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【婚活】お見合いでは“すてきな王子さま”だったのに…婚活女性が「蛙化現象」を起こしたエリート男性たち

  • 2024.3.3
婚活シーンでも「蛙化現象」が多発…?
婚活シーンでも「蛙化現象」が多発…?

仲人である筆者が運営する結婚相談所の会員女性たちが、最近、婚活がうまくいかないときに口にする言葉があります。

「私、蛙化現象が起きてしまうんです」

これは、「2023ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10にも選出された言葉です。20代半ばくらいまでの若者の総称、いわゆる「Z世代」の人たちが、この言葉を恋愛においてよく使い始めたそうです。それが浸透し、今や恋愛や婚活をしている人たちの間では、ポピュラーな言葉になりつつあります。

今回は、婚活中に起こる「蛙化現象」について考えてみましょう。

蛙化現象とは、なんぞや?

「蛙化現象」は、そもそもはグリム童話の『カエルの王様』に由来する言葉のようです。お姫さまの前に現れた醜いカエルが、実はすてきな王子さまだった……というお話ですね。

蛙化現象はもともと、「(女性が)ある男性に好意を持っていたが、相手が自分に好意を持ったと分かった瞬間に気持ちが冷めてしまう」ことを意味する言葉だったようです。しかし、それが次第に変化していって、最近では「好印象だった相手のちょっとした言動で、気持ちが一気に冷めてしまう」ことをいうようになりました。

山本えみかさん(28歳、仮名)は、婚活を始めて3カ月になります。目がくりっとしていてアイドル顔負けの美人なので、サイトに登録するや、たくさんのお申し込みがかかりました。

そんな中でお見合い後、初めて仮交際に入ったのは、年収が800万円の藤本まさるさん(31歳、仮名)でした。

ファーストデートを終えたえみかさんから、こんな連絡が来ました。

「お見合いのときは、スーツだったのですごくすてきに見えたのですが、私服で現れたまさるさんにがっかりしてしまいました。ポロシャツをズボンにインして、ベルトをしていたのですが、そのベルトがカジュアルな服装には合わない、スーツのズボンにするようなタイプ。それに、セカンドバッグを小脇に抱えてきたんです。昭和のおじさん風で、年より老けて見えました」

そこで、私は言いました。

「人には変えられるところと、変えられないところがあります。身長は変えられないけれど、体重や体形や変えられる。そんな中で見た目は、最もすぐに変えられるところですよ。まさるさんは上場企業で働いていて年収もあるのだから、親しくなったら一緒に買い物へ行って、えみかさんが洋服を選んであげたらいいのではないですか?」

こうして2度目のデートをしたようですが、えみかさんの気持ちは、さらに離れてしまったようです。

「今回の私服もダサダサでした。あと、ランチが簡単なコースだったのですが、スープをズーズーと音を立てながら飲んでいる姿を見て、40%くらい残っていた気持ちがゼロになりました。交際終了でお願いします」

お見合いのときは、上場企業に勤めるエリートサラリーマンのまさるさんはまさに、目の前に現れたすてきな王子さま。しかし、初デートのときの昭和チックな服装と、2回目のデートでズーズーと音を立ててスープを飲む姿に、王子さまが“蛙”になってしまったようです。

エリートサラリーマンが母親を「ママ」

内田あきこさん(31歳、仮名)は、太田あきのりさん(34歳、同)とお見合いをしました。あきのりさんは私立の名門大学を卒業後、有名メーカーに就職し、営業畑で働いていました。営業職というだけあって話し上手で、お見合いでの会話も楽しかったようです。あきこさんは好印象を抱いて、仮交際に入りました。

ところが、2度のデートを終えると、印象が悪い方向に変わってしまいました。

「あきのりさんって、もしかしたらマザコンかもしれません。学歴もいいし、有名会社の社員さんだし、すごく自立した男性のイメージがあったんですけど、会話にやたらとお母さんの話が出てくるんです。しかも、一度、『ママが』って言ったんですよ。慌てて『母親が』って言い直したんですけど、きっと家では、母親をママって呼んでいるんだと思います。気持ちがドン引きしました」

以来、彼が家族の話をしだすと、「ママという言葉が出てくるのではないか」と気になってしまうようになったといいます。

2度目のデートの帰り際、駅までの道すがら家族の話をしていたあきのりさんが、また「ママ」と口を滑らせ、あきこさんは心の中で苦笑い。既に3回目のデートの約束をしていましたが、帰りの電車の中で、交際終了を出すことを心に決めました。

