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ビジネス用語「コアコンピタンス」とはどんな意味の言葉?「ケイパビリティ」との違いは?

  • 2024.3.13

ビジネス用語の1つ、それが「コアコンピタンス」です。 ただ、この言葉は見慣れない方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は「コアコンピタンス」の意味についてまとめます。

「コアコンピタンス」とは

まずは「コアコンピタンス」の意味を見ていきましょう。

「コアコンピタンス」の意味

「コアコンピタンス」は企業や会社の中核となるビジネス上の強みのことを意味します。

これは他者と比較して優れている自社の能力のことを言います。 もっと噛み砕いて言うなら自身の組織が持つ独自の強みを表す言葉です。

この言葉は英単語「core competence」からそのまま来ているビジネス用語となります。

1990年に提唱された「コアコンピタンス」

もともとの「コアコンピタンス」は1990年に提唱された言葉となっています。

提唱したのは経営学者のゲイリー・ハメル氏と元米ミシガン大学ロス経営大学院教授のC・K・プラハラード氏です。 具体的には彼らの著書「コアコンピタンス経営」で提唱された概念となります。

この概念における「コアコンピタンス」は自社が得意としている能力ではなく「ビジネスをする上で競合他社が真似できない核となる圧倒的な能力」と位置づけています。

つまり、凡庸な能力ではなく非凡な能力のことを指すわけです。

競争の激しいビジネスシーンでは特筆した能力が必要です。 むしろ「コアコンピタンス」のない組織は負けます。 つまり「コアコンピタンス」とは他社との競争で勝ち残るために必須な能力と言えるでしょう。

「コアコンピタンス」を見つけるのに必要な視点

では「コアコンピタンス」はどのように見つけるのでしょうか。 ここでは「コアコンピタンス」を見つけるのに必要な視点についてまとめます。

模倣可能性(Imitability)

「模倣可能性」とは他社が真似できる可能性を意味します。

どれほど市場価値のある商品やサービスを提供しても、競合他社に簡単にまねされてしまっては市場での優位性を保てません。

模倣されることはそのままリスクとなります。 それを防ぐためには「模倣可能性」という視点が重要です。

移動可能性(Transferability)

「移動可能性」とは特定の商品やサービスだけでなく他の分野の製品などにも応用できる可能性を意味します。

他の分野にも通用する能力があればビジネスの拡大を狙えます。 それだけでなく他社にとっても脅威となるでしょう。 そのために必要なのが「移動可能性」という視点です。

代替可能性(Substitutability)

「代替可能性」とは他の商品やサービスに置き換えられる可能性を意味します。

他の製品で簡単に代用できてしまうような商品・サービスであればそもそも強みとは言えません。 他社を出し抜く能力というのは常に唯一無二の能力でなくてはならないわけです。

だからこそ「代替可能性」という視点も忘れてはなりません。

希少性(Scarcity)

「希少性」とは市場にあまり出回っていない能力のことです。

誰も見たことのない能力を持てば市場をリードできます。 逆にありふれているものはすぐに飽きられてしまうでしょう。

だからこそ、珍しさという視点も必要となってきます。

耐久性(Durability)

「耐久性」とはロングスパンで優位に立てる能力のことです。

ショートスパンで消えてしまうような能力は意味がありません。 確かにブームに乗って短期間だけでも流行ればそれは一種の能力と言えるかもしれません。 ただ、長期間市場で生き残れるかというのも一種の能力が重要となってきます。

だからこそ、今後も耐えられるかという視点が必要となります。

「ケイパビリティ」との違い

「コアコンピタンス」と「ケイパビリティ」は似た言葉です。 ただ、そのニュアンスや意味合いは微妙に変わってきます。 ここからは両者の違いについて見ていきましょう。

「ケイパビリティ」とは

「コアコンピタンス」とよく似た言葉に「ケイパビリティ」があります。

「ケイパビリティ」とは他社と比較して優れている組織的な能力のことを言います。 一見すると両者は似通った意味を持つビジネス用語に思えてくるかもしれません。

ただ、組織的な強みに焦点を当てているかどうかで変わります。 「コアコンピタンス」はバリューチェーン上における特定の能力を言います。 対して「ケイパビリティ」はバリューチェーン全体に及ぶ組織の能力を言うのです。

つまり、特定の能力を指すか組織の能力を指すかという違いがあるということになります。

ちなみに「ケイパビリティ」はボストン・コンサルティング・グループの3氏(ジョージ・ストークス、フィリップ・エバンス、ローレンス E.シュルマン)が発表した論文「Competing on Capabilities: The New Rules of Corporate Strategy」にて定義された言葉です。

この論文によると「ケイパビリティ」はバリューチェーン全体のプロセスにおける組織の遂行能力を意味するとされています。 具体的には開発から製造、販売といった一連のプロセスにおいて組織を横断的に見た場合の強みとなる部分を言うのだとか。

そうした意味でも「コアコンピタンス」と「ケイパビリティ」は別物と言えるでしょう。

まとめ

「コアコンピタンス」はビジネスシーンで見聞きする言葉です。 この言葉は自社にしかない圧倒的な強みを意味します。

これは他社も持っているような能力などは意味しません。 あくまでも自分だけが持つ能力を言うビジネス用語です。

よく似た言葉には「ケイパビリティ」がありますが、これは組織全体としての力を意味します。 その違いも併せて覚えておきましょう。

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