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教育⽅針が合わない…夫婦で意⾒が分かれたときはどうすれば?大切にしたい3つのポイント

  • 2024.3.21

自分なりの考えがあって子どもと接しているけれど、夫婦で意見が合わない…そんなことってありませんか?子どもを混乱させないためにも、対応を知っておきたいですよね。今回は「夫婦で意⾒が分かれたときに大切にしたいこと」について、大阪教育大学教授で大阪教育大学附属天王寺小学校長の小崎恭弘さんに教えてもらいました。

出典:あんふぁんWeb

昭和にはなかった「教育方針のズレ」

このような質問は以前にはあまり見られなかったです。なぜなら過去の時代は、多くの父親が子育てに関しては母親に任せっぱなしであり、極端な言い方をすれば無関心でしたから。これは父親に問題があるというより、社会全体がそのような文化の中にあったからでしょう。

昭和においては、多くの家庭が専業主婦家庭であり、父親のみの片働きが当たり前でした。「働く父親・家事と育児をする母親」という、ある意味単一の家族構成と価値観の中で社会が構成されていました。もちろん個々の家庭ではそうでなかったり、またそのことでいろいろと問題もあったと思いますが、社会全体ではそのような家族形態が主流となり固定化されていました。

そのような社会において、父親は子育てに関して無関心であり、また不介入でした。あるいは積極的に子育てにかかわること自体が難しかったかもしれません。「子どもと遊ぶ時間があるなら、働いてきて!」という感覚でしょう。「わが子がかわいいから、頑張って稼ぐ」という姿勢が、昭和の正しい父親像だったのです。もちろんそんな時代においては「父親と母親の教育方針のズレ」などは、存在しません。母親が全てを取り仕切っていたのですから。

「意見が合わない」ときはチャンス!

そのように考えてみると、このような質問はとても素晴らしいと思います。パパが子育てに対して前向きでありまた真剣だから、ママと意見が異なったり、時にはケンカや対立になったりするのでしょう。子どもにとって、自分のことやこれからのことについて真剣に考えてくれる人が多いほど、豊かな子育て環境であるといえます。

こんなときは反対にチャンスです。子どものことや教育のことについて、お互いの意見や思いを真剣に聞くことのできるタイミングだからです。またそこから派生して、働き方のことや将来の進路や人生設計、また夫婦の関係性など、多岐にわたって家族について語ることができる機会でもあります。子どもという存在を通じて、家族の未来を考えてほしいと思います。

大切にしてほしい「3つ」の共有ポイント

その子育ての根底にある「教育方針」ですが、まずはお互いの認識のすり合わせが大切でしょう。そのために、以下の3つの共有ポイントを大切にしてください。

1.価値観の共有

教育も多様化しています。どのような教育を良いと思っているのか、またそれらの方法や手段について、夫婦でしっかりと確認してほしいと思います。逆に「これはさせたくない」や、「自分は賛同できない」などの視点を共有することも必要でしょう。

2.わが子の理解の共有

わが子の個性や性格、特徴や苦手なことなど、お互いがどのように自分の子どもを認識しているのかは、しっかりと話して確認してほしいと思います。大きすぎる期待や子どもの個性を無視した、親の思いだけを押し付ける教育などは、よくないでしょう。

3.子どもの思いとも共有

上記の2点は夫婦間の思いですが、それら一定の思いの共有ができた上で、当の本人の思いをしっかりと確認したり聞いたりして、親子の考えの擦り合わせをしておきましょう。親の思いを一方的に子どもに求めるのではなく、子どもの思いをしっかりと聞きましょう。子どもが小さいときはなかなか難しいところもありますが、子どものための教育なのですから、その子に応じたものや無理がないものを意識してください。

意見が分かれること自体は決していけないことではありません。パパの本気度が見られます。だからこそ、夫婦でしっかりと子どもも交えて、どんな教育や学びを大切にするのかを話し合ってほしいです。

教えてくれたのは

出典:あんふぁんWeb

小崎恭弘さん

大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。

▶http://kasei.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/teachers/5.html

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