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美しさに思わず見惚れる。クチュールにオマージュを捧げたヴァレンティノのオートクチュールコレクション。

  • 2024.3.6

ヴァレンティノは、メゾンのサロンでクチュールにオマージュをささげて。

2024年1月24日(現地時間)、メゾン ヴァレンティノは2024年春夏オートクチュールコレクション"ル サロン"を発表した。会場は、パリ・ヴァンドーム広場にあるメゾン。金の浮き彫りが施され、シャンデリアの下がるサロンにゲストを迎え、階段ホールから現れたモデルたちが、マリア・カラスの歌声の響く中、ゆっくりとフロアを一周する。

ピエールパオロ・ピッチョーリがル サロンで提案したのは、伝統と歴史を重んじながら、現代の暮らしと価値観に寄り添うオートクチュール。ジャケット、コート、ワイドでハリのあるパンツ、ボリュームたっぷりのスカートといった現代の日常を彩るワードローブが、ウールやカシミア、シルクなどの高貴な素材とシャープなカッティング、最高の縫製によって、オートクチュールのピースに生まれ変わった。トランスペアレントなトップスやワイドパンツやスカートの深いスリットが、テーラード仕立てのジャケットやコートにフェミニンな味を加える。

ライトグリーン、ボルドーやオレンジ、ピンク、パールイエローやエメラルドグリーンなど、強さとニュアンスを併せ持つカラーパレットが目を引く。同系色のコンビネーションもあるが、グリーンとマスタード、パープルとイエローなど、思いがけない組み合わせが鮮やかだ。また、アイデアとアトリエの技術から生まれる新しい素材も次々と提案された。まるでメタルテープを散りばめたように見えるのは、手仕事でカットしたスパンコールによるコートやブラウス。フェザーのように風になびくのは、細かなシルクオーガンディを全体にあしらったトップス。カシミアとレザーのフリンジがまるでファーのように全体を覆うコート。いずれも、モダンな表情が印象的だ。

ラストを飾ったのは、黒一色の4ルック。シルクシフォンとウール、あるいはチュールにごく繊細なシャンティイ・レースをはめこんだ、トランスペアレンスの崇高なドレスだ。煌びやかなストラスやビーズの刺繍よりも、シンプルに見えるアイテムにこそ、オートクチュールの真髄が隠れている──そのことを雄弁に物語るコレクションだ。

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