1. トップ
  2. なぜ5月に頻発?高速道路でタイヤが破裂!ドライバー戦慄の“バースト”が起こるワケ

なぜ5月に頻発?高速道路でタイヤが破裂!ドライバー戦慄の“バースト”が起こるワケ

  • 2024.5.20
  • 17269 views

突然起こるとパニックを起こす恐怖の“バースト”

undefined
見るからに恐ろしいバーストした状態のタイヤ…走行中にいきなり来たらコワ過ぎる!(写真提供:加藤久美子)

近年、高速道路を走行中にタイヤがバースト(破裂)する事故が増えています。

ほとんどの人にとってタイヤのバーストは未経験。静かに空気が抜けていくパンクとは違って、音や振動もかなり大きなものがありパニックになる人も少なくありません。

ではどんな状態が「バースト」なのでしょうか?

筆者の友人Mさんがかつて経験したバーストについて語ってくれました。

雨の首都高で突然感じた振動と衝撃

undefined
「事件」は首都高で起こった / 写真:PIXTA(イメージ)

「小学生の息子を乗せてミニバン車で首都高速の左側の車線を小雨が降っていたので60km/hくらいのゆっくり目の速度で走っていました。すると、突然ガタガタガタ!と大きな音がし始めて、まるで岩だらけの砂利道を走っているような振動と衝撃がありました。何事?と思ってびっくりしたのですが、ふとバックミラーを見ると黒くて丸いものが後方に転がっていくのが見えたんです。え?何?タイヤ?タイヤが外れた??? 一瞬パニックになりましたが、すぐ先に見えていた非常駐車帯にハザードランプを点灯させながら停車して110番しました」(Mさん)

間もなく、首都高パトロール隊が到着したそうです。

undefined
写真提供:加藤久美子

「『タイヤがバーストして外れています。これ以上、この車で走るのは無理ですね。タイヤとホイールキャップは車道の左にあるので後ほど回収します』と言われました。そこで初めてタイヤがバーストして外れてしまったことを知りました。やっぱりさっき見た黒くて丸いものは外れたタイヤだったのだなと」(Mさん)

その後、積載車が来て近くのカー用品店に運ばれていったわけですが、Mさんは店の方から「損傷したのがタイヤだけでラッキーでしたね。いきなりバーストすればパニックになって急ブレーキを踏み中央分離帯などに激突して大事故になるケースもありますよ」と言われたのだそうです。

原因はタイヤの「空気圧不足」!

undefined
写真提供:加藤久美子

今回のMさんのように、突然訪れるタイヤのバースト。

しかしそれは日常的な点検で予防することができます。原因の多くはタイヤの「空気圧不足」と「劣化」です。空気圧に関してはふだん、あまり意識することなく乗っている方が多いと思いますが、バーストによって重大な事故につながる恐れもあります。タイヤの寿命や保管状態が影響することがあります。

GWなど5月にタイヤのバーストが多いのはスタッドレスから通常のタイヤ(夏タイヤ)に戻した際、空気圧や劣化状態のチェックを怠って高速道路を走ってバーストという状況が結構あるからとのこと。保管状況も大きく関わりますが、タイヤが安全に走れる寿命は4-5年なのでタイヤの購入時期も頭に入れておくとよいでしょう。

長期間乗っていなかったタイヤははとくに空気圧のチェックを念入りにすべきですが、以下で方法をお伝えします。

タイヤの空気圧のチェック方法

 

undefined
写真:PIXTA(イメージ)

【時期】
基本的にタイヤの空気圧は月1回程度チェックするようにしましょう。
※適正な空気圧は車によって異なります。ドア部分に貼られるシールに書いてあります。不明な場合はディーラーやメーカーのお客様相談室に尋ねてください

【場所】
自宅にエアゲージなどがない場合はガソリンスタンドで行いましょう。

【環境】
空気圧は必ずタイヤが冷えている状態(=出かける前や高速道路などに乗る前がベスト)で行いましょう。

【その他のチェックポイント】
ひび割れなどで劣化しているとバーストの危険性が大きくなるので空気圧チェックの際、ひび割れなどがないかも確認しましょう。

車検時に忠告を受けていた

undefined
写真:PIXTA(イメージ)

首都高でバーストを経験したMさんは、バーストする2か月前に車検にだしており問題なくパスしていました。

しかし、車検を受けた整備工場から「タイヤが劣化しているから交換したほうがいい」とは言われていたとのこと。車検ではタイヤの残り溝(1.6mm以上)があればOKのため、タイヤのゴムがえぐれるような大きなヒビ等の損傷がない限りスルーされてしまうので要注意です。

undefined
写真:PIXTA(イメージ)

また、自宅で空気圧チェックができない場合はガソリンスタンドで行います。最近はセルフスタンドが増えていますが、必ずスタッフが店内にいるはずなので空気圧のチェックや補充ができないか聞いてみましょう。使い方がわからない時も遠慮なく聞いてOKです。最近では気軽に空気圧チェック&空気補充ができるカー用品店も増えています。お出かけ前にはぜひ確認してみてください。

タイヤチェックを怠ると高速走行中にタイヤがバーストし、命に係わる事故につながる危険性もあります。

溝(スリップサインが出てないか?)、ひび割れ、空気圧のチェックはマストです。ふだんあまり車に乗らない人こそ入念にチェックしてくださいね!


undefined

大学卒業後、日刊自動車新聞社編集局および出版局で編集記者を7年3か月務めた後、1995年からフリーランスへ。2000年に第一子出産後は、妊婦のシートベルト着用やチャイルドシート着用の普及啓発活動を全国の小児科医、産科医とともに行い、2008年に道路交通法シートベルト教則の改訂を達成した。現在は、Yahoo!ニュースなどに配信されるメディアの記事を年間300本以上寄稿。専門分野は海外(中国と北米、ロシアが中心)のクルマ事情。海外で人気の日本車や中古車、クルマ好きから歩行者まで車に関わるすべての人々に対して役立つテーマを取材、執筆。自動車盗難、交通事故、子どもの安全、クルマにまつわるトラブルなど、独自企画、独自取材の記事が95%。BIGMOTOR問題に関しては大手メディアが報道合戦を始める前から取り組んでおりテレビ、ラジオの出演も多数。