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発酵食の手巻き寿司に、可愛いヴィーガンデザートまで。食文化の違う人も楽しく集えるエシカルカフェ。

  • 2024.3.21

歴史を遡ると、文化人や政治家が集い、新しいアイデアが生まれる場所だったカフェ。いつの時代もそこには新しさと、集う人を大切にする温かさが共存する。そんな空間を愛してやまないエシカル派モデル・斉藤アリスさんが、SDGsという新しいスタンダードを持って、温かい循環を生み出すカフェの物語りを綴ります。今回は、“食を通して持続可能な社会作りへ貢献したい”という想いから生まれ、常に新しい取り組みに挑戦している蔵前のカフェ〈KAWA KITCHEN〉を訪れました。

再利用の建築素材を活かしたアートウォールにも注目。

サステナブルがテーマのカフェ〈KAWA KITCHEN〉(カワ キッチン)へ行ってきました。浅草からほど近い蔵前に、昨年の2023年に誕生。隅田川沿いという絶好のロケーションです。

隅田川とスカイツリーとアリス。

カフェは2階にあり、隅田川沿いの窓一面ガラス張り。光の反射でキラキラとした水面がきれい!そして、設計はなんと日本を代表する建築家・隈研吾さん。隈さんの大ファンである創業者青木愛さんの想いが伝わり、設計を受けてくださることになったそう。

隈研吾氏が建築した2階のカフェ。

内装にはサステナブルなこだわりが散りばめられています。たとえば洗面所のシンクになっているのは、廃校になった小学校で使われていたスレンレス製の大きな鍋天井の照明には、ペットボトルを割いてヤシの葉を編み込んだその名も「PET Lamp」を採用。そして天井を行き交う白い帯は、なんと役目を終えた消防ホースです。どれもアイディア満載で、見ても楽しめるものばかり。

小学校の鍋を再利用したシンク。再利用が難しいと言われるラミネート紙や雑誌などの古紙と、廃プララスチックをリサイクルしたボードも。
ペットボトルのシャンデリア。茶道で使われる「茶筅」からインスピレーションを得ているそう。

日本の伝統的食文化に、カリフォルニアのエッセンスを。

〈KAWA KITCHEN〉は漢字で書くと「加和(かわ)」。目の前を流れる隅田川、そして「カリフォルニア(加州)×」という意味合いも。店名のように、日本の食文化カリフォルニア料理を融合させたモダンな料理を提供しています。

店前に飾られたお店のロゴ。「加和」のデザインがおしゃれ。

その代表的なメニューが「加和の彩り手巻き寿司」。自分で好きな具を包める手巻き寿司キットです。波面様のお皿に並ぶのは、柴漬け、卵焼き、納豆など和の食材はもちろん、アボカド、パプリカ、厚揚げと茄子のターメリックマリネなど珍しいものも。

「加和の彩り手巻き寿司」3,300円(2日前までに要予約)
いただきま〜す!

パリッと香ばしい焼き海苔の上に、ガラスボウルに入った酢飯を乗せていきます。酢飯には岐阜のハリヨの柿酢を使用。さっぱりとしてクセのない柿酢は、どんな具材にも合うそう。また、柿酢にはカリウムが豊富で、体の余分なナトリウムを排出してくれるデトックス効果も。

何を一緒に包もうか迷いながら「アボカドパプリカ納豆を一緒に食べたら、どんな味になるんだろう?」と試してみると…めちゃくちゃ合う!これは大発見かも。色々な組み合わせを考えながら包んでいくのも手巻き寿司の醍醐味で楽しい。「どの具材を合わせてもバランスがよくなるように作っています」(青木さん)

口に入れたら一瞬で気に入った、納豆とアボカドの組み合わせ。

代表の青木愛さんは15歳から大学卒業まで、アメリカに単身留学をしていた経験の持ち主。
「日本が大好きなので、大学を卒業したら日本のためにできることをやろう!と思い、すぐに起業しました。使い捨てプラスチックの削減など、環境保全に繋がるエシカル商品の開発などをメインに事業を展開してきました」(青木さん)

(株)スライバル創業者の青木愛さん。

「国や宗教、ジェンダー、健康上の問題などを問わず、いろいろな人たちが一緒に集える場所を作りたくて、カフェをやろうと決めました」と青木さん。お肉を使ったメニューがありながら、グルテンフリー・ベジタリアン・ヴィーガンなどに対応したメニューの用意も。

ヴィーガン対応のブッダボウルは、雑穀米の上に伝承豆ひよこ豆で作ったファラフェルボールやアボカド、厚揚げと茄子のターメリックマリネ、海苔、紫キャベツのマリネ、赤カブ漬け、菊芋チップス、焼きケール、きゅうり、にんじん、ミントなどを乗せた具沢山な一品。燻製唐辛子を効かせた自家製トマトサルサがアクセントになっています。

「ファラフェルボールのブッダボウル」1980円。

デザートには下町らしいどら焼きもおすすめです。左がいちご&酒粕クリーム、右がピーナッツ&ラムレーズン。米粉を使ったグルテンフリーの生地に甘さ控えめのあんこと、乳製品不使用の豆乳クリームや酒粕クリームを合わせます。

「生どら焼き」2種880円。

こ、これは美味しい!小豆の自然な甘味に、酒粕ラム酒が効いていてちょっぴり大人の味です。物足りなさを全く感じさせず、食べ応え十分。丁寧に作られているのが分かります。

隅田川を臨める窓際の席で。

お店の1階は青木さんが開発したアイテムをはじめ、世界中のエシカル製品が並ぶセレクトショップになっています。歯ブラシ、石鹸などの日用品だけではなく、茶葉やお菓子なども販売。

1階のエシカルショップ。流木を建築資材に活用し、天井のデザインに。

コーヒーの麻袋でできたテディベア。左の子、足裏がトライバル柄みたいでカッコいい!ここでしか出合えないハイセンスなアイテムが多すぎて、この日私はこのショップで1万円くらい使いました。笑

麻袋を再利用したテディベア。

パワフルで行動力に溢れる青木さんは、なんと現在30歳。今もアメリカと日本を行き来しながら、精力的にビジネスを展開されています。日本を、そして世界をより良くしたい!という想いを胸にまっすぐと生きる彼女の活躍にも、これから目が離せません。

商品について丁寧に教えてくれた青木愛さんと、斉藤アリス。

〈KAWA KITCHEN〉

住所東京都台東区蔵前2-10-11
TEL:080-6914-3044
営業時間:11:00〜18:00(金〜21:00、土10:00〜21:00、日10:00〜18:00)
定休日:月、火曜
Instagram@kawakitchen.jp

40誌以上の美容やファッション雑誌でモデルとして活躍し、現在はライターとしても活動している。趣味は世界のカフェ巡りで、これまで日本全国に加え、15カ国以上のカフェを巡り、著書に『斉藤アリスのときめきカフェめぐり』(枻出版)。

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