算数・数学の基礎となる「四則演算」を正しく理解できているでしょうか。
ちょっとした計算でも電卓を使っていると、計算のやり方を忘れてしまいがちです。
この記事では、「四則演算とは何か」を例題を交えながら解説をしていきます。
問題
次の計算をしなさい。
(10-8÷4+1)÷3×2
計算する順序に、気をつけてください。
解説
今回の問題の答えは「6」です。
途中の計算式は次のようになります。
(10-8÷4+1)÷3×2
=(10-2+1)÷3×2
=(8+1)÷3×2
=9÷3×2
=3×2
=6
四則演算が混ざった式の場合、計算する順序が決まっています。
計算は必ず次の順番でしなければいけません。
(1)カッコ内の計算
(2)掛け算・割り算
(3)足し算・引き算
まず計算しなければいけないのはカッコ内です。
カッコ内(10-8÷4+1)は、引き算・割り算・足し算となっているので、割り算部分の「8÷4」から計算します。
すると、カッコ内が(10-2+1)となるので、
前から順に計算して10-2+1=9となります。
よって、カッコが外れた式は、「9÷3×2」。
これで割り算・掛け算のみの計算となったので、前から順番に計算します。
9÷3×2
=3×2
=6
最終的な答えの「6」が出ました。
一見すると複雑な計算式のようですが、順序さえ意識すれば、一つ一つは簡単な計算ですね。
四則演算とは
四則演算とは、小学校で習う足し算・引き算・掛け算・割り算をまとめた呼び方です。
中学数学以降では、次のように呼ぶこともあります。
足し算→加法
引き算→減法
掛け算→乗法
割り算→除法
また、それぞれの計算した答えを「和差積商」と呼ぶこともあります。
足し算の答え→和
引き算の答え→差
掛け算の答え→積
割り算の答え→商
これらの言葉は、使う機会も多いので、ぜひ覚えておきましょう。
先ほど解説したように、四則演算が混ざった式では、計算の順序が決まっています。
この順序を間違えると、計算結果も異なるので注意が必要です。
一方で、「交換法則」や「結合法則」のような計算の順序を入れ替えることができる性質もあります。
交換法則
a+b=b+a
a×b=b×a
結合法則
(a+b)+c=a+(b+c)
(a×b)×c=a×(b×c)
例えば、「36+78+22」の計算はどのようにするでしょうか。
もちろん前から計算してもいいのですが、実は後ろから計算すると少し計算が楽になります。
36+78+22
=36+(78+22)
=36+100
=136
計算の順序は基本的に決まっているのですが、このように入れ替えることが可能な場合もあるので、うまく工夫していくことが大切です。
まとめ
四則演算は、算数・数学の基礎となります。そのため、正しい理解をしていないと、発展的な問題に取り組むことができません。
計算問題は地道に練習を繰り返すことで、正確さとスピードを身につけることが可能です。
他の記事の問題にもぜひ挑戦してみてください!
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
四則演算の問題をもう一問!