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「結婚適齢期」はもはや“死語”なのに…「結婚相手を選ぶには恋愛経験が必要」は果たして本当なのか

  • 2024.3.24
「恋愛経験」が結婚後の幸せに関係する…?
「恋愛経験」が結婚後の幸せに関係する…?

2023年11月、お笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気さんと、タレントの奥森皐月さんの結婚発表が話題になりました。年の差18歳は今や珍しくはありませんが、奥森さんの年齢が19歳であるということを理由に“グルーミング疑惑”まで持ち上がり、批判的な声も多かったようです。この批判の中には、「結婚するには、ある程度の恋愛経験が必要」とするものもあったそうです。

結婚までの交際人数は「2〜3人」が主流

エン婚活エージェントが2021年、20~40代の既婚者・未婚者の男女を対象に行った「結婚前の恋愛経験」に関する調査によると、既婚女性に「結婚に至るまでに交際した人数は何人ですか?」と質問した結果、最も多かった回答が「2人~3人」(30.5%)、次いで「4人~5人」(28.2%)だったということです。つまり、ざっくり足すと全体の6割なので、おおむね「3人」ということにしましょうか。その次に多かった回答は「1人」(16.2%)です。男性も同様でした。ちなみに、この調査には“交際”の定義が書かれていないため、男女の関係を伴ったお付き合いを指すのか、はたまたプラトニック純愛まで指すのかは定かではありません。

既婚女性に聞いた「結婚に至るまでに複数の方と交際経験があってよかったと思うこと」という問いに対しては、1位「自分に合った人を見つけることができた」(50.2%)、2位「人との付き合い方を学ぶことができた」(44.7%)、3位「自分の大切にしたい価値観が明確になった(41.9%)、4位「自分が結婚相手に求める条件が明確になった」(25.8%)、5位「異性の心理について学ぶことができた」(16.1%)という結果となっています。

半数の人が、複数人とお付き合いしたことにより、自分に合った人を見つけることができたと答えています。次いで多いのが「人との付き合い方を学ぶことができた」というのは興味深い結果です。恋愛経験が複数回あると、「こういうとき、相手に合わせないと衝突する」ということも学びます。「前の相手と今の相手は性格が真逆」とか「キレる沸点が全然違う」など、違いを察することができます。「人ってこうも違うものか」と視野が広がり、コミュニケーション力がつくということでしょう。

ちなみに既婚男性も1~3位までは同様ですが、4位と5位が逆転しています。女性の方が条件を重要視しているようです。

そして、国立社会保障・人口問題研究所が2021年に行った「第16回出生動向基本調査」によると、夫の平均初婚年齢は30.7歳、妻は29.1歳でした。

「男性は30歳、女性は29歳までに3人と付き合った上で結婚する」のがニッポンのスタンダードということですが、果たして幸せになっているかどうかは、神のみぞ知ること。私が運営する夫婦仲相談所に寄せられる声には、浮気問題、離婚問題、セックスレス問題が山積みですから。

「年齢」「交際人数」は結婚後の幸せに関係するのか

夫婦仲相談所には、さまざまな方が相談に来られます。

ある方は、交際経験がないまま30代半ばになってしまい、結婚相談所で出会った人と現在お付き合いをしているものの、バージンであることが気になっています。「彼に重いと思われるのが嫌だから、女性用風俗に行った方がいいのか」という相談を受けました。

片や、現在47歳で、今まで10人以上の男性とお付き合いをしてきたけれど、一度として結婚まで至ったことがなく、先日は2股をかけていた男性2人から同時に振られてしまった、どうして自分は結婚できないのか? という悩み多き女性も。

「若くして結婚」の事例でいえば、17歳で結婚して子どもを授かったけれど、2年でお相手に飽きてしまい、嫌がる夫を半ばだますように無理やり離婚し、その後2回の離婚を経て、今シングルとして幸せに暮らしている女性もいます。一方で、20歳で同棲(どうせい)を経て学生結婚し、結婚生活30年を迎え、真珠婚式をお祝いした女性も。

つまり、交際人数や年齢は、結婚後のハッピー感に関係ないということが見えてきませんか。

「結婚適齢期」という言葉はもはや死語です。今は、結婚をしないという選択も堂々とできる時代。事実婚としてパートナー関係を続けるという選択もあります。俳優の黒島結菜さんと宮沢氷魚さんが今年1月に、事実婚の発表をされました。お二人は26歳と29歳です。

「結婚を選択する」ということに意味があるのであり、それは当事者同士にしか分からないことです。そして、離婚という選択も同様です。そこに他者の意見や視点、憶測は関係ないのです。今まで、コラムでたくさんの結婚事例をご紹介していますが、同じ環境下におかれたとしても、それを幸せな結婚だと感じて生活していくのか、不幸だと感じて離婚へと至るのかは本人の捉え方です。

「年齢は単なる記号にしか過ぎない」。俳優・歌手の夏木マリさんがそうおっしゃいましたが、その通り。同じ19歳でも、幼い人もいれば、「一体どんな苦労を積んできたのだろう?」と思うほど話の引き出しが多く、固い意思を持った人もいます。

「若くして結婚したら長続きしない」「結婚するまでの経験人数が少ないと失敗する」。そんな世間の無責任な声にとらわれず、自分の意思で選択し、その選択にぶれない自信を持っていれば、どんな状況になったとしても、堂々と「私たちは幸せです」と笑顔で断言できると思います。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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