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【焙煎から注ぎ方まで】コーヒーのプロが教える!キャンプで絶品コーヒーを淹れるコツ

  • 2024.3.27

「キャンプでコーヒーを楽しんでいるけれど、なかなかおいしく淹れられない」
「せっかくのアウトドアだから、自分でコーヒー豆の焙煎をしてみたい」
そんな人のために、ドリップコーヒーをおいしく淹れるポイントをアウトドアコーヒーの達人・牛島さんに教えてもらった。

牛島義之
アウトドア雑誌の副編集長職を経て、フリーエディター&ライターとして独立。
アウトドア業界歴30年以上、コーヒー愛好歴20年以上。
コーヒー関連の書籍や記事の執筆も行う無類のコーヒー好き。

美味しいコーヒーを淹れるには準備が大事

まずはコーヒーを淹れるための基本的なことを押さえよう。
知っているかどうかで、味わいに差が出るぞ。

■ドリッパーの形状は2種類

ひと口に「コーヒードリッパー」といっても、形状はさまざま。
そして形状が違えば、コーヒーの味も変わってくる。

形状は大きく分けて2種類。底が平らな「台形タイプ」、先が尖った「円錐タイプ」だ。
ペーパーフィルターも対応したものを用意しよう。

●台形タイプ(写真左)
底に湯がたまりやすいのが特徴。
コーヒー粉と湯が触れている時間が長いので、コクのある味わいになる。
また、穴からコーヒーが落ちるスピードが一定なことから、誰が淹れても同じように仕上がるのも特徴だ。
穴の数は1つのものや3つのものがあり、それぞれに湯の落ちるスピードが違うので、味も違ってくる。

●円錐タイプ(写真右)
湯を少しずつ注げばゆっくりと落ち、多く注げば速く落ちるのが特徴。
自分の好みに合ったコーヒーを淹れられる半面、毎回同じ味にするには技術が必要になる。
台形タイプよりも湯の落ちるスピードが速いので、味はスッキリとした傾向だ。

■粉は平らにならす

ドリッパーに入れたコーヒー粉は山状になるので、必ず平らにならす。
そのまま湯を注ぐと抽出にムラが出てしまうからだ。

またコーヒー粉をならす際は、ドリッパーを叩かず、軽く揺するように整えよう。
叩くと微粉が下にたまってしまい、雑味が出やすくなってしまう。

■量りながらドリップ

ドリップ時は、器具やカップに湯をかけて温めておく。
こうすれば抽出温度が下がらず、できあがったコーヒーも冷めずにすむ。
また、使うコーヒー粉や注ぐ湯の量を正確に量ることで、毎回同じような味に仕上げられる。

実際にコーヒーを淹れてみよう

まず、湯を少量ずつ細く注げるドリップポットは必需品だ。
そして、他にも注意すべき点がある。この機会に、きちんとポイントを押さえておこう。

■コーヒーを淹れるお湯は93度が適温

コーヒーを淹れる湯の推奨温度は約93℃。
調理用の温度計を使えば、正確な温度を測ることができる。
高すぎると雑味が出てしまい、低すぎるとコクがないコーヒーになってしまう。

■湯の注ぎ方でも味は変わる

注ぎ方は大きく分けると「3投式」「1投式」「一点注湯」の3種類。

【3投式】
湯で「の」の字を書くようにして、3回に分けて注ぐ方法。
コーヒー粉と湯が触れている時間が長くなるので、コクや苦みが際立つ味わいになる。
湯の落ちるスピードが遅い台形タイプに向いた注ぎ方だ。

【1投式】
「の」の字を書きながら1回で注ぐ方法。
湯の落ちるスピードが速い円錐タイプ向きだ。
湯とコーヒー粉の触れている時間が短いので、スッキリとした味わいに仕上がる。

【一点注湯
「の」の字を書かず、1点にのみ注ぐ方法。
こうすることで1投式よりも抽出時間が少し長くなり、コクのある味わいになる。
こんな特徴を知ってコーヒーを淹れれば、もっと楽しく、自分好みのコーヒーを淹れられるはずだ。

いずれの方法でも、重要なのはフィルターに湯をかけないこと。
成分を抽出しないまま湯が落ちてしまい、味が薄まってしまう。

■淹れ終わりにも注目

淹れ終えたドリッパーに残った粉が、どの部分も均一な層になっていれば、上手に淹れられた証拠。

コーヒー豆の焙煎にも挑戦!

キャンプでコーヒーを楽しみ出したら、次にやりたくなるのがコーヒー豆の焙煎。
自宅だと煙や匂いが気になるかもしれないが、キャンプ場では気兼ねなく楽しめる。
興味が湧いたら、ぜひチャレンジしてみよう。

■コーヒーの味は「焙煎」によって大きく変わる

淡緑色の生豆を加熱することで茶褐色に、さらに加熱すると黒褐色に変化していく。
この焙煎度合によって「浅煎り」「中煎り」「深煎り」、さらに細かく分けるとライトローストからイタリアンローストまで8段階になる。

味は煎りが浅いほど酸味が強く、深いほど苦みが強くなる。
そんな知識が増えると豆選びが楽しくなるし、自分で焙煎したいという好奇心も湧いてくる。

■手網で楽しむ焙煎の基本

①焙煎器に生豆を入れる。使う器具の適正量にもよるが、まずは50gくらいから始めると失敗が少ない。

②火の上で左右に振って加熱。パチパチとはぜる「1ハゼ」が聞こえたら浅煎り〜中煎りに仕上がっている合図。

③さらに加熱を続けると、少し高い音ではぜる「2ハゼ」が聞こえてくる。これが中煎り〜深煎りの合図。

④好みの焙煎度合になったらザルなどにあけ、うちわで扇いで粗熱やチャフを取る。冷めればできあがり。

■おすすめコーヒー豆

生豆は一般的なコーヒーショップでは販売していないので、生豆取扱店やネットショップで購入しよう。
焙煎後の豆よりも比較的安く購入できる。

●エチオピア・ヘレフG1

現地から直接買い付けを行うコーヒー生豆専門会社が扱う国内初輸入の生豆。
600軒ほどの小農家が農薬を使わずていねいに育て、自然に負荷をかけないように生産している。
【問】一宮物産

●LOGOS CAFE 生豆パック(ランドブレンド)

ブラジル・セラード地区の「手摘み完熟豆」をバランスよくブレンドしたオリジナル生豆パック。
スッキリとした味わいが楽しめる。
【問】ロゴスコーポレーション

出典/ガルヴィ2022年12月号

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