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攻守で上回ったアビスパ福岡!横浜F・マリノス、キューウェル新体制でも続く「課題」とは

  • 2024.3.4
攻守で上回ったアビスパ福岡!横浜F・マリノス、キューウェル新体制でも続く「課題」とは
攻守で上回ったアビスパ福岡!横浜F・マリノス、キューウェル新体制でも続く「課題」とは

Text by 隈崎碧

1日、明治安田J1リーグ第2節が行われ、アビスパ福岡がアウェイで横浜F・マリノスと対戦し、後半6分の紺野和也のゴールで1-0で勝利。今シーズン初の勝点3を獲得すると同時に、Jリーグ参戦29年目にして初の日産スタジアムでのF・マリノス戦勝利を挙げた。

アビスパ福岡は3バックが主体。この日も3-2-4-1のシステムでスタートした。

堅守をベースに奪ってからのスピード感のある速攻が武器のこのチームは、守備に回る時両ワイドの選手がサイドバックの位置まで下がって守るいわば5バックの陣形を取る。F・マリノスのようなサイド攻撃を多用してくるチームを封じ込める上では有効なシステムである。

特に効果的だったのが試合終盤だ。1点ビハインドで猛攻を仕掛けてくるF・マリノスは、サイドのヤン・マテウス、宮市亮、インサイドハーフに入ったエウベルと天野純の4枚でボールを繋ぎ、サイドからのクロスでチャンスを作り出そうとした。

ここで光ったのがペナルティエリア内のターゲットとなる選手へのマークだ。

F・マリノスのサイドからのクロスではターゲットとなるのはセンターフォワードのアンデルソン・ロペス。そこにインサイドハーフや逆サイドのウイングやサイドバックが入ってくることが多い。

そこで、ロペスのところにはセンターバックがマンツーマンで対応し寄せ切って無力化させる。後から入ってくる選手にも前寛之などが戻ってカバーに入り中を固めてゴールを割らせない。

しっかりと選手同士でコミュニケーションを取り、普段の練習からクロスの対応の練習をして、相手を分析していた結果が出ていたと感じる。

ただ、サイドプレーヤーがカットインしてきたところの対応に手こずっていた印象はあった。例として前半17分のシーンが挙げられる。

ロングボールを受けたエウベルに井上聖也が対応に行くも、間合いが少し開きすぎたのかシュートコースを作ってしまい、エウベルにシュートを打たれる場面があった。クロスバーに阻まれたとはいえ対応はもう少し厳しく行くべきであった。

また後半41分、ヤン・マテウスがペナルティエリア内から中に向かってドリブル。ディフェンスが2枚ついて対応に行くもテクニックで簡単に剥がされ、あわやゴールというシーンを作られた。

中央のディフェンスに人数をかけても1人に打開されては意味がないため、対人のところはまだ強化が必要だ。

攻撃はテンポよく攻められていたと感じる。前半はターゲットをウェリントンに絞ってクロスを上げ、ポープ・ウィリアムのセーブに阻まれたがヘディングで決定機を2度作った。

特に後半のゴールシーンは見事だった。中盤で受けた前が、左サイドの喜田拓也の裏のスペースへボールを出すと走り込んだ重見柾斗が中央へ折り返す。入り込んでいた紺野が冷静に流し込んで得点を奪った。

前の視野の広さと重見の動き出しのタイミングなど良い点が重なり合っていた素晴らしい得点であった。攻撃の面でも守備の面でも常に上に立っていたアビスパの完勝だった。

即ち、F・マリノスから見れば完敗だったと言える。守備でも速攻メインの相手の攻撃を止めきれず何度もチャンスを作られ、ボールの支配率は60%を超えてはいたがブロックを作られたことで後ろでボールを回すことしかできず。

特に目立ったのが攻撃時のこぼれ球への対応だ。シュートを弾いた後に詰める選手がおらず、チャンスを逃す場面が多々あった。負けている時こそこういう場面は貪欲に行くべきだった。

昨シーズンから課題であった相手にブロックを作られた時の崩しは改善が見られない。リードを奪われた後、相手がDFラインを下げて中に絞られると、サイドと後ろの選択肢しか残らない―。

F・マリノスにとって長く付きまとう課題を新監督ハリー・キューウェルがどのように修正していくのかに期待がかかる。

アビスパ福岡は次戦、9日にホームで湘南ベルマーレと、横浜F・マリノスは6日にACL準々決勝で中国の山東泰山とアウェイで対戦する。

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