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「これでは大谷選手に失礼」四球連発の韓国20歳投手が猛省「礼儀ではない」…26年WBCへ“完封宣言”

  • 2024.3.20

「(大谷翔平に対し)こんなボールでは失礼ですよ」

若手主体の韓国代表「チーム・コリア」で“エース”を張ったムン・ドンジュ(20、ハンファ・イーグルス)は笑顔だった。ただ、心の中ではリベンジに燃えていた。

国際大会での再会を約束した。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で大谷翔平(29、ロサンゼルス・ドジャース)と対戦する機会があれば、必ず抑えると宣言した。目標は「パーフェクト」だ。

ムン・ドンジュは3月17日、高尺スカイドームで行われたサンディエゴ・パドレスとのエキシビジョンゲームで先発登板した。結果は2回4四球、2奪三振、1失点だった。

プレイボール直後から6球連続でボール球を投げるなど、制球が乱れた。初回だけで4四球を与えてしまった。

ただ、球速は96.4マイル(約155.1km)だった。ストレートの勢いはあったが、制球ができなければ意味がない。それを切実に感じた一日だった。

ムン・ドンジュ
ムン・ドンジュ
4四球のピッチングに猛省「“礼儀”ではない」

ムン・ドンジュは「今、このボールで大谷選手を相手にする?それは“礼儀”ではないと思います」と自身のピッチングを反省。その一方で、「僕はまだ20歳です。良くなっていくことの方がはるかに多いと思います。2026年のWBCで会い、そのときはパーフェクトゲームをします」と前を向いた。

実際、課題以外に収穫もあった。「ゲームコントロール」だ。

ムン・ドンジュは連続四球こそ与えたものの、完全に崩れることはなかった。土壇場で踏ん張り、危機を乗り越えた。無死満塁から始まって2失点なら悪くないし、安打も打たれなかった。2回は三者凡退で切り抜けた。

ムン・ドンジュ自身も、「昨年から自分に対する“ゲームコントロールが良くない”という評価がずっと出ていましたし、自分自身もたくさん聞きました。おそらく昨年の自分だったら、1回で崩れていたと思います。でも、1回を切り抜けて2回では違う姿が見せられました。そこは、自分が発展した部分ではないかと思います」と投球内容を振り返った。

続けて、「短所を探しだしたらきりがありません。今後もずっと出てくると思いますし、長所中心に考えようとしています。ある程度、励みになった試合だと思っています」と付け加えた。

火のような剛速球や爆発的な球威は確固たる強みだ。その代わり、まだ彼も若い投手である。2003年12月生まれの20歳だ。

まだ今は「完成した」選手ではない。このような選手にベテランの老練さは望めない。ゲームコントロールには経験が必要だ。

その代わり、ぐんぐんと成長を続けている。昨年の杭州アジア大会では金メダルを獲得した。予選と決勝で台湾代表を相手にし、決勝では6回7奪三振の無失点で“ゴールデンロード”を開いた。

アジアプロ野球チャンピオンシップでも経験を積み上げた。オーストラリア代表戦で5.1回2失点を記録。コンディションが良くない状況でもエースとして底力を見せた。

そして今回、2024年シーズン開幕直前のソウルシリーズでメジャーリーガー相手に剛速球を披露した。

ムン・ドンジュは「代表経験が大きく活きました。代表での経験がなければ、パドレス戦は崩れていたと思います。悪い状況を解決する力が必要でした。それもゲームコントロール能力の一つだと思います。次はもっと上手く投げたいです」と意気込みを語った。

大谷翔平
大谷翔平

ドジャースの大谷と対戦できなかったことが惜しかった。当然だ。投手であれば誰もが勝負してみたい選手だからだ。ただ、ムン・ドンジュな「自己反省」が先だった。

今後も国際大会は続く。来る11月にはWBSCプレミア12があるし、2026年にはWBCが行われる。プレミア12では難しいだろうが、WBCは大谷の出場が確実視されている。

ムン・ドンジュは韓国代表の世代交代の中心に立つ一人だ。2年後のWBCで、より一層成長した姿を見せられれば良い。そのときは大谷も打ち取り、パーフェクトもいくらでもできるはずだ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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