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「ちょっと気になる金 (きん) 投資【前編】」お金の教科書Vol.39 #増やす

  • 2024.3.11

毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「ちょっと気になる金(きん)投資【前編】」です。

ちょっと気になる金(きん)投資【前編】

高山一恵さん ファイナンシャルプランナー。Money&You取締役。Webメディア「FP Cafe」「Mocha」の運営ほか、多くの働く女性のマネーのお悩みを解決、サポート。頼藤太希さんとの共著に『はじめての資産運用』(宝島社)がある。

貯蓄未知子(ちょちく・みちこ/34歳・会社員) 都内の賃貸で一人暮らし中。毎月の貯蓄は財形2万円+口座に残った分のみ。奨学金は完済。昨冬のボーナスが想像以上に少なく、今年は投資で増やしたいと目論んでいるところ。

価値がゼロにならない“守りの資産”が金。

未知子:先日、両親がバブルの時に買った金のネックレスを売りに行ったんです。そうしたら、買い取り価格が20万円以上もして、びっくり! でもそれをきっかけに、金投資に対する興味がむくむくと湧いてきて(笑)。今日は金投資について、教えてください!

高山:昨年9月に初めて金の買い取り価格が1g1万円を超え、メディアでも盛んに金高騰のニュースが報じられていましたが、未知子さんは身をもって体験したと。

未知子:はい! 不動産やFX、仮想通貨など、いろんな投資があると勉強してきましたが、どれも掴みどころがないのが、どうも不安で…。でも金なら実体を感じられるな、と思ったんです。

高山:金投資が人気の理由は、まさにそこ。株や債券は万が一、会社が潰れてしまったら、全てが水の泡になってしまう可能性がある。現金もインフレ時には価値が目減りするリスクがある。でも金は世界共通の資産であり、“現物資産”といって、手元に物が必ず残る。つまり、価値がゼロになることはない。だから、根強い人気があるんです。

未知子:なるほど。株価のように日々、乱高下することもなく価格は安定している?

高山:そんなこともないんです。上下する時はしますし。ただ、ここ最近は「大きく下がることなく来ている」のは事実です。

未知子:どうして?

世界情勢が不安定なほど安心を求める人が購入!

高山:コロナ禍、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、イスラエルとハマスの衝突、そして世界的なインフレといった“有事”が続いているからだと思います。世界情勢が不安になればなるほど、“安全資産”を求める人が増えますから。

未知子:買いたい人が多いから、ずっと価格が上がっている。

高山:そうなんです。金は無限にあるわけではないですから。ちなみに2019年の金相場(1gあたりの価格相場)の平均は5244円でしたが、2023年の平均は9601円。日々多少の変動はあっても、この5年間高騰し続けているんです。

未知子:4年で約1.8倍! そうか~。今、持っている現金を丸ごと金に投資しようかな(ニヤリ)。

高山:未知子さん、それはお勧めしないです。分散投資のひとつの選択肢として考えましょう。金投資と一言で言っても、商品の種類もたくさんあるので、まずは基本を知っておきましょうね。

金投資の主な商品

・現物購入
今すぐ始められ、デパートでも購入可!

現物の金には金貨と金地金の2種類があり、金貨は貨幣としても使える。金地金は平らな形状をしたゴールドバーのこと。どちらも気軽に購入できる。自分の手元で所有したい人向き。

・純金積立
毎月、一定の金額や量をコツコツ購入。

毎月一定額(たとえば1万円)、もしくは一定量(たとえば1g)の金を自動的に購入する方法。後者は相場によって、毎月の購入金額が異なる。初心者は定額積立がおすすめ。

・金関連の投資信託
金を投資対象とした金融商品に投資する。

通常の投資信託の中でも、株式や債券以外、金を投資する対象とした商品を購入する方法もある。月100円から始められ、運用はプロに任せられるので初心者でも安心。

・金ETF
現物保有はナシ。証券会社で手続きする。

上場投資信託といい、株式のようにリアルタイムで取引するのが金ETF。金関連の投資信託が100円単位で利用できるのに対し、最低投資金額は約7000円と高いのが特徴。

次回は、2390号(3月19日発売)掲載予定です!

※『anan』2024年3月13日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝

(by anan編集部)

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