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「安達祐実ならあり得る」“年の差恋愛”に違和感がないのはなぜ...?再ブレイクの秘密に迫る

  • 2024.5.29
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なぜ、そんなに若いのか? なんの下心もない純粋な疑問から、そう問いかけたくなってしまう人がいる。2024年5月15日から地上波放送もスタートしているFOD配信オリジナルドラマ『愛してるって、言いたい』の主演、安達祐実もその一人だ。5月24日からは主演映画『三日月とネコ』も公開を迎え、再ブレイクと言って良い活躍を見せている。その理由は?

年下男性との恋愛模様を描いた『愛してるって、言いたい』

今村リリィによる同名漫画を原作とした『愛してるって、言いたい』は、39歳薬剤師の主人公・上田樹(安達祐実)と、周りには関係を隠している恋人・沢田真和(吉沢悠)や、あるきっかけから樹と同居することになる松重瑛斗(櫻井海音)らをめぐる恋愛模様を描いた物語。

真和は、樹自身が初めて心から「愛している」と思える相手だった。しかし、周りには恋人であることを隠している点、一言もなく婚約者をつくってしまった真和の心の内がわからなくなってしまった点などから、樹の情緒は揺れる。

39歳薬剤師の樹は、収入面でも十分に安定しており、積んできたキャリアもある。自分の確固たる地盤を持ちたい、安心できる城を土台にしたいという思いからか、マンションを購入する彼女の行動に、共感する女性も多いのではないだろうか。

その後、真和との恋愛を清算する過程や、同居することになった年下男子・瑛斗と心を通わせる姿、猛烈にアタックしてくる佐藤航平(小池徹平)との駆け引きなど、全10話のなかに濃密な展開が詰め込まれている。

本作を見ていて驚かされるのは、ひとえに主人公・樹を演じる安達祐実の表現力と、若々しさだ。

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(C)SANKEI

実年齢42歳の彼女が、39歳の樹を演じていても違和感がないどころか、30代前半と言われても通じる。年下男子である瑛斗や航平と恋愛関係になっても、なんら不自然ではない。

年齢差のある男女の恋愛ドラマを見ていると、視聴者の心には多かれ少なかれ「ここまで年齢差のある恋愛は、現実には珍しいこと」といったフィルターがかかってしまうもの。しかし本作においては、そんなフィルターはすべて「安達祐実の若さならあり得る」に取って代わられる。

もちろん外見の若々しさに限らない。真和との恋愛が上手くいかず葛藤し、決死の覚悟で別れを告げた瞬間の表情や、思わず両手を握り込み、その場に脱力してしまう仕草など、まばたき一瞬の間に表現される樹の感情には、さまざまな彩りがある

それは言わずもがな、子役時代から本能的に、感覚的に身につけられた、女優・安達祐実の嗅覚によって表出し得るものに違いない。

安達祐実、再ブレイクの理由は?

ドラマ『愛してるって、言いたい』が好評につき、配信の枠を超えて地上波放送が叶った。5月24日には主演映画『三日月とネコ』も公開、安達祐実本人とも信憑性の高い、40代猫飼いの女性を演じている。

日本を代表する女優として絶えず活躍してきた彼女だが、近年とくに「再ブレイク」と呼称して良いほどの華に溢れていると思えてならない。

その理由は、映画『春画先生』(2023)や連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(2021)など、話題となる注目作との縁が深いこと。そして女優業以外の活動でも評価を得ていることが関係しているのではないか。

2020年にはアパレルブランド『虜』をプロデュースし、2024年現在に至るまで定期的に新作コレクションを発表。そして2022年にはコスメブランド『Upt』を立ち上げている。こういった活動は、広告塔にならざるを得ない自分自身が綺麗でいなければ、途端に説得力に欠けてしまうもの。しかし、安達祐実に関しては文句のつけようがないのは、言わずもがな。

くわえて、クレンジング不要のミネラルファンデーションでお馴染み、MiMCが提唱する「石けんオフメイク」シリーズの美容本においてカバーモデルも務めている安達祐実。大人気シリーズは第三弾を迎え、より自然な美肌に磨きがかかっているように見える。

今後も彼女が年齢を重ねるたびに、注目度が上がっていくだろう。同年代の女性にとってはもちろん、若い世代にとっても、安達祐実は「あんな女性になりたい」「自分らしく綺麗に、若々しくいたい」と願う人たちの、マイルストーンのような存在になっていくはずだ。


ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_