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土井善晴「日常の料理にレシピなどいりません。料理なんて習わなくていい」多忙から解放され発想も自由に、心境の変化を明かす

  • 2024.3.20
土井善晴「日常の料理にレシピなどいりません。料理なんて習わなくていい」多忙から解放され発想も自由に、心境の変化を明かす
『映画 情熱大陸 土井善晴』 (C)TBS

TBSドキュメンタリー映画祭に土井善晴、久保田智子らが登壇

テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続ける本気のドキュメンタリー作品に出会える場として、2021年に始まった「TBSドキュメンタリー映画祭」。同映画祭で上映される各作品の舞台挨拶が行われ、料理研究家の土井善晴、元TBSアナウンサー・久保田智子監督、音楽家の大友良英、ラッパーの紅桜ら監督&出演者、ゲストが登壇した。

『映画 情熱大陸 土井善晴』の舞台挨拶では、主演者の土井善晴、沖倫太朗監督、TBSドキュメンタリー映画祭2024アンバサダーのLiLiCoが登壇。テレビ版『情熱大陸』をベースに映画化した本作について、沖監督は「土井先生の喋りは、どこを切ってもうっとりと聞いていられるので、番組の25分の尺に収めるための編集が大変でした。しかも土井さんは突然大事なことを言ったりするので(笑)、そこも難しかった」とその苦労を語った。

土井とバラエティ番組で間接的に関わったことがあるというLiLiCoは、「土井さんには2回救われました。1回目が、その番組の企画で土井さんが私の料理の盛り付けを凄く褒めてくれたこと。そこから料理にハマりました。そして2回目が、今回のドキュメンタリー映画。料理ってこれで良いんだと、心の中が曇りから晴れになりました!」と笑顔で告白。

そんな土井は、多忙から解放されたことで、料理に対して自由な発想を得ることが出来たという。「長らく『おかずのクッキング』をやっていて忙しかったのですが、それが終わったら自由になれた。心が自由になるのは幸せなこと。プレッシャーを感じていたんでしょう。あれは私の料理ではなく、みんなのための料理を作っていたんです。それが終わった途端、自由になったら毎回新しい料理が出来た」と心境の変化を実感。そして「日常の料理にレシピなどいりません。料理なんて習わなくていい、ホンマにそう!」と名言を放っていた。

『私の家族』の舞台挨拶では、元TBSアナウンサー・久保田智子監督に加え、東京レインボープライド代表の杉山文野が登壇。2019年に特別養子縁組で新生児を家族に迎えた、久保田監督自身の家族に迫る本作。久保田監督は、「作り手としては取材対象に近づいて生の映像を撮りたいと思うけれど、一方で自分は取材される側でもあって…。そこには自分を守りたいという気持ちもありました。曝け出して大丈夫なのか? 私の家族はどう思うのか? そんな葛藤がありました」と心境を吐露。

不安な背中を押してくれたのは「せっかく作品として発表するのならば、社会に影響を与えられる方が良いのではないか?」という夫からの一言だったという。久保田監督は「この作品は家族が賛成してくれたからこそ出来た映画」と家族のサポートに感謝していた。

また「特別養子縁組を選択する前は、家族とは子どもを産んで育てることだと思っていました。それが自分に出来ないと思った時に、急にマイノリティーになる瞬間があると感じました。当たり前が出来ないと知った時に、どう生きたらいいのかわからない葛藤もありました。その意味でも選択肢があることは大切。一般的な当たり前から外れても選択肢さえあれば別の選択をすればいいと前向きに思えるから」と、特別養子縁組を経ての想いを口にしていた。

舞台挨拶ゲストとして登場したのは、東京レインボープライド代表で、自身もトランスジェンダーの杉山文野。友人からの精子提供により、パートナーと2人の子どもを育てている杉山。本作を見て、「自分には子育ては出来ないと思っていたので、ゼロだと思っていた分、実際に子育てが出来るとそのふり幅分楽しんでいるところがあります。血の繋がりさえ気にしなければ、子育ては出来る」と実感したという。

LGBTQ+当事者で実際に子育てをしている人もいるそうだが、「日本では法的なハードルがあり過ぎてその数は限られている。選択肢が増えることによって子育てへの様々な関わり方が生まれたら嬉しい」と時代の変化に期待していた。

舞台挨拶の最後には、久保田監督は「自分のありのままを受け入れるのは難しかったけれど、ありのままの自分を受け入れて生きるしかないと思うことが出来て、それを発信するところまで来たわけですから、作品が完成して上映に立ち会っていることが感慨深いです」と噛み締めるようにコメントした。

『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』の舞台挨拶では、金富隆監督と音楽家・大友良英が登壇した。故・坂本龍一が遺した言葉を軸に平和への想いに迫る本作。金富監督は、本作で使用された坂本の貴重な映像の数々について「テレビの放送で流れるのは撮影したほんの一部。素材の90%は放送されることなく眠っています。坂本さんの言葉は今でも聞かれるべきものがあると思ったので、膨大に眠る素材を自分なりに必死に見ながら紡いでいきました」と、完成までの道のりを述懐。

一方、坂本さんと親交の深かった大友は、「坂本さんの言葉がこのような形で残ることをテレビ局がやるというのが凄い。未来に伝えようという意思が伝わって来て感銘を受けました。坂本さんが亡くなりお葬式も出来ないまま1年が経ったので、動いている坂本さんを見てウルッとしました」と感動していた。

また金富監督は、坂本の人柄について「坂本さんは裏方の人間にもフラットに接してくれる。今回の作品を通して改めてそんな方だと思った」と述べると、大友も「坂本さんは誰に対しても対等であろうとする人。坂本さんはキャリアもポジションも含めて周囲が自分と気軽に接しにくいのを承知で、色々な人たちと対等であろうとする努力をしているように見えた」と優しい人柄を偲んでいた。

『ダメな奴 ~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』の舞台挨拶には、嵯峨翔平監督と紅桜が登壇した。この日初めて本作を鑑賞したという紅桜は、「自分の顔が出ていて照れ恥ずかしい。自分のことよりも、仲間たちの表情が見られて嬉しい」と照れつつも公開を喜んでいた。

「TBSドキュメンタリー映画祭」は、全国6都市にて順次開催。

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