1. トップ
  2. 大人が意外と解らない「台形の面積」→面積・体積の解説

大人が意外と解らない「台形の面積」→面積・体積の解説

  • 2024.4.5
  • 117557 views

 

undefined

面積というのは、図形の大きさ(広さ)を表す量です。

土地や部屋の広さを把握する際にも使われるなど、日常生活でも「面積」が使われる場面は多くあります。

しかし、面積の求め方は「公式」として暗記しているかもしれませんが、「なぜその公式で面積が求められるか」ということを考えたことはあるでしょうか。

今回は、面積の求め方について理解を深めましょう。

面積の考え方

小学校で学習する多角形の面積の公式は次の通りです。

正方形=1辺×1辺
長方形=縦×横
平行四辺形=底辺×高さ
三角形=底辺×高さ÷2
台形=(上底+下底)×高さ÷2

それぞれ、なぜこのような式で面積を計算することができるのでしょうか。

正方形・長方形の面積

面積の基準となる大きさは「1cm²」です。

これは「縦1cm、横1cmの正方形」であり、「1cm²がいくつあるか」を考えるのが面積となります。

正方形や長方形であれば「1cm²の正方形」をタイルのように敷き詰めることで面積を考えることができます。

(問題)次の正方形と長方形の面積をそれぞれ求めなさい。

undefined

これは多くの方がすぐに計算できるのではないでしょうか。

(正方形)4×4=16cm²
(長方形)3×5=15cm²

これは、1cmずつで図形を分割し、「1cm²の正方形」がいくつあるのかを考えているのと同じですね。

undefined

平行四辺形の面積

では、次に「平行四辺形の面積の公式を知らなければ」どのように計算をするでしょうか。

(問題)次の平行四辺形の面積を求めなさい。

undefined

平行四辺形の面積の公式が「底辺×高さ」であるということを知っていると、「5×3=15cm²」と計算をするでしょう。

なぜ「底辺×高さ」で面積が出るのでしょうか。

それは、平行四辺形は長方形に作り替えることができるからです。

例えば、下図のように底辺に対して垂直な線で平行四辺形を切り、反対側へ持っていきます。すると、長方形にすることができました。

undefined

平行四辺形の「底辺×高さ」が、長方形の「横×縦」と一致するので、このようにして計算が可能です。

三角形の面積

次は三角形の面積です。

こちらも多くの方が「底辺×高さ÷2」という公式を知っているはずです。

なぜ三角形の面積では「÷2」という計算が入ってくるのでしょうか。

(問題)次の三角形の面積を求めなさい。

 

undefined

 

こちらも「もし三角形の面積の公式を知らなければ」どのように面積を求めるかを考えてみてください。

ポイントは、すでに面積の求め方を知っている図形に作り替えるということです。

同じ三角形を二つ用意し、片方をひっくり返して辺を合わせましょう。すると、平行四辺形を作ることができました。

平行四辺形の面積は先ほど確認しましたね。

これは、三角形二つ分になっているので、「÷2」をしなければいけません。

undefined
三角形
=平行四辺形÷2
=底辺×高さ÷2

したがって、今回の問題では
6×3÷2=9cm²
となります。

台形の面積

台形の面積の公式は「(上底+下底)×高さ÷2」と少し複雑です。

「÷2」をするのか、しないのかで迷った方もいるのではないでしょうか。

(問題)次の台形の面積を求めなさい。

undefined

この問題も「もし台形の面積の公式を知らなければ」どのように面積を求めるかを考えてみましょう。

先ほどと同じく、すでに面積の求め方を知っている図形に作り替えるということがポイントです。

 

三角形のときと同じく、二つの台形を用意し、ひっくり返して辺を合わせると、平行四辺形を作ることができます。

このとき、平行四辺形の底辺は「5+3(上底+下底)」となっていますね。

undefined
台形
=平行四辺形÷2
=底辺×高さ÷2
=(上底+下底)×高さ÷2

今回の問題では
(5+3)×4÷2=16cm²
となります。

このようにして、台形の面積の公式が導かれるということを知っていれば「÷2」の計算が必要なのかどうかで迷うことはないはずです。

まとめ

単純に暗記していた面積の公式も「なぜこのような公式なのか」を考えることによって、さらに理解を深めることができます。

今回紹介した図形はすべて基本となる図形なので、これらをさらに組みわせることで様々な図形の面積が計算できますね!

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」