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「自分で準備するのが大事」1週間で83万食が不足の現実…防災少年の避難所チェックで見えてきた備蓄の中身

  • 2024.3.19

皆さんが抱えている「なぜ?」「どうして?」を調査する、HBC「もんすけ調査隊」。

今回の依頼人は、きょんさん(50代・札幌在住)。

「もし真冬の札幌で大地震が起きても大丈夫なのか?知りたいです」

1月1日午後4時10分――

能登半島を襲った最大震度7の地震に大きなショックを受けた依頼者。

もし真冬の札幌で震度7の大地震が起こったら?

Sitakkeでは、【特集】秋冬の”じぶんごと”防災で、北海道で暮らす私たちの、こころと身体を守るための「防災の知恵」 を考えていきます。

札幌市では、月寒断層を震源とする震度7の地震が発生した場合、最大で5万7000棟の建物が全半壊、死者は最大で4900人を超えると想定されています。

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直下型地震想定CG(札幌市提供)

実は札幌の直下には3つの活断層が存在していて、特に月寒断層は、大きな被害が想定されています。

能登半島地震では、大規模な断水が発生し、大きな被害が生じました。

札幌市の水道は大丈夫なのでしょうか。

札幌市水道局の新居龍陽さんによると、「札幌市では、地震時に抜け出しにくい耐震管を採用している」とのこと。

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従来の水道管は、つなぎ目にあるゴムで管を抜けにくくしています。

これに対して、札幌市が採用している耐震管は、つなぎ目のゴムに加えて突起があるので、さらに管が抜けにくい構造なのです。

そのため全域での断水は起こりにくいということです。

では電気は大丈夫なのでしょうか?

特に、2018年の胆振東部地震で「ブラックアウト」を経験した私たちにとっては気になる問題です。## 電気は?避難は?

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2018年胆振東部地震当時「ブラックアウト」した札幌中心部

北海道電力によると、「全98の原因を特定し、すべての対策を完了しました」とのこと。

2018年のブラックアウトは、電力の需給バランスが崩れたことが原因で起こりましたが、大規模停電の可能性を限りなく低くし、今後も努力を続けていくということです。

続いては避難所。

札幌で大地震が発生したら市内307か所の避難所に、約9万人が避難するといいますが、そんなに大人数が避難しても大丈夫なのでしょうか。

今回、札幌市の避難所を厳しくチェックしてもらうべく来てもらったのは、以前、もんすけ調査隊にも出演した8歳の防災少年、澤田雄太(さわだ・ゆうた)くん。

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「防災少年」澤田雄太くん

そして、CeMI(せみ)気象防災アドバイザーの志田(しだ)さんにも来てもらいました。

札幌市が想定している避難所のスペースは一人1メートル×2メートル。

家族3人のスペースを見ると、少し余裕があるようです。

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しかし広さはあっても問題なのが、床の冷たさ。

石川県よりはるかに寒い北海道では、冷えた床面で寝ることは低体温症の危険を高めます。

そこで避難所の備蓄庫を見せてもらうことに…

こちらは北ガスアリーナの備蓄庫。

食料や生活用品が備えられています。

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澤田くんのチェックは「防寒具にどんなものがあるか」。

移動式の灯油ストーブのほか、毛布や寝袋などが備蓄されていました。

さらに、段ボールベッドもあるのですが…ここでCeMI気象防災アドバイザーの志田昌之さんから「段ボールベッドが少ないと聞いたが?」と指摘が!

わずか5台の段ボールベッド

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実は避難所の段ボールベッドは5台に限られています。

そのため、札幌市危機管理課の山口凌さんは「まずは高齢者、障害のある方々に使ってもらい、その後は協定を結んでいる事業者の方から配送してもらう」と説明しました。

さらに、現在折り畳み式の簡易ベッド1万台を調達しているとのこと!

2024年度以降に各避難所に備蓄を開始する予定なんだそうです。

床から少し高さをおいて寝るだけでも寒さはずいぶん違います。

他にも、毛布や段ボールを持参し、マットの下に敷くだけでも防寒対策になるといいます。

そして避難生活で大事なものについて、澤田くんからこんな質問。

「食料はどれくらいあるんですか?」

札幌市で備蓄されているのは約11万人の2日分の食料。

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アルファ化米やビスケット、おでん缶などがあるといいます。

CeMI気象防災アドバイザーは志田昌之さんは「私だったら2~3日食べられる食料を持っていく」と話します。

というのも実は、札幌市の第4次地震被害想定によると、発災1週間後には約83万食の不足が生じると想定されているんです。

そのため、個人で最低3日分、できれば1週間分の食料を備蓄した方がいいのだといいます。

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他にも避難所には、生理用品などの衛生用品を始め、カセットコンロ、プライベートを確保できるパーティションなど、様々な物が備蓄されています。

澤田くんは「備蓄品は、なるべく使わない方がいい。備蓄は備蓄だけど、自分の非常用持ち出し袋の食べ物や飲み物を使い切っちゃった時に、使った方がいい」と話します。

CeMI気象防災アドバイザーの志田昌之さんも「自分で持ってこれるものは持ってくることが大事」と心構えを教えてくれました。

調査結果です。

「絶対!大丈夫!!」とは言えないけれど、行政の防災対策は強化中。

それでも自分で備えることも大切です。

【特集】秋冬の”じぶんごと”防災

文:HBC報道部もんすけ調査隊
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年3月8日)の情報に基づきます。

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