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30女に婚活以外の選択肢を。

  • 2016.2.13
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30女に婚活以外の選択肢を。

仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。いつから婚活は必須科目なの? ちょっと新しいことを始めたいだけなのに、外を歩けば“婚活”市場が独り身をなんとかしてくれようと手ぐすね引いて待っている。新しい出会いは歓迎だけど、いかにも婚活中な感じって、いま一番避けたいところだったりして…。

【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.27

毎日がつまらなくて退屈…。ってほどではないけれど、最近会う人もやることもなんとなくこなれてきた日々が、居心地よくもちょっと刺激不足だ。おまけに特別な趣味を持っていない私ときたら、それじゃあ毎日が凝り固まるのもうなずける。ってことで、2016年も始まったばかりだし、趣味とよべる、習い事とか、遊びとか、何か新しいことを始めてみようじゃないの。

新しい出会いは欲しいけど…

だいぶゆるいノリから始まった思いつきだけど、せっかく新しいことを始めるのなら、同世代のお友達がついでにできればもうけもの。あくまでも婚活的なノリはもとめず、むしろ封印して、ひとまずネットの海に助けを求めてみる。

エントリーナンバー1

『お料理』

理由:とてつもなく苦手だけど、上手くなったら世界が広がりそううだから!

大手料理教室のHPを見ていくと、1回4,000〜5,000円と続けるのは意外とお高め。なにより気になったのが、「女子力を上げて婚活にプラス」的なことが書かれたキャッチコピーである。

料理上手は付き合った後、確かにプラスに働きそうだけど、そもそも女子力や婚活を考えてるわけじゃないしなぁ…とモヤっとする気持ちを抱えながら、もし私が料理を習い始めた場合を想像する。というか、友達に聞いてみる。

「アンタ、どうしたの? また何かのコラムのネタ?」

まず、友達にバカにされた。

「えー!? 花嫁修行でもはじめるの?」

もうひとりの友達にも、バカにされた。

「どうしたの? 彼氏に何か言われたの?」

あげく、母にも心配された。

ちょっとだけ刺激が欲しかっただけなのにー!! こんなにもキャラ違いと笑われ、しかも婚活臭ぷんぷんのリアクションをもらうとは…。まあ私も食べる専門歴30年だったし。ひとまず料理はあきらめた。

婚活臭に折れる純粋な好奇心

料理は確かにキャラ違いだったと思い返し、もう少し面白そうなものを探しはじめる。

エントリーナンバー2

『社交ダンス』

理由:ペアダンスって楽しそうだから〜ってのはウソ。最近ダンスマンガにハマっているから!

ダンスサークルを探していくと、30代までと年齢制限をもうけているところもあるみたい。男性と手を握りあい、リードされてステップを踏むなんて、非日常感満載でなんて楽しそう! だ・け・ど、どうだろう、やっぱりHPから漂う婚活のニオイ…。

「若い人中心で和気あいあいと楽しめます」→婚活臭がする

「イベントごとに親睦を深める飲み会も開催」→やっぱ婚活臭がする

「男女比率は3対7で女子多め」→男女比出すって…って、この比率、婚活だったらカオスじゃんっっっ!!!

画面から溢れる、ドヤ感満点のダンス写真を目にして、ダンス、断念ッ!!

エントリーナンバー3

『ワインの教室』

理由:飲むのが好きだから!

東京のワイン会や教室を探してみると、あるあるある! 試飲会とかワイン交流会を開いている場所が。

しかし、当然! やっぱり! 予想通り! 一番婚活クサい!

「男女比は半々くらいで馴染みやすい場所になっています」→やっぱ婚活目的の人が多いみたい。

「ワインの知識をつけて、自分磨き」→でもさ、酒の知識が豊富な女はモテないぞー。

「今回の会は独身限定で開催します!」→ガッツリ婚活だ(笑)。

「長年のサークル仲間の●さんと○さんが結婚しました」→成果出してる!ワイン会優秀!

予想通りすぎる婚活臭と、ハイソな雰囲気が相まって、ゾワゾワしてしまったので却下。

うーん、純粋に「新しい活動」をはじめるのって、結構ムズかしい。

婚活を一番に出すから嫌になる?

その後もランニング、ボランティア、茶道と、もはや何をやりたかったのか分からないけど、1つ1つ新しい活動を吟味していく。だけど、どれも「男女の交流」「自分磨き」「婚活」みたいなお決まりの香りがただよっていて、画面の中には充実度の高そうな集合写真が飾られている。

ぼんやり新しい趣味くらいに考えていた自分には、キラキラした雰囲気と、ただよう婚活のニオイが、私の心をガシガシ削っていく。

深く深呼吸しながら、苦しさを覚える自分っておかしいのだろうかと思い返す。でも友達に聞くと、

「私も結婚するまで何をするにも婚活目的で見られるから、いつもと違うことをやる時にはちょっと窮屈だったもん」

すでに恋愛卒業モードの彼女は、フフフっと爽やかな思い出話をするように語る。

あーそれそれ。今私が感じている窮屈さってそれなのよ。

世の中楽しいことはたくさんあるけど、活動のメインディッシュに婚活をドンとおかれると、どうしてもひるんでしまうのだ。背筋をピンと伸ばして真正面から相手を見定め、「ああ、今日も厳しい目線で男を査定してしまった」と後悔する自分よ。そして、お返しに品定めされる窮屈感よ。

婚活しなさい! 今頑張りなさい! って、私も世の中の空気もいうけれど、やっぱり辛いぜ、婚活臭! あやまちの原因はわかってきた。けど、やっぱり婚活のニオイがする場所に、飛び込む勇気はまだ出ていない。だから最近、ちまちま家でワインを飲みつつ、ウンチク本を読む日が続く。

ワインの知識は男に教えてもらうのが正解なんだけど…いいんだ! 今は純粋な好奇心を満たすためだから…でも、もしよかったら、勉強“ついで”に誰か一緒に飲みませんか?

おおしま りえ/雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。20代で結婚と離婚を経験後、アップダウンの激しい人生経験を生かし、現在恋愛コラムを年間100本以上執筆中。そろそろ幸せな結婚がしたいと願うアラサーのリターン独女。

HP:http://oshimarie.com

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