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「色の力」を日常に取り入れる意味を知る。

  • 2024.3.22

2023年秋、瞑想の学びを深めるため、ネパールでのリトリート旅に参加したメイクアップアーティストMichiruさん。そこでの経験や、帰国した後も日常に生かされている教えについて vol.1 vol.2の2回にわたって紹介してきました。最終回となるvol.3は「色の力」をテーマにお届けします。

大自然と調和する、カラフルなエネルギー。

Michiru(メイクアップアーティスト/ビューティディレクター)

ネパールの人は優しく温かく、そしてエネルギッシュ。信仰が自然の中や生活の中、とても身近にあります。この地で、あらためて"生きる"という力、生命力についても考えさせられました。そんな中で印象に残った、色のパワーについて振り返ります。

広くて青い空、赤い太陽、ヒマラヤの白い雪......大自然の中にはもちろん、訪れたお寺やアシュラム、街並み、人々の服や装飾などにも、たくさんの色とエネルギーがあります。

ネパール最古のヒンドゥー教の寺院チャングナラヤンでは、神々の顔、ボディが青や赤、黄色、緑などに彩られ、カラフルでちょっとポップ。

お経が書かれた5色の旗タルチョは、風になびくことで、読経をしたように徳が高まるといわれています。青は空、白は風、赤は火、緑色は水、黄は地の五大元素を表しています。

美しい洋服を纏っているのがネワール族(ネパールの先住民)の女性。赤やピンクがとても印象的。足の先にも赤を塗っていました。

色鮮やかな装飾が美しい仏教聖地ナモブッダはブッダゆかりの場所。天井まで極彩色に彩られた迫力ある空間。

瞑想家Osho(オショー)のアシュラムを訪れた時は、そこで生活する人たちが歌ったり、ギターを弾いたり、花のお手入れをしていたり、なんだかとても自由な雰囲気。皆、深い赤のローブを身につけていました。

最終日のカトマンドゥでは、色と人の洪水!その渦の中へ。お祭り前だからなのか、すごい熱気。負けそうになりながら人をかき分け、コーディネーターのギータさんにひたすらついて行く。左右にはお土産屋さんが並び、目移りしてしまいそうですが、人の流れの中でまっすぐ前に進む道だけを見ていないと迷子になります。これも学び。

そんな騒がしい都心部からほど近く、こんな静かな森があるのかと思うところにシヴァプリババの小さな寺院がありました。平和と静寂に満ちた場所で137歳の生涯を閉じた聖者。写真に残る、生命力にあふれた眼光は少年のようでもあります。森全体に漂う彼の真っ白でピュアなスピリットと光のエネルギーを感じながら、この寺院の中で自分と向き合う静かな時間を過ごしました。

森の中の平穏、静けさ。街の喧騒。このふたつのコントラストは自分自身の内側の世界と外側の世界そのもの。外側の世界がどんなにうるさくても、内側の自分の心の中は穏やかで波のない静かな湖のようでした。「瞑想を学ぶことは、自然を学ぶこと」と、ニーマル先生は言います。慌ただしい毎日を送っていると、何も考えない時間、自分を内観する時間を作ることがなかなかできません。こうして大自然に囲まれた環境の力を借りて、ネガティブな感情をリリースし、自然と一体化することが、心地よく幸せに満たされる瞬間であることを感じました。そして、ネパールの大自然の中に見る色は、どれも風景の一部として存在しているものでした。私たち人間も多種多様で、それぞれのライフスタイルがあって、幸せの形がある。あらためて、色とりどりの世界の中で生きているのだなと。

普段はモノトーン中心の私も、ネパール滞在中は赤や緑、ピンクなどのカラフルな服を持参していました。

帰ってきてからというもの、クローゼットの中にカラフルな色の服が増え、そして全身真っ黒の服を着なくなりました。

身につけるものは服であれ、石であれ、その時の自分の気持ちを大きく左右するので、ポジティブで明るいマインドでいたいのか、落ち着きたいのか、自信を持ちたいのか、軽やかでいたいのか、そのチョイスひとつで選ぶ色も変わってきます。素材から自然からのパワーを取り入れることも可能です。もちろんメイクアップの色からも同じことが言えます。アイシャドウの色、リップの色......。

エネルギーがほしい時は、自然からの力を利用すればいいのだと、リトリートの体験を通して自分の中に落ちてきました。

忙しい日常から少し離れ、自分のためだけに時間をとり、自然からエネルギーを受け取る力を高める。今年もリトリートが5月からスタートするので、大自然に触れて心と身体に向き合ってこようと思っています。もちろん明るい色を纏って!

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