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「スポーツギャンブルと手を組んだ」欧州5つの名門チーム

  • 2024.3.26
「スポーツギャンブルと手を組んだ」欧州5つの名門チーム
「スポーツギャンブルと手を組んだ」欧州5つの名門チーム

Text by 立野敦史(Qoly LFB Vintage)

MLBロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手の通訳を務めていた水原一平氏が、違法なブックメーカーを利用してスポーツ賭博に大金を投じていた問題が波紋を広げている。

また、水原氏の賭けの対象にサッカーが含まれていたこともあり、思わぬ形でギャンブルとサッカーがクローズアップされた格好だ。

合法化されているとはいえ欧州サッカー界でもスポーツ賭博は問題視されることもあり、とりわけユニフォームスポンサーなども含めた広告に関しては、各国で厳しい措置を取る動きが目立つ。

ここでは、そんなギャンブル系スポンサーのロゴをユニフォームに付けた「欧州5つの名門クラブチーム」をご紹介しよう。

トッテナム

「スポーツギャンブルと手を組んだ」欧州5つの名門チーム
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トッテナム・ホットスパー 2008-09 Puma ホーム ユニフォーム

選手:ルカ・モドリッチ

スポンサー:Mansion.com Casino and Poker

契約期間:2006-07~2009-10

トッテナムにとってここまでで唯一契約したギャンブル系企業が「MANSION CASINO」。2006-07シーズンに初めて付けたロゴはMマークと“MANSION”とだけ記されていたため、日本のファンの間では“建物のマンション”と勘違いされることも多かった。

4年契約の胸スポンサー締結が発表されたのは2006年5月。当時の一部欧米メディアによれば、契約金はその当時のトッテナム史上最高額で、それ以前の4倍ほどの金額だったという。ちなみに「MANSION CASINO」は当初、トッテナムではなく「vodafone」の後釜としてマンチェスター・ユナイテッドとの契約を狙っていたとか。

ギャンブルに手を出してしまったトッテナムだったが、契約期間は延長されることなく当初予定の4年間で終了に。それ以降はギャンブル系企業との胸ロゴ契約はない。

レンジャーズ

「スポーツギャンブルと手を組んだ」欧州5つの名門チーム
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レンジャーズ 2014-15 Puma ホーム ユニフォーム

選手:ハリス・ヴクキッチ

スポンサー:32Red、UNIBET

契約期間:2014-15~現在

2012年のクラブの破産と衝撃の4部降格から順調に昇格し続けて、2014-15シーズンに2部チャンピオンシップに到達。そこでレンジャーズはクラブ史上初めてギャンブルに手を染めてしまう。

契約企業はアストン・ヴィラなどでおなじみだった「32Red」で、まだ3部リーグのシーズン終了前だった2014年4月に3年契約を発表している。なお、2021-22シーズンからは欧州カップ戦のユニフォームに同じくギャンブル系の「UNIBET」ロゴを付けているが、この2つは同じ企業が運営している。

アルコール系スポンサー当時に4部に降格したレンジャーズ。余談になるが、2016-17シーズンの1部昇格当時は「酒に溺れて4部に転落したチームが1部に戻ってきたらギャンブルに手を染めていた」などという笑い話もあった。

セルティック

「スポーツギャンブルと手を組んだ」欧州5つの名門チーム
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セルティック 2016-17 New Balance ホーム ユニフォーム

選手:スコット・シンクレア

スポンサー:dafabet

契約期間:2016-17~現在

アルコール系スポンサーロゴは多かったが、ギャンブル系は付けていなかったセルティック。だが2016年5月、フィリピンに本社を置くオンラインカジノ「dafabet」との胸スポンサー4年契約が発表された。

その5年ほど前から両者はユニフォーム以外でパートナーの関係だったが、アルコール系企業「MAGNERS」に代わり胸ロゴに収まっている(「MAGNERS」は背中に移動)。この契約は当時スコットランドサッカー史上最高額の契約と伝えられていた。

実はセルティックとライバルのレンジャーズは、1990年代後半から伝統的に(慣例的に)同じ企業と胸スポンサー契約を行っていた(これには理由があるが割愛する)。「dafabet」とのこのタイミングでの契約も、「32Red」と契約するレンジャーズの1部復帰と何らかの関係があったと思われる。

レアル・マドリー

「スポーツギャンブルと手を組んだ」欧州5つの名門チーム
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レアル・マドリー 2007-08 adidas ホーム ユニフォーム

選手:グティ

スポンサー:bwin

契約期間:2007-08~2012-13

超名門と呼ばれるクラブは、ギャンブル系企業とのユニフォームスポンサー契約を拒むケースが多い。マンチェスター・ユナイテッドはギャンブル系であることを理由に「Mansion.com Casino and Poker」からの契約申し出を断ったと言われている。

しかしスペインの白い巨人は2007年6月、当時オンラインブックメーカーとして急成長を遂げていた「bwin」との契約を発表。「SIEMENS」に変わる胸ロゴとして2007-08シーズンからユニフォームに登場した。

まだオンラインギャンブル企業がそれほど認知されていなかった時代で、レアルのユニフォームを見ても業種不明の企業ロゴという反応が多かった。そんな両者は2012-13までの6シーズンをパートナーとして過ごし、ラ・リーガを2度優勝している。

ミラン

「スポーツギャンブルと手を組んだ」欧州5つの名門チーム
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ミラン 2006-07 adidas ホーム ユニフォーム

選手:カカ

スポンサー:bwin

契約期間:2006-07~2009-10

「bwin」のロゴマークをユニフォームに最も早く付けたチームの一つがイタリアの名門ミラン。ドイツのヴェルダー・ブレーメンとともに、2006-07シーズンからこのロゴを胸に掲出している。

ロゴマークがミランのユニフォームの代名詞的となっていた自動車会社「OPEL」との契約が終了し、代わりに登場したのが「bwin」。当初は“OPELロス”が大きすぎて歓迎されない存在だったが、チャンピオンズリーグ優勝などもあり、次第に印象も良い方に変わっていく。

「bwin」は2006年にbetandwin社が立ち上げた新たなブックメーカーのブランドで、ミラン(とブレーメン)との契約はまさに事業がスタートするタイミングだった。

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betandwin社は企業合併したのちに他企業に買収され、現在では「bwin」もオンラインブックメーカーとしてその存在感を一段と高めている。

日本でも数年前からスポーツ賭博の解禁が検討されているが、仮に合法化となれば、日本市場に関心を寄せている「bwin」は一番手として乗り込んでくる有力候補の一つと言えるだろう。

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