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【漫画をドラマ化&映画化】容疑者の父VS警察の娘! ドラマから7年後を描く『映画 マイホームヒーロー』 3/8公開 【伊藤さとりの映画レビュー】

  • 2024.3.7
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映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は、3月8日(金)公開の『映画 マイホームヒーロー』。原作はヤングマガジンの同名漫画。2023年のドラマに続く映画は、殺人犯の父と、それを追う警察官の娘、半グレ集団が絡む完結編!!


容疑者の父、警察の娘、半グレ集団が絡み合う!

ドラマ未見でも大丈夫、シリーズモノ映画のように、回想シーンをさりげなく織り込む手法で、一作で理解出来るサスペンス映画に仕上がっている人気ドラマの7年後を描く『映画 マイホームヒーロー』。原作は反社会勢力から娘を守ろうと推理小説マニアの普通の父親が本からの知識で犯罪を犯し、半グレ集団に立ち向かっていく山川直輝さん・朝基まさしさんによる同名コミックで、今までになかった展開が大ヒットを生みました。 ドラマでは、娘可愛さから罪を犯す主人公・哲雄に佐々木蔵之介さん、その妻・歌仙に木村多江さんという現実味を増すカップリングが成功、実際に原作のキャラクターと照らし合わせると雰囲気から表情までベストキャスティングとしか言いようがないのです。

しかも原作もまだ未完の状態で映画化ということで、映像にしたことで原作にも良い効果をもたらそうと、原作の最終章をベースにオリジナルストーリーを生み出しています。よって映画の舞台はドラマの7年後となり、映画初登場のキャラクターが登場。まずは大人の俳優陣の中で「下町ロケット」の立川談春さんが哲雄に目を付ける刑事としてギラリと存在感を発揮。特に注目は、物語のラスボスとして姿を現す津田健次郎さん! これまで「呪術廻戦」「チェンソーマン」などの声優を務め、今や人気絶頂のベテラン声優ですが、今作では低音ボイスと共に、これでもかとクセのある演技を披露してくれます。思えば、津田健次郎さんは自身でも映画監督を務めていて、短編映画「GET SET GO」では、人間の闇と希望をサスペンスフルに見せる作品。そう考えるときっと大好きなジャンルの出演だったに違いないはず。

そんな大人の俳優陣による演技対決とシンクロするかのように、若手俳優陣の注目株も目が離せないほどの存在感を見せつけてくれます。今回もドラマから続投のなにわ男子の髙橋恭平さんの影を纏った登場を筆頭に、映画では令和社会の変化を若手の役割で象徴的に表現しています。まずは映画新キャストとなる宮世琉弥さんのキャラクターは、今まで年配の大人が若者に教える立場を逆転させ、『007』で武器開発とハッキングを特技とする若きQ(ベン・ウィショー)を彷彿させる頼れる相棒的存在。極め付けは、男性社会に新風を巻き起こす女性ヒーローのように齋藤飛鳥さん演じる哲雄の愛娘・零花が女性刑事に姿を変え、事件の捜査へと突き進みます。となれば、やがて事件を隠蔽しようと罪を犯す哲雄と対面するわけで…。

正義と言えども罪を犯すヒーローは、果たして本当にヒーローなのか?!まるで現代のSNS社会における行き過ぎた正義への審判にも感じてしまいます。そんな思いも湧き上がる『映画 マイホームヒーロー』は、罪なき我が子を守る為の犯罪だから主人公に共感するものの、それ、本当に正しい行動?と私たち観客に問いつつ、正義の在り方を今一度見つめ直すべく作られた、知識ばかりを手にした驕り高い現代人への警告なのかもしれません。
——伊藤さとり

☑3月8日(金)全国公開 『映画 マイホームヒーロー』

【あらすじ】娘の彼氏を殺してしまった鳥栖哲雄は、半グレ犯罪組織との熾烈な攻防を生き抜いた。
あれから7年。平穏な鳥栖家の日常が、音を立てて壊れ始める。山中に隠したはずの死体が、土砂崩れによって発見されてしまったのだ!警察官となった鳥栖家の長女・零花は、哲雄に疑惑の目を向け始める。 「7年前に彼氏を殺したのは、父かもしれない…」 一方、死体とともに消えた10億円の行方を探っていた半グレ犯罪組織のボス・志野は、再び哲雄に狙いを定めた。かつて哲雄の罠に落ち、すべての罪を着せられて逃亡生活をおくっていた恭一も再び姿を現す。父VS娘VS半グレ組織。最後の戦いが幕を開ける。父は家族を守る「英雄」か、それとも「犯罪者」か―。 2024/日本/118分
出演:佐々木蔵之介
齋藤飛鳥 高橋恭平(なにわ男子) 宮世琉弥 板倉俊之(インパルス)
大東駿介 淵上泰史 西垣匠 金子隼也/立川談春 神野三鈴
音尾琢真/津田健次郎 木村多江 主題歌: 「インソムニア」Eve(TOY’S FACTORY)
原作・漫画:山川直輝・朝基まさし『マイホームヒーロー』(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:青山貴洋
脚本:船橋勧
音楽:堤博明
制作プロダクション:TBS スパークル C&I エンタテインメント
配給:ワーナー・ブラザース映画 ©2024 映画「マイホームヒーロー」製作委員会

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