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買取は当たり前!でも世知辛い…?子どもが商品を触って売れない状態に。ママの本音を聞いてみると…

  • 2024.3.16

子どもと一緒に買い物に行くと、子どもはお店の商品に興味津々。手を出して崩してしまったり、壊してしまったりした経験がある人も少なくないのではないでしょうか。元SDN48のメンバーで2児のママである光上せあらさんも、子どもと一緒にカフェに行ったときの話をブログにアップしていました。

会計をするわずかな隙にお子さんが売り物のサンドイッチを触り、形が崩れてしまったそう。せあらさんは店員さんからの指摘で気付き、謝罪して買い取ったと書かれていました。

この一件には「親として当たり前」という指摘はもちろん、「子育てママに世知辛すぎない?」というせあらさんの問いかけへの同意など、数多くの意見が集まっていました。

世知辛い?

大前提として親は子どもに「お店の物には触らない」と、しっかり教え込まねばなりません。また、子どもがやってしまったことの責任は親が取るものです。

それでも、目にうつるすべての物に興味を持つ子どもは、ついお店の商品に手を出してしまうでしょう。「注意ばかりで疲れてしまうので、出かけることを諦めてしまう」と言う声さえ目にします。

ベビーカレンダーの投票機能を使って読者の意見を聞いてみたところ、ほとんどの人が「買い取って当然」と思っているようでした。しかし、そんな中でも「世知辛い」とモヤモヤを抱える人が一定数いることがわかります。

このモヤモヤした気持ちには、常に子どもに目を見張ることの難しさや行動を制限されることへの悲しさなど、さまざまな感情があると予想できます。

このモヤモヤを、少しでも軽くできないものでしょうか。育児の専門家である大阪教育大学教育学部教授・小崎恭弘先生に聞いてみました。

親としてすべきこと

ーー子どもがお店の商品を壊してしまって買い取りになる……。このようなケースに、親はどのように向き合うべきでしょうか?

小崎先生「子育てをしている人なら、一度ぐらいは経験したことがあるのではないでしょうか? 私も、当時2歳だった次男が家具売り場にあるアヒルのオブジェを落とし、首が取れてしまったという経験があります。

息子も驚いたようで泣き出してしまいました。お店の方が出て来られたので、謝罪をしてお金を支払おうとしたのですが、結局お店の方にお金を受け取ってもらえず、息子ともども謝罪をして、その場を立ち去ったのを思い出します。

それ以降も何だか申し訳なくて、何度もそのお店で買い物をするようになりました。そのたびに次男は『アヒルを壊したところやな! 』と言っていました。


わざとでなくても子どもがお店や他のお客様に迷惑をかけたことは、やはり親の責任であると思います。何より、子どもは大人の思い通りに動く生き物ではない、ということを十分に理解し、子どもが起こしうる危険やリスクに対して、親は意識や配慮などのリスクヘッジをおこないましょう」

親ができるリスクヘッジとは?

ーー具体的にどのようなことをすれば良いのですか?


小崎先生「まずは、そのような危険やリスクを避ける行動や環境を意識しましょう。つまり、危険を親が避けるということです。壊れやすい物があるお店に近寄らない。あるいは壊れやすい物がある場所では、手を繋いだり抱っこしたりします。

その上で、何かあったときのために、普段から備えておくことも一案です。例えば、子どもが物を壊してしまったときに使用できる対物保険に加入する、特約をつけるなどしておくと、金銭的なダメージは緩和されるのではないでしょうか。


ときには、高価な物を壊してしまい、お店や社会にとって大きな損害につながることもあるのです」

「触っちゃだめ!」どうやって教える?

ーー子どもに「やってはいけないこと」を教えるには、どうすれば良いでしょう?

小崎先生「少しずつで良いので、子どもに伝えておく必要があります。


『触ってはいけない物がある』
『大切に扱わないと壊れてしまうこともある』
『時には他の人に迷惑をかけてしまう』
『相手や自分が悲しい気持ちになる』

もちろん、子どもの年齢や性格、状況により、教える方法は千差万別で良いと思います。

何もしない・教えない、諦めるなど、子どもだけを守って、社会に対して迷惑をかけることをヨシとする姿勢を持つことは大きな間違いです。また、それらを教えられないことは、子どもにとって不幸なことだと考えます。

子育てにおける最大のリスク要因は「子ども」そのものです。子どもは突然親が予想できないような行動をとります。物を壊す、花をちぎる、物を落とす、投げつける、飛び出す、落ちる、叩く……。大人からすると、本当に気が抜けない状況が続くでしょう。

しかしそれが子どもの特性であり、だからこそ子育てや保育が存在し、大きな意味があるのです。子どもを育てるということは、予想外の言動を取る子どもという生き物を守りながら、しっかりと成長させる営みなのです」

子どもを一緒に育てていける世の中に…

何もわからない子どもに教えるということは、子育ての中でも非常に難易度が高いと言えます。教えても教えても、繰り返してしまうということもあるでしょう。

まず、親ができることは根気よく向き合うこと。繰り返し教えること。

その上で、子育てをしている親同士はもちろん、社会全体が共に子どもを見守り、危険があったときには声をかけあうことができれば、子どもを一緒に育てていける世の中が実現するのではないでしょうか。


監修者:保育士 大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授、大阪教育大学附属天王寺小学校校長 小崎恭弘

ベビーカレンダー編集部

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