計算式の中に小数が含まれていると難しく感じるかもしれません。
しかし「小数を含んだ方程式」は、最初の一工夫だけで簡単な計算式に変形が可能です。
今回は、そのような問題に挑戦してみましょう。
問題
次の方程式を解きなさい。
0.02x+0.1=-0.3x-0.54
小数を含んだ方程式は、最初に等式の両辺に同じ数を掛けて小数を消すというのがポイントです。
解説
今回の問題答えは「x=–2」です。
また、途中の計算式は次の通りです。
0.02x+0.1 = –0.3x–0.54
2x+10 = –30x–54
2x+30x = –10–54
32x = –64
x = –2
等式には、「両辺に同じものを掛けてもよい」という性質があります。
そこで、小数が消えるように同じ数を掛け算しましょう。
問題の中に含まれる小数は四つあります。すべての小数を消すために「100倍」します。
それぞれを100倍する
0.02x → 2x
0.1 → 10
–0.3x → –30x
–0.54 → –54
小数のなくなった計算式は、次のようになります。
2x+10 = –30x–54
このように小数を消すことができれば、通常の方程式として計算を進めていくことが可能です。
文字を含んだ項を左辺に、文字を含まない項を右辺に移項し、計算しましょう。
よく間違えるポイント
今回の問題「0.02x+0.1 = –0.3x–0.54」では、小数を消すために「100倍」をしました。
しかし、「0.1」と「–0.3x」は100倍ではなく、10倍でも小数を消すことができます。
・「0.02x」と「–0.54」は100倍で「2x」と「–54」
・「0.1」と「–0.3x」は10倍で「1」と「–3x」
という計算方法でも小数は無くなりますが、これは間違いです。
「この部分は100倍、この部分は10倍、・・・」と、違う数を掛けることはできません。
等式の性質は「両辺に同じものを掛けてもよい」というものであるため、すべての項に共通の同じ数を掛けなければいけません。
小数を消すためには、どのような数を掛ければいいのかに注意しましょう。
まとめ
「小数を含んだ方程式」は、はじめに小数が消えるように掛け算をしましょう。
ただし、すべてに同じ数を掛けないといけないので注意が必要です。
計算方法を忘れていた方は、ぜひ復習をしてみてください!
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
小数の計算をもう一問どうぞ!