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「生活費・予備費・貯蓄」の黄金比は「5:3:2」「6:2:2」「7:2:1」どれ?

  • 2024.3.3

家計の管理には目安があり、生活費、予備費、貯蓄の割合を「5:3:2」にするとよいといわれますが、ほかにも「6:2:2」「7:2:1」が勧められる場合もあります。これらはどう違っていて、自分たちに合う割合がどれなのか、どうやって決めればいいのでしょうか。

■黄金比「5:3:2」が合うのは子供のいない共働き世帯や独身者など

家計管理の「5:3:2」は“黄金比”とされ、これは収入の50%を生活費に充て、30%を娯楽費やお小遣いなど調整しやすい予備費に、20%を預貯金や投資のような貯蓄に充てるというものです。

これは、アメリカの上院議員で、もともと破産を専門とする法学教授だったエリザベス・ウォーレン氏が著書で提唱しました。

注意点としては、予算管理方法では有名ではありますが、誰にでも当てはまるわけではないということです。

この「5:3:2」が合うのは、お金にゆとりのある子供のいない共働き世帯や、独身の人です。

たとえば、年収が400万円の独身の人であれば、生活費に200万円、予備費120万円、貯蓄80万円という割り振りになります。

ただ予備費120万円は月額にすると10万円で、少し多めなので、「5:3:2」を「5:2:3」に変更して、生活費200万円、予備費80万円、貯蓄120万円もよいでしょう。

■「6:2:2」を目安にしたいのは子育て世帯

「6:2:2」を目安に振り分けたいのは、子育て世帯です。「5:3:2」との違いは、生活費がかかり、その分、予備費が削られているところです。

夫婦世帯でも子供がいる場合といない場合では家計は大きく変わり、子供がいると生活費の割合が高くなります。その場合でも将来の教育費のために、収入の20%は貯蓄に回すのが望ましいといえます。

世帯の収入が700万円であれば、生活費420万円、予備費140万円、貯蓄140万円という分け方です。

ただし、子供の人数が多い世帯では、生活費の割合が高くなるのは避けられません。食費の削りすぎのような無理をしないようにしましょう。

■「7:2:1」を目安にしたいのは収入の低い世帯やシニア世帯

もう一つ、「7:2:1」を目安にしたいのは、収入が低めの世帯や年金で生活する高齢者の世帯です。3つの家計管理の比率の中で、生活費の割合が最も高いのが「7:2:1」です。

世帯の年収が200万円の場合、生活費140万円、予備費40万円、貯蓄20万円という割り振りとなります。

重要なのは、収入が少なくても最低10%は貯蓄に回し、大きな支出に備えておくことです。

このように、家計管理で支出の割合を大まかに決めておくと、収入の振り分けに悩まずに済むので便利です。

ただし、本来はどの世帯にも合う万能の割合はないので、家計をやりくりしながら調整していくとよいでしょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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