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スヌーズ大好き人間が2週間、毎日同じ時間に起きてみた

  • 2024.3.13
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ジャーナリストのガブリエル・カッセルは自称フィットな健康オタク。でも彼女の睡眠ルーティンはバラバラで、決してヘルシーなものとは言えない。そんな彼女が2週間、毎朝同じ時間に起きてみようとした結果をアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

私は健康なライフスタイルを送るのにかなりストイックな方。でも、私の睡眠習慣はグウィネス・パルトロウやジェニファー・アニストンのそれとかけ離れすぎている。

その証拠に私の睡眠スケジュールを紹介しよう。平日は夜11時30分から12時15分の間に寝て、火・木は早朝にヒップホップヨガのクラスがあるので朝6時30分に起きる。月・水・金は朝8時半まで延々とスヌーズ。週末は余裕で12時間くらい寝る。

起きたら起きたで冷蔵庫まで這っていき、メイソンジャーにアイスコーヒーをたっぷり注ぎ、パソコンを持ってベッドに戻り、2~3時間仕事をしてからようやく正式にベッドを出て顔を洗い、朝食を作る。

この朝のルーティンを改善しようとしたことはあるけれど、スヌーズボタンを押すのは私の趣味みたいなものなので、成功した試しがない。

だから「2週間、毎朝同じ時間に起きてみなさい」と編集長に言われたときは、朝のルーティンを見直して、スヌーズボタンに別れを告げる絶好のチャンスだと思った。

基本的なルール

幸か不幸か、私には早起きをしなければならない理由(子育て、早朝出勤、猫やパートナーなど)が1つもない。でも、睡眠習慣の改善に弾みをつけたかった私は、まず睡眠のスペシャリストに相談を持ちかけた。

米マーサ・ジェファーソン病院付属睡眠医学センターのメディカルディレクターで著書に『The Sleep Solution』を持つクリス・ウィンター医学博士によると、毎日起きる時間が同じで毎日ちゃんと睡眠が取れていれば、何時に起きるかは関係ないそうなので、私は朝7時20分を起床時間に設定した。これなら平日の朝に少しだけゆとりができるし、火・木は(いつもより1時間遅い)朝8時スタートのヴィンヤサヨガのクラスに行ける。

また、目覚めを良くしてスヌーズボタンと決別するコツをウィンター博士に聞いたところ、毎日同じ時間にベッドに入り、朝は瞑想と運動をするといいとのことだったので、私は自分なりにいくつかのルールを決めた。

まず、夜更かしをしないこと。当たり前かもしれないけれど、決まった時間に起きたいのなら決まった時間に寝なきゃダメ。私は1日7~8時間寝たいので、夜11時半から12時を就寝時間に設定した。

私には目覚ましを止めてすぐベッドから出るためのルーティンも必要だろうということで、ウィンター博士が作ってくれた新しいルーティンには、朝起きてから1時間以内のウォーキングが含まれていた(逆にベッドの中で記事を書き、インスタを見てメールを返し、電話に出る日々とはオサラバ)。早朝に汗を流すと、その日1日をバランスよく、アクティブに過ごせることは科学的にも証明されている。

例えば、スポーツ医学専門誌『Medicine and Science in Sports and Exercise』に掲載された論文によると、朝のエクササイズをしたあとは、食べ物の写真に対する女性の脳の反応が弱まった(あまり食欲をそそられなかった)だけでなく、その日1日の活動量も増加した。いまでも私は1日に2~3時間の運動をしているけれど、朝から体を動かすのは本当に悪くない。

スケジュールが決まったところで、私はチャレンジ本番に乗り出した。

1日目:アラームを4つセット

初日はアラームを複数セット。朝6時50分に最初のアラームが鳴ったけれど、起床時間まであと30分あることが分かっていたので、しっかり二度寝......。それを何度か繰り返し、7時20分のアラームでベッドから出て、ヨガ用の服に着替えた。ダラダラしていると、8時のヴィンヤサヨガに間に合わない。

この日最初のワークアウトを終えて、シャワーを浴びて、朝食用のブリトーを作っても、9時半にはアパートとヨガスタジオの中間にあるカフェで仕事の準備万端だった。健康オタクとしては10点中8点といったところか。

