牡蠣の旨味、バターのミルキーな甘味、日本酒の酸が口の中で一体化し、おいしさがドカンと爆発するインパクト抜群の一皿です。酒肴家として有名な料理研究家の稲垣知子さんに、日本酒がよりおいしくなるバターをきかせたつまみを教えてもらいました。
■“牡蠣と白菜のワインバター蒸し”のつくり方
牡蠣の旨味とバターがしみ込んだクタクタの白菜もまたごちそう。煮汁に加えた柚子胡椒で辛味を足し、キリッと引き締まった味に。
□バターと相性のよい日本酒 ①味に厚みのある純米酒
「天明 純米火入れ 槽しぼり」は、バターのもつミルク感とお酒のクリーミーな味わいが好相性。バターカナッペやスモークサーモンのバタームースに合わせたい。一方、「春霞 純米赤ラベル」は酒のもつ爽やかな酸が、ぽってりとしたバターのニュアンスにマッチする。白子のパン粉焼きや牡蠣と白菜のワインバター蒸しに。
◇材料 (2人分)
牡蠣:7~8粒(150g)(むき身)
白菜:3枚
バター:20g(食塩不使用)
白ワイン:100ml
塩:少々
柚子胡椒:小さじ1/4
(1)下ごしらえ
牡蠣は水で洗って汚れを取り、水気を拭く。白菜は幅1~2cmに切る。
(2)蒸す
鍋に白ワインとバターを入れて中火にかける。バターが溶けてワインがひと煮立ちしたら牡蠣を加え、牡蠣を覆うように白菜をのせ、軽く塩をふって蓋をし、5分ほど蒸す。蒸し上がったら器に白菜と牡蠣を盛る。
(3)仕上げ
②の鍋を再び強めの中火にかけ、残った煮汁をしっかりととろみがつくまで煮詰める。柚子胡椒を入れて溶かし、器に盛った白菜と牡蠣にかける。
――教える人
「稲垣知子 酒肴家」
日本酒と器を愛してやまない酒肴家、料理研究家。漢方薬膳の効能を生かした体に優しい料理も得意としている。著書に『おかずおつまみ』(文化出版局)、『日本酒マリアージュ』(誠文堂新光社)。
※この記事の内容は、『技あり!dancyuバター』に掲載したものです。
文:佐々木香織 撮影:宮濱祐美子