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幸せか、不幸かは、遺伝子が決める?それって一体どういうこと?

  • 2024.3.17

かつてこれほどまでに納得できる幸福の法則はなかった

まず結論からお伝えするなら、これぞ幸せの正体と思えるものが、ようやく見つかったので、ここにお知らせしたい。それが、“幸不幸は遺伝子が決める”説!

そもそも人は、特に女は、幸せになるために生まれてきた生き物……ずっとそう考えてきた私は、幸せになるもっとも簡単な方法を探し続けてきた。それは自分自身のためでもあるけれど、その方法がわかったら、真っ先に周囲に伝えたい、誰かに伝えたいと思うからなのだ。それも古い友人に、端から見たら決してそうは見えないのにどうしても幸福感を持てないというタイプが結構いたから。美人で裕福で、早々とイイ男をつかまえたのに、何だか不満を抱えている人。また一方、明らかにネガティブ思考で、何でもかんでも悪く捉えて悩んでしまう人。なぜだか自分から不幸な方、不幸な方へ進んでいってしまう人。ともかくそういう人たちに、ごくごく普通に幸福感を持ってほしいと思うからなのだ。

そこで、いわゆる幸福論などを読み込み、結果行き着いたのは「人は幸せの話をこれほどたくさん聞かされていなかったら、もっと幸せであっただろう」そして、「自分が幸福かどうかを問わない人が幸せ」。しかも「幸せとは比較が生むもの。自分より恵まれた人に出会った瞬間、不幸になる」。つまり幸せの基準などに振り回されない、それが幸せになる鉄則であるということ。言い換えるなら、幸福の意味などを追い求めているうちは、いつまでたっても幸せになれないことがわかってきたのだ。

でもこの結論も何だか釈然としない。自分が幸せかどうかなどと考える前に、自分は不幸と決めつけている人も少なくないからだ。じゃあどうすれば?

そんな時に出合ったのが“ウェルビーイング”の概念で、それまでは幸福論で幸せを哲学的に捉えていたけれど、ウェルビーイングはもっとシンプルに幸福を科学する学問。さまざまなことを前向きに考えることで幸福感を得ていく提案で、たとえばだけれど、人に感謝する……それも今の10倍感謝すると、逆に自分が幸福感に満たされると訴える。「まさにこれだ」と思ったもの。ただ、この10倍感謝の方法についても、本当に強い意志で意識し続けないと、身に付かない。だからそれ以前に、幸不幸の運命的な分かれ道があるのではないかという考えが頭から離れなかった。

そんな中で見つけたのが、幸せかどうか、その50%は「遺伝子」が決めるという説だった。これこれ、まさにこれ!と、何だか胸がすくほど、清々しい納得があったのだ。つまりこれは、まったく同じ状況に置かれても、それを幸せと感じる遺伝子がある人と、それを不幸と感じる遺伝子がある人がいるという説。

確かに自分の周りにもいる。どんな時も幸せそう。どんなに悪いことが起こっても、何だか幸せに見えてしまう幸せ体質の人っているもので、その不思議も含め、ようやくすべての謎が解けた形。たとえば誰かと言うなら、赤毛のアンみたいな? アンミカとか、いわゆる“ゆうちゃみ”みたいな? 水卜アナの不動の人気もそこからきているのだろう。

しかもこの理論、幸せかどうかを決める要素のうち「環境」は10%に過ぎないと説いている。つまりお金持ちに生まれたり、いい仕事につけたり、美人に生まれてチヤホヤされたりすることによる幸福感は1割に過ぎないと。それも深く納得。成功者ほど、もっと成功している人を見ればたちまち不幸になる、上を見ればキリがない。1割で充分なのだ。

ちなみにこれ、米国カリフォルニア大学のポジティブ心理学の教授が提唱しているもので、遺伝子50%の説も、一卵性双生児による研究結果として出された、科学的根拠があるものだという。