午後のスランプに陥ることも、夜7時のワークアウト(私のワークアウトは1日2回)で力尽きることもなかったのは大きなボーナス。明日もこの調子で行けるだろうという自信があった。

2日目:ちょっとだけ寝坊した

この日はトイレに行きたくて7時20分ちょうどに飛び起きた。でも、トイレとベッドの往復で足が冷えたことを言い訳に、私は暖かいブランケットで再び身を包んでしまう。30分後、“おバカすぎて寝過ごしてしまったとき”のためにセットしていたアラームが鳴った。ちょっとバタバタしたけれど、速攻でシャワーを浴びて、スプーン1杯のピーナッツバターで朝食を済ませたら、いつものカフェに昨日より早い8時半に着いてしまった。

夕方4時には力が尽きてきたけれど、抹茶を飲んで2時間のウエイトリフティングのセッションを乗り切った。寝坊で朝からバタバタしたのは迂闊だったけれど、午後のワークアウトを頑張ったので10点中7点はあげられる。でも、疲れすぎて夜10時半に寝てしまったのは予想外。

3日目:時間にかなり余裕があった

9時間も寝たあとは起きるのもラク。アラームが鳴った瞬間に飛び起きたから、ヨガをする前にフォームローラーをするだけのゆとりがあった。この日は1日中エネルギッシュで、コーヒーを1杯しか飲んでいないのにクロスフィットも余裕でこなせた。すっかり朝型人間の気分。

4日目:出勤した

この日は朝8時半から全社会議があったので、いつもなら起きる時間に家を出なければならなかった。6時45分に起きて、7時20分にはシャワーと朝食だけでなくベッドメイキングまで終わらせた。このチャレンジの目標は毎日同じ時間に起きることであり、朝型人間になることではないので、ちょっと騙されたような気分だけれど、出勤日だから仕方ない。

ただ、10時間も働けばゾンビ状態になるのは必至。ジムでは夢遊病者のようにふらふらしていたけれど、家に帰ってカモミールティーを飲みながらラブコメを観ていたらまた元気が出てきて、クロスフィットの友達と夜ご飯を食べに行った。でも、帰宅したのは11時45分。0時までにベッドには入ったけれど、その後30分は心身が興奮していて眠れなかった。

5日目:朝も夜も時間通りだった

金曜日は大体いつも遅くまで寝ているけれど、今日は違う。午前中に締め切りがあったので、寝坊でもしようものなら大ピンチ。幸い、この日は時間通りに起きられて締め切りに間に合った。

グラグラでアスリートらしくない5分間のヨガを終え、いつものカフェで仕事にかかる。今日はタンパク質たっぷりの朝食を作ることも買うこともしなかったので、午後1時には空腹のあまりイライラ。もちろん、この原因は早起きではなく朝食を抜いたことにあるし、昼食が遅かったぶん午後のワークアウトで頑張れたからよしとしよう。この日は入眠に数分しかかからず、夜11時半には夢の中だった。

6日目:大失敗をした

7時20分のアラームで起きたのに二度寝して、クロスフィットにギリギリ間に合う10時までスヌーズボタンを押し続けてしまった私。ゆっくり休めたのはいいけれど、タクシーで行かないと間に合わない。

このチャレンジを始めて最初の土曜日は完全に大失敗。3時間近く寝坊したうえにタクシーで20ポンドも使ってしまった。

7日目:週末を取り返した

土曜日の夜、寝る前に目覚まし時計を部屋の向こう側に移したので、これからはベッドを出ないとアラームが止められない。

日曜日の朝、7時20分のアラームを止めた私は否応なく起きていた。このシンプルな戦略の有効性には大満足。アイスコーヒーを飲みながらパソコンを開き、7時半には仕事メールの返信を開始した。

クロスフィットが始まる11時までの3時間で10本以上のメールを返し、記事のドラフトも書き上げた。失敗で始まった週末を取り返した気分。

1週目を終えて

1週目はあっけなかった。月・水・金でメールの返信に充てられる時間が1時間ほど増えたのはうれしいけれど、火・木のヨガの時間を変える必要があったのは少し痛い(やっぱりいつものインストラクターがいい)。土曜日は朝10時まで寝てしまったので、週末に12時間寝る癖も抜けずじまい。

