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子どもの転校、親として出来ることは?

  • 2024.3.26

小2の女の子です。引っ越しをするため、転校します。子どもが不安がっています。が馴染みやすくなるようなアドバイスはありませんか?

もうすぐ引っ越しをして転校しないといけません。子どもが小学校に馴染みやすくなるよう、また不安にならないよう親としてできることをアドバイスしてほしいです。(とん)

不安になるのは当たり前。「無理して」友達を作らなくてもいいのです

出典:あんふぁんWeb

転校して一番不安なのは、学校に慣れるかということだけではありません。転校生に対して、担任の先生は、学校に慣れるかどうかを注意して見ています。また、トラブルがないかどうかも観察しています。

ただ、担任として十分把握出来ないのが、実は人間関係なのです。子ども同士がどのようにつきあっているのかは、分かりにくいものなのです。Aさん(母親)が、転校した時の友達関係の難しさを綴ってくれました。その時の様子を、一部紹介したいと思います。

「娘が転校してすぐに、“お友達ができたよ”と喜んで帰ってきました。席が近い子がいじめ女子グループのリーダー的存在で、その子が最初、娘に話しかけてきて優しくしてくれたようです。その子はリーダーなので、そのグループに属する女子、6、7人はリーダーがするように娘に優しくしてくれて、仲良くなったようです。その女子グループは、保育園時代から一緒の結びつきの強いグループでした。娘は単純な性格ですので、お友達ができたことを素直に喜んで、学校に通っていました。ところが、新学期が始まって2週間ぐらいたったところで、喧嘩をするわけでもなく言い合いをするわけでもなく、前日まで仲良くしてくれていたのに、そのリーダーの女子が突然、態度を豹変させ、意地悪をするようになりました。娘にも理由がわからなかったようです。悪口は娘に聞こえるように言いますし、リーダーの席が娘の斜め後ろだったので、そこから授業中、先生の見ていない時に、脚で蹴ってきたりしました。そして、なんでも娘に言うことを聞かせ、たとえば図書室の本を7人分、返却させたり、荷物を持たせたりしたようです。先生の見ていない瞬間をねらってぶつかってきたこともありました」

このケースでは、このリーダー格の子は、どうして最初に話しかけてきたのでしょうか。それは、自分のグループにとって役に立つかどうか、敵対するようにならないかを確かめたのです。そして、役に立ちそうにないなと判断したことの結果、こうしたいじめのようなことが起きたのです。

「友達が一人でもできるといいね」と声がけを

転校した場合、「担任の先生がどうか?」という問題と同時に「友だち関係はどうか?」という二つの問題があります。転校した場合、先生がうまく溶け込ませる工夫をしてくれるのが一般的です。一番難しいのは、「友だち関係」なのです。転校した場合には、親御さんは通常「友だちがたくさんできるといいね!」と言います。しかしながら、今の子どもたちにとっては、友だちと関係を持つということが、とても大きなストレスになっているのです。

今回の紹介事例で、転校が不安になったかもしれませんが、無理して友だちを作ろうとしない方が良いのではないかと思うのです。

ですから、「一人でもいいから、いろいろ話せる友だちが出来るといいね」と声がけをして下さい。転校してすぐに友だちが出来なくても、問題ありません。じっくりとクラスをよく見て、自分の性格に合いそうな友だちを一人でも見つけることです。また、自分から声をかけてみることです。

新しい環境には、大人でさえ緊張するものです。ましてや、子どもはなおさらです。「新しいクラスをじっくり観察して、友だちを選ぶぞ!」くらいの突き放した考え方の方が、子どもにとってはいいのではないでしょうか。ちょっと、みなさんの考え方と違った問題提起になっていますが、子どもたちが変わってきていることを理解してほしいと思うのです。

出典:あんふぁんWeb
出典:あんふぁんWeb

増田修治先生

出典:あんふぁんWeb

白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。

1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。

若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。

「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

【近著】

「子どものココロが見えるユーモア詩の世界 -親・保育者・教師のための子ども理解ガイド-」(ぎょうせい、1980円)発売中。

出典:あんふぁんWeb
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