習慣的に運動することと困った人に手を差し伸べること

じゃあ残りの40%は何なのか? まさしくここに、前述したウェルビーイングの考え方が入ってくる。「幸福学」研究の第一人者、前野隆司氏によれば、(1)「やってみよう」夢や目標を達成しようと努力すること。(2)「ありがとう」人とつながり、感謝すること。(3)「なんとかなる」物事を前向きに楽観的に捉えること。そして(4)「ありのままに」他人に左右されずに、自分らしくマイペースで生きること……。実は同じように、遺伝子説も残りの40%を「行動」で叶えていくものとしていて、6つほどの提案をしている。実はこれが偶然か必然か、ウェルビーイングの構成要素とほぼ重なっているのだ。先の4つの内容に加え「習慣的に体を動かすこと」「周囲の人や困っている人に支援の手を差し伸べること」という内容が追加されているのみ。

どちらにしてもシンクロしている。ちゃんと科学的に研究された幸福提案だからこその共鳴性があって、なおさら信憑性が増してくる。しかもこれらの提案、いずれも文言を読むだけで、がぜん幸せになれそうな気がしてくるはずなのだ。

ただ、問題はその前にある50%の遺伝子分。一体どう考えよう。明らかに幸せ体質の遺伝子を持っていると思う人はよいのだ。あーなるほど、自分はだからどんな時も不幸と感じてしまうのだという不幸体質の遺伝子を持つ人はどうしたらよいのだろう。そこでこの問題を、美肌づくりに置き換えて考えてみた。

遺伝子に左右されるのは肌も一緒。大したお手入れをしなくても、キレイを保っていられる肌があるかと思えば、なかなかキレイになれない肌もある。それも遺伝子のなせる業。でもだからといって何もしないでいるのはありえない。美肌遺伝子に恵まれなかった人こそ精一杯のスキンケアで結果、美肌を手に入れている。大切なのは、自分にはそういうプラス遺伝子がない事実を早く知ること。自覚していないと努力もできない。ついつい後ろ向きになってしまう人は、不幸体質を自覚した上で、その残りの40%を徹底するべきなのだ。心を前向きに保ちましょうとか、人生の喜びを満喫しましょうとか、そういうポジティブ思考はやはり簡単には持てなくても、「多くの時間を家族や友人と過ごすこと」「体を動かすのを習慣にすること」など、あくまで具体的な行動ならば、努力できちんとクリアできるはず。

そして何より不幸体質の人は、自分の不幸を環境のせいにしたがる傾向にあるはずで、だから環境はそれこそ1割に過ぎないことをしっかり認識すべきなのだ。不幸なのは遺伝子のせい、はっきりそう思うことで、新たな思考が生まれるはずだ。もし自分に幸せ体質の遺伝子があったら、こういう時こういうふうにプラスに考えるはずなのに……、いちいちそう考える思考回路を持つと、不思議に物の考え方が変わってくるはず。英語脳になるみたいに幸せ脳になるのだ。遺伝子は取り替えられないけれど、肌と同じ、克服することはできるはずだから。

何より重要なのは、幸せは一過性のものではまったく意味がないということ。物質やお金、地位などで得た幸せは長く続かないといわれる。しかし幸福学に従い、今回の遺伝子説に従えば、幸せは何があろうと一生ものになるはずなのだ。なぜなら幸せは、考え方自体に宿るものだから。幸せか否かを決めるのは、環境でも、持って生まれた資質でも、運でもない、考え方が決めるもの。幸福感は考え方のクセがつくるものといってもいい。だから、意識してクセをつけよう。

元気に働けるだけで幸せ。今日もいい一日が過ごせてよかった。今日関わった人すべてに感謝したい。明日もきっと素敵な一日になるはず……そんなふうに当たり前のことを当たり前に喜ぶクセを。

それだけで、体中に幸せが満ちてくる。

幸せかどうか、その50%は「遺伝子」が決める。まったく同じ状況に置かれても、それを幸せと感じる遺伝子がある人と、それを不幸と感じる遺伝子がある人がいるということ。大切なのは、自分がどちらの体質であるのかを早く知り、一生終わらぬ幸せを手に入れることなのだ!

撮影/戸田嘉昭 スタイリング/細田宏美 構成/寺田奈巳

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