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【京都アート】桜名所・南禅寺北にある野村美術館・春季特別展「野村得庵 席披茶会再現」

  • 2024.3.28

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は左京区南禅寺北にある美術館。野村證券などの金融財閥を築いた野村徳七の収集品の中なら、席披茶会を再現。

桜の名所めぐりの途中に訪れたい春季特別展

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左京区南禅寺北側、下河原にある公益財団法人野村文華財団が運営する美術館『野村美術館』があります。

こちらで、現在開催中の春季特別展『野村得庵 席披茶会再現 ー神戸棲宜荘・熱海塵外荘ー』が前から気になっていて、今回は桜めぐりの途中にやってきました。

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ちなみにこちらは美術館ですが、館内に椅子席で気軽にお抹茶と季節の生菓子が楽しめる立礼茶席も設けられています。美術鑑賞とともに、館蔵品の中から席をしつらえており、間近で茶道具を鑑賞することが出来る、貴重なお茶席でもあります。

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この野村美術館は、野村證券などの金融財閥を築いた二代目野村徳七(1878 ~1945)の収集品を主な展示品として1984年に開館。徳七は実業家であるとともに「得庵」と号した茶人でもあり、茶を藪内節庵、能を観世左近に習い、得庵が茶の湯と能に造詣が深かったことから、コレクションの内容もその2つのテーマを主軸に、毎年春と秋に特別展が開催されます。

そして、このすぐ近くには得庵の別邸であった野村碧雲荘もあり、一般公開はされていませんが、見事な茶室や能舞台、池泉回遊式庭園もあることで知られています。

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展覧会は前後期で作品が入れ替えされ、今回は前期展示を鑑賞。

得庵は住まいを神戸・住吉の地に建設し、棲宜荘と名付け、その敷地内に茶室を設け、茶の湯に親しみました。また京都別邸・碧雲荘の他に熱海にも別邸・塵外荘を建築し、棲宜荘・碧雲荘と同じく茶室を設え、生涯茶の湯を愉しみました。

前期展示では得庵が大正13年4月に棲宜荘で行った茶室の披露茶会を、また後期展示は昭和16年4月に塵外荘で行った茶室の披露茶会を再現展示。

それほど茶道具に造詣のない私にとっても、その展示品の趣や佇まいから銘品であることがわかり、思わず見入ってしまう作品の数々。特に個人的には、茶席で振舞われた懐石料理の献立とそれが盛り付けられた器展示に注目。その中でも強肴用の開扇鉢には穴子、嫁菜が盛られ、器の造形美と呉須の色合いがより料理を引き立てたことだろう、と想像力を膨らませるに至りました。

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また、地階展示室では前期展示『本歌と写し』。個人的に俳句を習っていますが、和歌や俳句の世界に、1句または数句を素材として新しい表現する手法『本歌取り』というものがありますが、それが器の場合でも同じように存在し、オリジナルに対するオマージュも込めた模造作品が銘品であったりする世界観。こういった視点の展覧会は他ではあまりなく、これも貴重な所蔵品のある野村美術館ならでは、と言えます。

今のシーズンであれば、桜の名所や観光スポットが近くにあり、散策途中にも訪れたい場所ですね。

詳細情報

名称:生誕500年利休茶の湯の継承
場所:野村美術館 京都市左京区南禅寺下河原町61
電話:075‐751‐0374
会期:前期:3月9日(土) ~ 4月21日(日)
後期:4月27日(土)~6月9日(日)
※ 4月22日 (月)~26日(金)は展示替のため休館
開館時間:10:00 ~ 16:30(16:00 最終入館)
休館日:月曜日 (月曜が祝日の場合は翌日)
入館料:一般800円 学生300円(中学生以下無料) 障がい者300円
公式サイト:http://nomura-museum.or.jp/

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