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【リンネル男子インタビュー】「ここなりのよさを生かして作りたいものを作る」秋田県五城目町の革製品店「すずなり」店主・小松田靖之さん

  • 2024.3.13

好きなことにはとことんアツい!本誌で人気のご長寿連載「リンネル男子会」から注目の記事をピックアップしてご紹介! 今回の舞台は廃校を活用したシェアオフィスができたり、もの作りをする若い世代の作家さんが多く集まっている秋田県五城目町。そんな注目の街で、革製品のお店「すずなり」を営む店主・小松田靖之さんにお仕事への思いや、好きなもの・ことを伺いました。

「すずなり」店主・小松田靖之さん インタビュー

“作りたいものを作れる人になりたい”

「都会の人たちの見てる景色と、僕らの見てる景色は違うから」じっと長く考えたあと、そうキッパリ言い切ってくれたのは「すずなり」の小松田靖之さん。秋田県の五城目町で、ご夫婦ふたり+猫一匹とともに、さも楽しそうに革もの作りを営んでいます。

「心がけていることは?」と尋ねたところ「愛嬌ですね」と、それこそ愛嬌まんまんの笑顔で即答。しかしその用意された言葉の奥までたぐっていくと、さまざまな思いが隠されているようでした。「もっとモダンに作ることもできる、だけどやっぱり都会のほうがレベルが高いんですよ。お金も集まってますし、いいデザイナーの方もたくさんいらっしゃるから。でもね、負けたくないじゃないですか。田舎だからできないと、言い訳もしたくない。ただここにはここなりのよさがあるわけだから、生かしてものを作りたい。土ばかりだから土臭いものしかできないけど、そこを究めていくと、また新しい別の何かが生まれると思ってるんで」

「今ここ」に暮らす自分たちだからこそできる、誇れるもの作り。この思いに至ったひとつのきっかけは、地域の子どもたちから「五城目らしいもの作りとは」そんな、素朴な質問をされたことでした。

「五城目町は教育がすごく進んでいて。彼らと話せばわかるんですけど、愛嬌があって、めちゃめちゃ天真爛漫なんですよ。あと大人とも対等に接してくる。そんな彼らをみて、僕も都会と比べたり、憧れるんじゃなくて、もっと直感的に、自分の作りたいものを作れる人になりたいと思ったんです」

小学生の頃から絵を描くことや、手を動かすことが好きだったという小松田さん。それが今も変わらず生業にできることに、喜びとやりがいを感じています。「手を動かしているときは、無心になって、ストレスなく、リラックスして」

白シャツにデニム、皮ひもを通した首もとのギャザーがかわいいエプロンに、革製の似顔絵ブローチ、そして満面の笑み! すべてがお似合いな「すずなり」の小松田靖之さん。

小松田靖之さんが好きなもの

#01 革製品

「ここまで柔らかくて、丈夫な素材ってあんまりなくて」と革の魅力を語る小松田さん。染料を使うことで、質感は残しながら防水性にも配慮。また丸っこいフォルムや土っぽい色合いなども、らしさです。写真は私物のL字ファスナー財布とオコシショルダーバッグ S。

#02 100円ショップのカッター

100円ショップで購入したカッターが一番のお気に入り。「実はもっと高いのもいっぱいあるんですが、結局これがめちゃくちゃ使いやすくて、ずっと使ってます。やっぱり道具は、使うほどなじんでくるんですよね」

#03 NAOTのシューズ

足もとはイスラエルの靴ブランド「NAOT」を愛用。「近くのお店『エムズコレクタブルズ』さんで買ってから3年ほどたちますが、はきやすいしかわいいし、自分のかたちになってくれる。それこそ愛嬌があるんです」

#04 ミルクグラスのマグカップ

「奥さんに買ってもらいました!」そう、うれしそうに教えてくれた、ミルクグラスのマグカップ。「昔よくドライブして夜景を見にいってたので、その景色と重なるデザインが好きです」と、おしどり夫婦ぶりをさりげなくアピール。

INFORMATION すずなり

秋田県の中央にある五城目町は、全国的にもちょっと知られた存在。廃校を活用したシェアオフィスができたり、もの作りをする若い世代の作家さんが多く集まったりするのも特徴。お店は靴屋さんだったところをセルフリノベーション。

住所:秋田県南秋田郡五城目町上町52
営業日時:金・土・日曜10:00〜17:00
定休日:月〜木曜

photograph & text:BOOKLUCK web edit:Riho Abe
リンネル2024年3月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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