Text by 石井彰(編集部)
近年ではサッカー選手の価値が急上昇しており、取引で発生する移籍金の額もうなぎのぼりとなっている。
今回は『footballtransfers』から「歴史上最も高額な移籍金で取引されたイタリア人選手」をご紹介する。
10位:フィリッポ・インザーギ
移籍した年:2001年
移籍元:ユヴェントス
移籍先:ACミラン
移籍金:3600万ユーロ(およそ58.65億円)
今も伝説のように語られる「世界最強のごっつぁんストライカー」。圧倒的なポジショニングセンスと飛び出しでボールが転がってくる場所に入り込み、数多くのワンタッチゴールを生み出した。
2001年にユヴェントスからACミランへと移籍した際に記録された取引額は今もイタリア人選手で10位に入るものだった。
9位:マッティア・カルダーラ
移籍した年:2018年
移籍元:ユヴェントス
移籍先:ACミラン
移籍金:3800万ユーロ(およそ61.91億円)
フィリッポ・インザーギと同じくユヴェントスからACミランへ移籍した際の取引額でランクインしたマッティア・カルダーラ。才能豊かな若手センターバックとして高く評価されていた。
しかしながらACミランに加入してからは数多くの怪我に悩まされ、重要な存在になれないままローン移籍を繰り返すような立場となっている。
8位:フェデリコ・ベルナルデスキ
移籍した年:2017年
移籍元:フィオレンティーナ
移籍先:ユヴェントス
移籍金:4000万ユーロ(およそ65.16億円)
フィオレンティーナの下部組織で育ち、トップチームで10番も背負ったアタッカー。2017年の夏にライバルのユヴェントスへ4000万ユーロで移籍し、サイドバックもこなすなどプレーの幅を広げた。
2022年にはアメリカ・メジャーリーグサッカーに越境参加しているカナダのトロントFCに加入し、ロレンツォ・インシーニェやドメニコ・クリシートとチームメイトになった。
7位:レオナルド・ボヌッチ
移籍した年:2017年
移籍元:ユヴェントス
移籍先:ACミラン
移籍金:4200万ユーロ(およそ68.42億円)
このリストの中でも最も物議を醸した移籍だと言える。ユヴェントスで長く活躍し、イタリア代表でも中核を担っていたボヌッチであるが、中国系オーナーによる投資が行なわれたACミランへと電撃的に移籍することを決断した。
ユヴェントスのファンからは大ブーイングを受けながらミランへ移籍した彼は、キャプテンマークを任されながらも全く活躍できず、たった1年でユヴェントスへと復帰している。
6位:フェデリコ・キエーザ
移籍した年:2020年
移籍元:フィオレンティーナ
移籍先:ユヴェントス
移籍金:4300万ユーロ(およそ70.05億円)
同じ「フェデリコ」の名前を持つベルナルデスキと同じようにフィオレンティーナからユヴェントスへ移籍。あの名FWエンリコ・キエーザの息子に当たるドリブラーだ。
フィオレンティーナの下部組織からトップチームに昇格し、若くしてレギュラーポジションを奪取。鋭い仕掛けとシュートで話題を集め、2020年にユヴェントスへと加入。当初は2年のローンだったが、買取オプションは4000万ユーロを超える額だった。
5位:マルコ・ヴェッラッティ
移籍した年:2023年
移籍元:PSG
移籍先:アル・アラビ
移籍金:4500万ユーロ(およそ73.31億円)
「アンドレア・ピルロの再来」と呼ばれた小柄なプレーメーカー。2部のペスカーラで大ブレイクを果たし、多くのビッグクラブから狙われるなか、カタール資本が入ったパリ・サンジェルマンへと移籍して長く活躍した。
そして昨年、驚くべきことに契約を残しながら戦力外通告を受けてチームから除外され、9月になってからカタールのアル・アラビへと加入している。
4位:クリスティアン・ヴィエリ
移籍した年:1999年
移籍元:ラツィオ
移籍先:インテル
移籍金:4600万ユーロ(およそ74.94億円)
この中で唯一1990年代に記録されたもの。クリスティアン・ヴィエリの移籍金がどれだけ破格のものであったかよく分かる。
イタリア代表でも長く活躍した「重戦車ストライカー」で、パワフルなドリブルとキャノン砲のようなシュートでゴールを量産し、好調時はどんなディフェンダーも吹き飛ばすほどの突進力があった。
3位:ジャンルイージ・ブッフォン
移籍した年:2001年
移籍元:パルマ
移籍先:ユヴェントス
移籍金:5300万ユーロ(およそ86.34億円)
そしてクリスティアン・ヴィエリから遅れること2年、ゴールキーパーであるジャンルイージ・ブッフォンの移籍金がそれを上回った。
この取引は長年「ゴールキーパーとしての最高額記録」を維持し、2018年にアリソンとケパ・アリサバラガに破られるまで実に17年もの間トップに立っていた。
2位:ジョルジーニョ
移籍した年:2018年
移籍元:ナポリ
移籍先:チェルシー
移籍金:5700万ユーロ(およそ92.86億円)
ナポリで長くプレーメーカーとして活躍したジョルジーニョ。ブラジル出身であるが少年時代にイタリアへと移住し、育ちの地で代表チームに入ることを選んだ。
数多くのビッグクラブから注目を集める中、恩師マウリツィオ・サッリが就任したチェルシーへと移籍。その際に支払われた移籍金は5700万ユーロを超えるもので、当時のイタリア人最高額記録だった。
1位:サンドロ・トナーリ
移籍した年:2022年
移籍元:ACミラン
移籍先:ニューカッスル・ユナイテッド
移籍金:7000万ユーロ(およそ114.04億円)
ヴェッラッティに続く「アンドレア・ピルロの再来」と言われたトナーリ。ブレシアの下部組織からトップチームへと昇格し、若くして素晴らしいゲームメイクを見せて注目された。
その後ミランで2シーズンを過ごしたあと、サウジアラビア資本が入ったニューカッスルへと移籍。その際には7000万ユーロが動いたとされるが、昨年サッカーの試合にお金を賭けていたことが発覚し、10ヶ月の出場停止を課されている。