ウィンター博士に電話して、ヨガ教室という楽しみがある日は起きるのが楽と言ったら、ヨガ教室がない日に自宅でできるヨガのフローを見つけるといいと言われた。

ウィンター博士はブラインドを開けたまま寝ることも勧めてくれた。人によっては自然光で目が覚めやすくなることもあるらしい。「このチャレンジの目標は、新しいルーティンに体を少しでも慣れさせること。1日寝坊したからといってチャレンジが失敗に終わるわけでも、ほぼ毎日同じ時間に起きる意味がなくなるわけでもありませんよ」

このアドバイスに従って、2週目こそ目標に近づきたい。

8日目:太陽の光で目が覚めた

ウィンター博士のアドバイスに従って自然光を取り込むために、前日の夜はブラインドを半分だけ閉めて寝た。私のアパートは2階なので、歩道から見ようと思えば中が見える。だから完全に開け放つのは気が引けるけれど、半分だけならまあOK。

結果、ウィンター博士は正しかった。朝7時15分、太陽の光が差し込むとごく自然に目が覚めた。

9日目:アプリを使ってみた

この辺で『Sleep Cycle』という睡眠アプリを使ってみることにした。このアプリはユーザーの睡眠パターンを把握して、あらかじめ設定した時間の30分以内でもっとも眠りが浅くなったときに起こしてくれるという優れモノ。私のかかりつけの理学療法士で、フィットネスアプリ『Movement Vault』のクリエイターかつ認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストのグレイソン・ウィッカムが「自分のもとへ来るアスリート全員にこのアプリを勧めている」と言うので、私も試してみることにした。

アプリで起きるのは間違いなく楽だった。でも、本当に起きなければならない時間の10分前に起こされたのはやや不満。緊急性の高いメールが来ていたからよかったけれど、そうでなければ「あと10分」の誘惑に負けていたかも。

10~12日目:風邪をひいた

10日目は朝10時半まで寝ていた。決して2時間半の大寝坊をしたわけじゃない。7時20分に起きた時点で熱があり、気分も最悪だったので、ベーグルのサンドイッチとコーヒーのデリバリーを頼み、そのあとの6時間はパジャマを着たままベッドの中で原稿を書いていた。

夕方5時頃、その日のTo-Doリストを終えてから熱いシャワーで鼻詰まりを解消させると、かなり気分がよくなったのでジムへ行き、エアロバイクで嫌な気分を汗と一緒に吹き飛ばし、帰宅後はチキンスープを飲んでちょうど9時頃ベッドに入り、11時にはぐっすり寝ていた。

11日目と12日目も朝7時20分に起きたけれど体調が悪かった。でも、仕事があるのでベッドから出てストレッチをしてみたものの、ランチタイムを前にしてエネルギーが底をつき、両日とも2時間の仮眠を取らざるを得なかった。罪悪感を覚えたけれど、ウィンター博士の話では、それで睡眠のスケジュールが崩れないなら仮眠を取るのはむしろいいこと。しかも、私の体は感染症と闘っている。

13~14日目:ギブアップしたかったけれど、しなかった

最後の2日は土日だったこともあり、本音を言うとチャレンジ期間を早々に切り上げて、昼過ぎまで寝ていたかった。

この2週間はクロスフィットのトレーニングが特につらく、夜11時半までにベッドに入り、1日8時間寝ていても寝足りない感じがしていた。

ウィンター博士によると、運動量の多い人は普通の人よりも睡眠時間が長くなりがち。私は決してクロスフィットの大会に出るようなアスリートではないけれど、ワークアウトを1日2時間しているので、睡眠時間をもう少し増やしてもいいみたい。

今後に向けて

毎朝7時20分に起きたところで私の人生が一変することはなかったし、実際かなりつらい日もあったけれど、早朝から仕事をするのは本当に楽しかったし、仕事がはかどる感じがした。

もう一度トライするなら、就寝時間を少し早めて10時半にすると思う。いや、むしろチャレンジは抜きにしてそうするつもり。これからも決められた睡眠スケジュールをある程度キープして、スヌーズボタンを押す癖は絶対断つと心に誓う。

週末も早く起きるという約束だけは相変わらずできないけれど......。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Gabrielle Kassel Translation: Ai Igamoto

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