは

  • 2024.3.29

年金不安などもあり、日本では資産運用などがブームだ。一方で、「死ぬときまでにどうお金を使い切るか」について考えている人もいる。

自分が貯めたお金を使い切らずに死ぬのは、確かにもったいない気がする。お金に困らない老後を送りつつ、資産をすべて使い切る方法は?

■「使う」ことが下手な人は結構多い

老後のために貯蓄や投資を始め、しっかりと資産形成に日頃から努めている人は賢明だ。しかし、資産を増やすことは得意でも、「使う」ことが下手な人は結構多い。その結果、せっかく貯めたお金をほとんど使わずに亡くなってしまう人は少なくないのが現状だ。

少なくとも、自分の子どもや孫に残そうと思っている分以外は、使い切って亡くなりたいものだが、どうすればこの願望を実現することができるだろうか。

■年齢が上がるにつれ貯蓄額を減らす

結論から言えば、厳密にお金を使い切るのではなく、「少しぐらいなら残ってもいい」というやや緩い縛りで考えた方が、無理なく戦略を実行しやすい。

いずれにしても「貯蓄の総額を徐々に減らしていく」という考え方が最も重要だ。60歳で2,000万円の貯蓄があったとしたら、70歳時点で1,500万円、80歳時点で1,000万円、90歳時点で500万円、100歳時点で250万円、という感じで減らしていくわけだ。

もちろん、純粋にこの考え方を実践するだけでは、80歳のときに亡くなったら1,000万円を使い切らずに一生を終わることになるが、少なくとも使わずに残る金額は年齢が上がるに従って減っていく。

それでも満足がいかない場合は、貯蓄を切り崩すペースを加速させよう。そして「老後は最終的には定期収入だけで生活する」と割り切ろう。貯蓄がゼロになっても、年金が1カ月20万円の人は支出を月20万円以内に抑える生活を送ればいい。

ただ、もしものときに必要なお金だけはしっかり残しておこう。

■老後は貯めたお金から自分にご褒美を

資産を増やすことは安心感につながるため、誰でもポジティブな気持ちを持って貯蓄や資産運用に臨みやすい。しかし「使う」ことは恐怖心を伴うため、貯めてばかりでうまくお金を使えない人は多い。

しかしこれは非常にもったいないこととも言える。汗水垂らして働いたのは、ただただ「将来の安心」のためだけだろうか。現役時代に一生懸命働いた自分に対して、老後は貯めたお金からご褒美をあげてもよいのではないのだろうか。

「(この世から)貯蓄ゼロでさようなら」ができるように、お金を「貯める」戦略だけではなく、「使う」戦略も考えていきたいものだ。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。

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