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学び舎にたった一人…だからこそ見つけた「将来の夢」地域に愛された最後の卒業生

  • 2024.3.3

北海道紋別市の郊外にある、この春に閉校する小さな小学校に通う唯一の児童。

「最後の卒業生」として、歴史ある学び舎からの巣立ちまであとわずか。

学校や地域の人たちに支えられる中で、将来の夢を見つけました。

Sitakke

大谷選手から贈られたグローブを手にしたのは、たった一人の児童、6年生の古屋智貴くんです。

オホーツクの紋別市にある小向小学校。

教室では、担任の小橋百合香先生と2人っきりの授業です。

Sitakke

戦前から酪農を中心に発展した紋別の小向地区。

中学校も併設していた最盛期には、300人以上の児童・生徒が通っていました。

しかし、過疎化で児童数も減少。

古屋くんが入学した時に、7人いた児童も、いまは1人になりました。

そしてこの春、古屋くんは、「最後の卒業生」として小向小学校を巣立ちます。

その閉校式での古屋君のあいさつは…。

Sitakke

「小向小学校は人を集め、人に愛され、人を育てる場所でした。ここで過ごした思い出と経験を力に、僕はこれからも強く生きていこうと思います」

とはいえ、6年生で1人だけになった古屋くん。

さみしくはなかったのでしょうか。

たずねてみると、意外な答えが返ってきました。

地域に愛されさまざまな経験を

Sitakke

「6年生になってからは、たくさんの人と話をして、文章力とか話す力が鍛えられた。6年間の中では、6年生が一番楽しいです」

たくさんの人。

それは、地域の人たちとのふれあいでした。

Sitakke

自分で日程を考えた遠足に、バテながらも登り切った登山。

この1年、先生の手を借りながら、児童1人ならではの、さまざまな出会いを経験しました。

そして、秋には、伝統芸能にも挑戦。

先生や地域の人たちも総動員しての「最後の学芸会」です。

古屋くんは、地域の人に教えてもらった古典落語「時蕎麦」で、高座をつとめあげました。

Sitakke

担任の小橋百合香先生は「6年生になってからの1年の伸び幅は大きかったと思う。その中でも判断力がグッとついた」と頼もし気。

普段は静かな時間が流れる小向小学校。

自分を見つめる時間が長くなった6年生で、古屋君は将来の夢を見つけました。

ここにいたから見つけた将来の夢

Sitakke

「1年生から4年生くらいまでは、将来の夢が無かった。最近は、幼稚園の子たちとか、小学校低学年向けの絵本を作る作家になりたい」

そんな古屋くんが描いた夢が、一足早く叶いました。

先生たちと一緒に、教室で手作りした絵本を、市内の幼稚園児に読んであげることにしたのです。

Sitakke

古屋くんは「自分は教えられる側だったけど、逆に教えるのはどういう気持ちなんだろうということを知った。結構楽しい気持ちもあるし、大変な気持ちもあると分かった」ととてもいい経験になったようです。

6年を通じて、人生の目標を見据えるまでに成長した古屋くん。

小学校卒業、そして学び舎との別れが近づいています。

Sitakke

「今年に入って1月が終わるのが早すぎて…。そういえば、もう2か月後って中学校なんだと思って。悔いなく過ごしていこうとは思っています」

卒業後は紋別市内の中学校に進学予定ですが、生徒数は約200人。

先日、学校見学に行ったとのことで、「大きな学校は大きな学校で楽しそうだ」と目を輝かせていました。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年2月16日)の情報に基づきます。

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