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大人が意外と解けない「840m歩くのに12分かかった→分速は?」

  • 2024.4.10
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算数・数学の「速さ」の問題が苦手だったという方は多いのではないでしょうか。

苦手になってしまう原因の一つが「速さとは何か」ということを理解せずに、公式だけを暗記してしまっていることにあります。

暗記ではない正しい理解をすることで、速さの問題も簡単に解けるようになるはずです。

問題

(問題1)
840mの道のりを歩くのに、12分かかったとき、分速を求めなさい。

速さを求めるには「1単位時間あたり」を考えましょう。歩くのに12分かかったので、「1分あたり」を考えるのがよいでしょう。

解答

この問題の答えは「70m/分」となります。

840mを12分で歩くので、1分間で歩ける距離はその12分の1となります。

したがって、840÷12=70となり、速さは「70m/分」です。

ここでは、次のような計算式を使いました。

速さ=距離÷時間

「速さ」とは

「一定時間の間にどれだけの道のりを移動したか」を表すのが速さです。

そして、時間や距離の単位は複数あるので、その組み合わせによって速さの単位もいろいろなものがあります。

例えば、「秒速5m(もしくは5m/秒)」と表したとき、この速さは「1秒間で5m進む速さ」ということになります。

同じように「分速◯m(m/分)」や「時速◯km(km/時)」は、それぞれ1分間、1時間でどれだけの道のりを移動したかを表しています。

この「1単位時間あたり」(1秒間・1分間・1時間)を意識するだけで、速さの計算はとても簡単になります。

速さ・時間・距離の計算

ここでは実際に例題を解きながら、それぞれを求める計算式を考えてみましょう。

時間を求める計算

(問題2)
40km/時で走る車は、240km進むのに何時間かかりますか。

「40km/時」は、「1時間で40km進む速さ」です。240km進むのには何時間かかるでしょうか。

答えは「6時間」です。

1時間で40km進むということは、
2時間で80km
3時間で120km

ということになります。

240kmの中に、40km(1時間分)がいくつあるかを考えればよいということです。

したがって、240÷40=6となり、答えは「6時間」です。

ここでは、次のような計算をしました。

時間=距離÷速さ

距離を求める計算

(問題3)
5m/秒で走る人は、15秒間で何メートル進みますか。

「5m/秒」は「1秒で5m進む速さ」ですね。

ここまでくると、もう計算できるのではないでしょうか。

答えは「75m」です。

1秒で5m進むということは、
2秒で10m
3秒で15m
・・・
となります。

したがって15秒間では、5×15=75となり、「75m」が答えです。

ここでは、次のように計算しました。

距離=速さ×時間

まとめ

速さに関する式が三つ出てきました。

速さ=距離÷時間
時間=距離÷速さ
距離=速さ×時間

これを公式として暗記していた方もいるかもしれませんが、これらはすべて「一定時間の間にどれだけの道のりを移動したか」ということを考えることによって計算ができました。

きちんと正しい理解をすることによって、さらにさまざまな状況の問題も解けるはずです!

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」