1. トップ
  2. 恋愛
  3. 「褒めない親」に育てられた子どもはどう育つ?「私は褒められなかった」と悩む親へ、子育てアドバイザーが伝えたいこと

「褒めない親」に育てられた子どもはどう育つ?「私は褒められなかった」と悩む親へ、子育てアドバイザーが伝えたいこと

  • 2024.3.22
「褒めない」子育て、子どもの成長にどう影響?
「褒めない」子育て、子どもの成長にどう影響?

「褒める」子育てが推奨され、褒めることと「自己肯定感」がセットで語られることが多くなった昨今。親の中には「褒めない」子育てを実践している人もいるようですが、わが子の褒め方について悩む親も少なくないようで、ネット上では「全く褒めないでいると、子どもはどう育つんだろう」「親に褒めてもらえなかったから、自分の子どもは褒めるようにしています」「褒めすぎもよくないのでは?」など、さまざまな意見や疑問の声が聞かれます。

「褒めない親」に育てられた子どもは、どのように育つのでしょうか。子育てアドバイザーの佐藤めぐみさんに見解を聞きました。

「褒める」=「親が子どもの様子をしっかりと見ている」

Q.そもそも、親が子どもを「褒める」意味や、子どもが親に「褒められる」ことによる影響とはどのようなものだと思われますか。

佐藤さん「『褒める意味合い』というと、何か意図があって褒めている感じがしてしまいますが、実際には『純粋にうれしいから褒め言葉が出る』、これが一番なのではないでしょうか。

褒める場面というのは、子どもが望ましい行動を取ったときや、何かを達成したときのように、親にとってうれしく喜ばしい出来事が起こったときです。それを見て、自然と『すごいね』『頑張ったね』などの言葉がこぼれ出る、というのが褒める場面だと思います。これに加えて、『褒めて伸ばしたい』という思いもあって、モチベーションを上げる目的で褒めることもあるでしょう。

そのように褒めてもらうことで、子どもたちは、『やった』という喜びや『できた!』という自信の他、『自分を見てくれている』という安心感、『認めてもらった』という承認欲求を得られやすいです。次へのモチベーションにもなります」

Q.「褒めない」親に育てられた子どもは、どのように成長すると思われますか。

佐藤さん「私のカウンセリングで『自分は褒められないで育った』とおっしゃられる方は多く、『だから子どもをうまく褒められない』というのはよく聞きます。褒め方が分からないというだけでなく、『私はこのくらいのことで褒められなかったのに』という褒めへの抵抗感を示す人もいます。幼少時に満たされなかった思いが、自分が満たす側になって再燃してしまうのです。

そういった大人の方の悩みから見えてくるのは、『自分に注意を向けてもらっていなかった』『もっとかまってほしかった』という満たされない思いです。褒めるという行為は、親が子どもの様子をしっかりと見ていることでかなうものなので、褒められていなければ、親の目線の不足感が生じやすいのはあると思います。親が自分を見てくれているという安心感は、子どもの心の成長に欠かせないものなので、それを踏まえれば、『デメリットはあるが、メリットはない』のではないでしょうか」

Q.「褒めない」子育ては、アリだと思いますか。それともナシだと思いますか。

佐藤さん「ナシだと思います。とはいっても、『子どもの達成を派手な言葉で褒めたたえましょう』と言っているわけではありません。

1位になった、100点を取った、そのような出来事に『最高!』『天才!』と言うのも確かに褒める行為ですが、私が『褒めない子育てはナシ』だと言いたいのは、1つ前に触れたような目線不足を起こさないために、です。

子どもの様子をしっかり見て、ちょっとした成長の芽や変化を拾って、それを言語化する。そうしたことがもたらす『パパ・ママが見守ってくれている』という確証は、その子の心の安定を促すので、これをナシにしては子育てが成り立たないと思います」

Q.「褒める/褒めない」についてどうしたらいいのか、どうバランスを取るべきかなど、悩む親も少なくないようです。

佐藤さん「褒める/褒めないで悩む人は、『褒めないとやらない子になるのでは』『褒めて調子に乗ってしまう』『てんぐになる』というようなことを心配されている気がします。確かに、その子の能力に対して褒め過ぎてしまうと、中には逆効果の子もいるようです。『あなたはもともと頭がいいのよね』といったようなことを常日頃言っていたら、『そうだ、僕/私はやらなくたってできるんだ』という思い込みにたどり着くのは想像に難くないでしょう。褒めたことで努力を怠るようになる、これは避けたいパターンです。

しかし先に述べたような、子どもたちのちょっとした変化を言葉にする方法なら、子どもをやる気にさせるだけでなく、親子の絆も深めたり、おまけに行動改善につながったりすることもあります。

『叱るような場面にこそ、褒めを使ってほしい』とよくアドバイスをするのですが、例えば『ゲームのスイッチを早めに切れた』『3回呼んだら腰を上げられた』『5分で泣き止んだ』など、“昨日よりもほんのちょっとマシになったこと”をどう取り扱うかは、ご家庭によってさまざまです。スルーするか、まだできていないと叱るか、ちょっとの進歩を褒めて次につなげるか……このような場面で意識的に褒めを活用すると、日々がスムーズに回りやすくなります。

大きく派手に褒めることに抵抗がある人でも、子どもができたことを『◯◯できたね』と言語化するだけならやりやすい、という人は多いようなので、今は“褒めない派”という人もここから試してほしいと思います」

オトナンサー編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる