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「美人局」は「びじんきょく」ではありません!【漢字クイズ】意外と読めない漢字3選

  • 2024.3.16

見慣れた文字なのに意外と正しく読めない漢字をご紹介する漢字クイズ。今回は、「人」を使った漢字を3つセレクト。「美人局」、「防人」、「仙人掌」の読み方に迫ります!

【漢字クイズ】vol. 28

正しく読めたらスゴイ!

「美人画」や「美人薄命」などに使われている、おなじみの漢字「美人」。「局」のほうも、「テレビ局」や「郵便局」などで見慣れた文字です。

では、この二つを組み合わせた言葉「美人局」は正しく読めますか?

「美人局」は「びじんきょく」ではありません!

正解は、

「つつもたせ」でした!

「美人局」の意味は二つあり、ひとつは「偽物をつかませて詐欺をすること」、もうひとつは「女が情夫などと共謀して他の男と姦通し、その男から金銭などゆすりとること」。

今は後者の意味で使われることが多く、ニュースの見出しなどでも「美人局の手口で脅迫」などと載っています。

では、なぜ「美人局」を「つつもたせ」と読むのでしょう?

百科事典によると、もともと「筒もたせ」と書き、博奕(ばくち)用語だったものが転用された可能性がある、とのこと。「美人局」の文字は、中国の書物に出ていたものを当てたそうです。

つい「びじんきょく」と読みたくなってしまう漢字ですが、正しい読み方「つつもたせ」を覚えておきましょう!

「防人」の読み方は…?

正解は、

「さきもり」でした!

日本史や古文などが好きなかたなら、サッと読める漢字だったと思います。

「防人」の意味は、辺境の地を守る兵士のこと。もとは、中国唐時代の辺境警備兵を指した言葉で、「ぼうじん」という音読みもあります。日本では奈良・平安時代、北九州の海の崎々を守った兵士を指したことから、「崎守(さきもり)」と読むようになったそうです。

「防人」でよく知られているのは、万葉集にある「防人の歌」。防人やその家族がつくった歌のことで、家族との別れや生活の辛さなどを詠んだものが多く残されています。

ちなみに、「防人」の読み方は、「さきもり、ぼうじん」のほか、「せきもり、さきむり」などでも間違いではありません。

「仙人掌」の読み方は…

正解は、

「サボテン、せんにんしょう」でした!

「仙人掌」は、みなさんが知っているサボテン科の植物のこと。最近は室内でインテリアとして手軽に楽しめるミニサボテンも人気で、身近な植物のひとつです。

サボテンを漢字で書くことはほとんどないと思いますが、漢字の「仙人掌」は漢名、つまり中国での名称です。ほかに、サボテンの異名として「覇王樹」もあります。

ちなみに、「サボテン」の語源は、ポルトガル語の sabão(石鹸)と日本語の「手」を組み合わせたもの、など諸説あり、「シャボテン」と呼ばれることもあります。

以上、意外な読み方をする漢字3選でした。次回もお楽しみに!

参考資料:
『広辞苑』(岩波書店)
『日本国語大辞典』(小学館)
『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)

文・田代わこ

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