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【薬剤師が解説】寒い時期でも水虫になる?!水虫を招く環境と対策

  • 2024.3.10
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「まだまだ寒いのに水虫ができてる!」「水虫ってどうすれば防げるの?」周りへの感染を防ぐためにも、水虫には早期の対策がおすすめ。水虫の原因や対策を、薬剤師の山形ゆかりさんに教えてもらいました。

どうして水虫になってしまうの?

原因

水虫は、「白癬菌(はくせんきん)」が皮膚の角質層に寄生することで起こる皮膚の病気です。感染先の9割は足ですが、手やからだに感染することもあります。これは、白癬菌は高温多湿の環境で繁殖しやすいため、靴を履いて足が蒸れるからだといわれています。

症状

水虫は、感染する部位によって症状が異なります。

足の指の間にできる「趾間型(しかんがた)」は、皮膚が赤くジュクジュクになり、皮が剥けるでしょう。「小水疱型(しょうすいほうがた)」は、足の裏の土踏まずのあたりにでき、かゆみが強いのが特徴です。足の裏やかかとが乾燥し、角質が厚くなる水虫は「角質増殖型」と呼ばれます。

その他にも、爪全体が白っぽくなる「爪白癬(つめはくせん)」や、足の水虫と同じような症状が出る「手白癬(てはくせん)」、頭部にうろこ状の斑、斑状の脱毛ができる「頭部白癬(とうぶはくせん)」もあります。

水虫になりやすい環境って?

水虫になりやすい環境は、主に以下の2つです。

ジメジメとした環境

銭湯やプールのように湿度が高く、多くの人が素足で利用する施設は、白癬菌が足に付着しやすい環境です。利用した後は足をしっかり洗い流し、白癬菌を落としましょう。

白癬菌は付着しただけで感染しますが、付着後にすぐに水虫になるわけではありません。洗い流されずに残った白癬菌が傷ついた角質から入り込み、繁殖することで水虫になるので、清潔にしておけば水虫の発症を防げるでしょう。

毎日同じ靴を履いている

同じ靴を履くと白癬菌が繁殖しやすくなります。靴は数足持っておき、使うたびに履き替えていくのがおすすめです。靴や靴下は通気性のよい素材を選び、よく洗いましょう。

薬剤師がおすすめする水虫対策

水虫へのおすすめの対策を3つ紹介します。

家庭内や足を清潔に保つ

白癬菌が繁殖しないよう、家庭内や足を清潔に保ちましょう。

とくに、家族に水虫の方がいる場合は、浴室の足ふきマットや共用のスリッパなどから感染することが多いので、頻繁に洗ってください。

床や畳もこまめに掃除して、清潔にすることが大切です。毎日の入浴で足をしっかり洗うことも大切です。

指の間もせっけんで丁寧に洗ってくださいね。角質を傷つけると白癬菌が入り込みやすくなるので、軽石や角質とりの使用は控えるのがおすすめです。

医療機関の受診

爪白癬や頭部の水虫の場合、一般用医薬品では対処できないので皮膚科を受診しましょう。

また、抗真菌作用を持つ一般用医薬品を2週間ほど使っても患部の炎症がよくならない場合も、皮膚科の受診がおすすめです。

ただし、市販の水虫の薬を使用すると、病院での検査で白癬菌が見つかりづらくなってしまいます。念のため、受診の1週間ほど前には薬の使用を中止しましょう。

漢方薬の服用

漢方薬には、「水虫」に効果が認められているものもあり、服用によって水虫の症状を軽減できる可能性があります。

水虫対策には、「水分代謝をよくしてじゅくじゅくした水虫を改善する」「かゆみや炎症を抑える」といった働きのある漢方薬を選びましょう。

おすすめの漢方薬はこの2つ

・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう):水(すい)の代謝を整え、熱を取り去ることで、じゅくじゅくした化膿や発赤(はっせき)を改善します。

・消風散(しょうふうさん):熱を冷まして分泌物とかゆみを抑えます。

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*漢方薬は比較的安全だといわれていますが、きちんと合ったものでないと十分な効果を得られないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。どの漢方薬が適切か見極めるには、専門家のアドバイスに従いましょう。

山形ゆかり●薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。症状・体質に合った漢方をスマホで相談、症状緩和と根本改善を目指す。

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