運転がめちゃくちゃ下手な様子に幻滅

太田よしみさん(31歳、仮名)は、東京に隣接した県に住んでいます。移動は電車よりも自家用車が多い地域です。交際に入った藤田たかしさん(35歳、同)との2回目のデートも、彼が運転する車で自然公園に行くことになりました。

待ち合わせ場所に車で迎えに来たくれたたかしさんですが、その車がかなりのポンコツ車。ただ、よしみさんは車にこだわるタイプではなかったので、まずは乗り込み、シートベルトをしました。すると、たかしさんが言いました。

「今日はちょっとナビの調子が悪くって。目的地までスムーズに着けるかどうか不安なんだけど、携帯のGoogleマップで道案内を頼むね」

そしてドライブデートがスタートしたのですが、たかしさんの運転は、お世辞にも上手とはいえませんでした。高速道路を走っていたときには、あまりの運転の下手さ加減に、若い男性が運転する車にあおられる始末。

「な、な、なんなんだよ〜。失礼な奴だな〜」

そう言いながら、顔を真っ青にしてオドオドしているたかしさんを見ていたら、よしみさんの気持ちはスーッと冷めていきました。

このデートを終えて、交際終了を出してきたよしみさんが言いました。

「自然公園の駐車場で車を入れるときも、何度もハンドルを切り返して、なかなか定位置に駐車できないんです。そして何より、あおられたときのオドオドした様子が頭に焼きついちゃって。私が危険にさらされたときに、守ってくれないタイプじゃないかって思ってしまいました。男性としてこの人のことは、絶対に好きにならない気がします」

どんなときに蛙化現象が起こるのか

「100年の恋も冷める」という言葉がありますが、どんなときに蛙化現象は起こるのでしょうか。これまでに私が、会員女性たちから聞いた蛙化現象の具体例を挙げてみましょう。

・デートが割り勘なのはいいのだが、10円、1円の単位まで毎回きっちりきれいに割って、金額を請求してくる・「自分は仕事ができて、周りは無能だ」と“できる男”発言をする。仕事以外でも周りをバカにした発言が多い・デートの食事がフードコートのラーメンだった。フードコートで席が見つけられず、おぼんを持ってウロウロしている・毎回デートが飲み放題で、浴びるようにお酒を飲み、最後はろれつが回らなくなっている・地図が読めない。食事を予約した店の行き方が分からなくて、地図を見ながらも迷っていてたどり着かない・すれ違ったカップルの女性を見て、「よくあんなブスを連れて歩けるな」と女性の悪口を言う・離婚した相手のことをボロクソにけなして、「離婚の原因は元妻にある」と主張している姿

蛙化現象を起こすのは、何も今に始まったことではないと思います。ただ、私が考えるに、恋愛よりも婚活シーンで蛙化現象を起こすことの方が多い気がするのです。

婚活、ことに結婚相談所での婚活は、未来の結婚相手を見つける活動です。気軽に遊べる友達や恋人を見つける活動ではありません。「人生を共に歩んでいく相手を探す」という思いから、お相手を見る目がどうしても厳しくなります。

さらに婚活の場合、最初の選別はプロフィールです。プロフィールに記されている情報を見て、「この人となら結婚してもいい」という、いわば書面の段階で合格点を出した相手に、出会い(お見合い)に行きます。

「婚活は、加点法でお相手を見ないといけない」とはよく言われることなのですが、最初にプロフィールの情報が提示されていると、リアルな本人を目の前にしたときに、どうしても情報とリアルな本人を見比べてしまうのです。つまり、自然と減点法になってしまいます。

「プロフィールに記されていたほど身長がない。4、5センチごまかしているかも」「写真では髪の毛がフサフサなのに、頭のてっぺんから地肌がのぞいている」「年収が900万円もあるのに、デートが割り勘って、すごいケチかも」「自己PRには『明るくて楽しい性格』って書いてあったけれど、暗い印象だし話下手だわ」…そんなふうに、どんどん減点してしまうのです。

さらに、サイトには何万人という男性が登録されているので、すてきな王子さまの嫌なところが見つかって“蛙”になったとき、「ハイ、次!」と交際終了を出せるのも婚活の特徴です。

ただ、100%完璧な人間はいませんし、理想を100%かなえてくれる相手もいません。王子さまが“蛙”に変身したときに、その“蛙”を「いとおしい」と思える気持ちが、婚活には大切なのではないでしょうか。

仲人・ライター 鎌田れい

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