1. トップ
  2. 恋愛
  3. 小さな子の世話をすることは学びがたくさん!社会性を育む「お手伝い」のススメ

小さな子の世話をすることは学びがたくさん!社会性を育む「お手伝い」のススメ

  • 2024.3.14
出典:ぎゅってWeb

異年齢・縦割り保育のモンテッソーリ園では、日常的に年長児が年少の子の世話をしています。相手を思いやったり頼られたりする経験を通して、自信がついて精神的に成長していきます。小さな子への「お手伝い」、家庭でも試してみてはいかがでしょうか。

異年齢の環境での「お手伝い」

「○○ちゃんに名札バッジをつけてあげてね」「今日の日付を教えてあげてね」「くつを履くのを手伝ってあげて」「ティッシュペーパーの置いてある場所を教えてあげてね」。異年齢(2〜6歳)の子どもたちが一緒に過ごすモンテッソーリの現場では、年長児が年少の子の世話をする場面がよく見られます。

小さな頃にお兄さん・お姉さんに優しくしてもらった子は、自分が世話をしてあげる番になったことを喜び、特に頼まれなくても小さい子に近寄っていきます。「教えてあげようか?」「困ったら僕に聞いてね」と頼もしいことこのうえありません。

年長の男の子の場合、同じ年齢の子には少し乱暴な物言いをすることもありますが、相手が2歳の子なら、俄然物腰が柔らかくなります。自分が今使っているボールを小さな子に「先に使っていいよ」と譲ってあげたり、ちょっと姿勢を低くして目線を合わせて話す様子を見ると、「ああ、成長しているな…」と実感します。

でも、はじめから上手に世話ができるわけではありません。手伝うつもりが、小さな子ができることまで全部かわりにやってしまったり、うまく伝えられなかったりといった失敗もあります。

しかし回数を重ねるにつれて、だんだんとコツを覚えて教え上手になっていきます。「ありがとう!」とお礼を言われたり、「またお願いね」と頼りにされたりすることが自信になって、精神的にぐん!と成長します。時には自分のすべきことをそっちのけで世話に夢中になってしまうこともありますが…それも微笑ましい成長の一過程かもしれませんね。

教えることで、学べることがたくさん

「人に教えてばかりで、自分のことができなくなりませんか?」と保護者に質問されることもあります。たしかに人の世話をしていれば、自分の時間が減ってしまいます。

しかし、教えることは、ひとりとは別の角度の学びがあると思います。教えようとすれば、自分が案外ものごとをしっかり理解していなかったことを知ることもあるでしょうし、相手の理解度を推し測ってどう伝えるべきかを考える機会にもなります。兄弟・姉妹のいる子もいない子も、小さな子の世話をすることは社会性を育むきっかけになるのです。

兄弟・姉妹のいる家庭でも応用できる

兄弟・姉妹のいる家庭なら、家で同じことをやってみるのはいかがでしょう。ひとりっ子の時期は親の注目を一身に受けますが、下の子が生まれれば必然的に親の手が足りなくなります。そんな時はぜひ、早いうちから上の子に手伝ってもらってください。

3歳の子に手伝えることは、せいぜいおむつを持ってくることくらいかもしれませんが、それでもかまいません。下の子に集中しがちな時期、上の子の感じる疎外感を軽減でき、親子の一体感が生まれます。また、お手伝いが習慣化すれば少しずつできることが増えていくので、下の子が2歳になる頃には結構な戦力になってくれるでしょう。

「上の子の時はしっかり手をかけてあげられたんですけど、下の子は手薄になってしまって…」と申し訳なさそうに話す保護者もいますが、そんなに気にしなくてよいのです。

そもそも下の子は最初から両親の他に上の子がいる環境で育っているのですから、無理に上の子と同じ対応をする必要もないでしょう。それよりも上の子としっかり関わって、上の子が下の子を大事にできるように気を配った方がよいかもしれません。下の子は上の子がやっていることを見て学ぶことも多いと思います。

「お手伝い」をお願いするときの3つのポイント

子どもの年齢によってできることは変わってきます。例えば、4〜5歳の子が2〜3歳の子のお手伝いをするのなら、ゴミ箱やティッシュなどのモノの置き場所を教える、絵本を棚に戻すのを手伝う、くつや上着の脱ぎ履きを手伝う…など、小さなお手伝いから始めるとよいです。

年齢の近い兄弟はケンカも多くなりますが、早いうちから世話をよくする習慣のあるお兄さん・お姉さんは、年下の子の扱いが上手になります。小さな子もまた、そんなお兄さん・お姉さんを頼もしく思うはずです。

子どもに「お手伝い」をお願いするとき、親が気をつけたい3つのポイントがあります。

1.しっかりコミニュケーションをとる

日頃から信頼関係をしっかり築いておくことが大切です。「私の話を全然聞いてくれない!」「私ばっかりガマンしている」と感じている子は、人に優しくできません。

何かをお願いする時には、「〜の場所を教えてあげてね」「お片付けをするのを手伝ってあげてね」のように、具体的にやり方を伝えてください。

兄弟・姉妹の場合、下の子にも手がかかる時期ですが、たまには上の子を優先してじっくり接する時間を設けましょう。たとえ1時間程度の短い時間でも、大好きなママやパパを独占できれば、その後の何日かは機嫌よく過ごせます。

2.小さな子ができない部分だけを手伝ってもらう

子どもの育ちによって手伝いが必要な部分は変わってくると思いますが、代わりに全部をやってしまうのではなく、「○○のところだけお願いね」と部分的に手伝うように促します。様子を見ながら「あとは○○ちゃんがひとりでできそうかな?見ててあげてね」と声がけします。

3.「ありがとう」の言葉がけを忘れずに

手伝いをしてもらったら(上手でなかったとしても)、「ありがとう」「助かるよ」「かっこいいね!」と感謝の気持ちを伝えましょう。少し大袈裟なくらいでかまいません。子どもも頼りにされることが嬉しいと感じるはずです。

子どもは自分に役割があることが大好き。誰かの役に立つことがとても嬉しいのです。ぜひ日々の小さなお願いごとを、親子のコミニュケーションにしてみてください。

<ライター/堀田はるな>

モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。

元記事で読む
の記事をもっとみる